「異次元の少子化対策」として、児童手当の拡充など経済的支援が強化され、出産や育児がしやすい環境が整備されようとしています。
しかし、現状では子育てするには、家計に不安があると感じる人が多いようです。
この記事では、子育て費用と貯蓄方法について解説します。
結婚や育児に不安を抱える人が50%以上。不安を解消するには必要資金の「見える化」を
マネーFix 編集部
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令和の夫婦が抱える家計の不安と課題
株式会社400Fが運営する家計診断・相談サービス「オカネコ」は、1,020名を対象に「結婚と子育てに関する意識調査」を実施しました。
出典:株式会社400F「オカネコ 結婚と子育てに関する意識調査」(以下同)
結婚に際する家計への不安について「不安がある/あった」と回答した年代は、「20代以下」(68.8%)が最も多く、「40代」(51.6%)、「30代」(51.5%)と続きました。
子どもを持つうえでの家計への不安について「不安がある/あった」と回答した年代は、「20代以下」(63.6%)が最も多く、「40代」(53.4%)、「30代」(51.4%)と続きました。
結婚や子どもを持つにあたって、家計の状況に不安を感じている人は、40代以下では半数以上という結果でした。
また、若い世代ほど不安に感じる人が多いことがわかります。
結婚や子どもを考えるうえで家計に不安を持つ人の状況については、「どのように不安を解消したらいいか分からない/分からなかった」(40.9%)が最も多い結果でした。
家族や友人に相談したり、インターネットで情報収集したりすることで不安を解消できた人もいるようですが、約4割の人は不安の解消方法がわからずに悩んでいる状況が伺えます。
子育てにかかる費用
「教育資金」は人生の3大資金の1つといわれており、大きな金額が必要になります。
子どもを持つうえで家計に不安を感じている人は、育児にかかる費用(教育費など)を具体的な数字で把握することが不安解消の第一歩となるでしょう。
文部科学省の調査によると、幼稚園から高校まですべて公立に通った場合、15年間の学習費総額は約157万円になります。(学校外活動費を含む)
【公立】
- 幼稚園:16万5126円
- 小学校:35万2566円
- 中学校:53万8799円
- 高校:51万2971円
【私立】
- 幼稚園:30万8909円
- 小学校:166万6949円
- 中学校:143万6353円
- 高校:105万4444円
出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
また、日本政策金融公庫の調査によると、大学へ進学した場合にかかる費用は以下の通りです。
- 国公立:421.2万円
- 私立文系:689.8万円
- 私立理系:821.6万円
出典:日本政策金融公庫「令和3年度教育負担の実態調査結果」
教育費の中でも、大学進学には特にお金がかかることがわかります。
教育資金の賢い貯蓄方法
大学進学に備えるためには、子どもが高校を卒業するまでに学費を貯めておく必要があります。
大学にかかる費用を準備するには、以下の方法がおすすめです。
- 児童手当を貯める
- NISAを活用する
児童手当は2024年10月支給分から所得制限が撤廃され、高校生までもらえるように拡充されます。
例えば、2024年10月以降に子どもが生まれた場合、第1子・第2子の受給総額は約240万円になります。
児童手当を貯めておくだけでも、多額の資金を準備することができます。
さらに、子どもが小さく、大学に進学するまで期間がある場合は、NISAの利用も検討しましょう。
NISAは投資による利益が非課税になる制度です。
子どもが3歳以下であれば、大学進学まで15年以上の長期投資が可能になります。
仮に児童手当を全額積立投資した場合、15年後に約300万円の資金が準備できる可能性があります。(年利3%でシミュレーション)
とはいえ、教育資金を準備するために、元本割れのリスクがある投資を行うのには抵抗があるかもしれません。
教育資金について不安がある場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談してみるのも有効です。
こちらの記事では、教育資金の不安について、実際にFP相談をした事例を紹介しています。
参考にしてみてください。
- 株式会社400F「オカネコ 結婚と子育てに関する意識調査」
- 文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
- 日本政策金融公庫「令和3年度教育負担の実態調査結果」