4月から子どもが小学校や中学校に進学する際に、話題になるのがPTAへの加入です。
PTAに加入すると、会費の支払いが必要になります。
学校ごとにPTAの会費は異なりますが、会費はどのように使われるのでしょうか。
この記事では、PTAの会費やよくあるトラブルについて解説します。
PTA会費が高い市区町村とPTA会費の使い道
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
【地域別】PTA会費TOP10
PTA会費は市区町村によって異なります。
総務省統計局の「小売物価統計調査(動向編)」によると、PTA会費が高い地域と安い地域のトップ10は以下の通りです。
【PTA会費が高い地域TOP10】
【PTA会費が安い地域TOP10】
出典:総務省統計局「小売物価統計調査(動向編)中学校・公庫等学校授業料等【都道府県庁所在市及び人口15万以上の市】(2022年)」をもとに作成
公立小学校のPTA会費は、最も高かった地域は島根県松江市で7,104円でした。
最も安かった地域は大阪府堺市の733円で、松江市とは6,371円の開きがあります。
公立中学校のPTA会費は、和歌山県和歌山市が9,112円でした。
最も安かった地域は静岡県浜松市の1,000円で、和歌山市とは8,112円の開きがあります。
小学校・中学校共に、大半の地域は年間5,000円以下でした。
また、東京都区部のPTA年会費は、以下の通りです。
- 小学校:2,720円
- 中学校:3,050円
PTA会費の使い道
PTAの会費は、主に以下の目的で使われます。
- 懇親会や総会、広報誌発行にかかる経費など
- PTA運営にかかわる事務費や通信費、交通費など
- 卒業記念品や運動会の参加賞など
PTA会費でたびたび問題になるのは「PTAに未加入の世帯への記念品贈呈」です。
PTAへの入会は任意です。
東京都PTA協議会が2022年9月に実施した「PTA実態調査2022」によると、全世帯がPTAに加入している学校は30.2%でした。
約7割の学校では、未加入の世帯があります。
そのため、未加入世帯と区別なく対応するべきか、意見が分かれています。
同調査によると、PTA未加入世帯への対応は、以下の通りでした。
- 区別なく対応:61.3%
- 実費負担にて対応:19.8%
- 未加入家庭は対象外の場合あり:18.9%
PTAは子どもの成長や学びに寄与する団体です。
そのため、PTAに未加入であっても、子どものために区別なく対応する必要があります。
とはいえ、会費を払っていない世帯と同じ対応をされると、不公平を感じる人もいるでしょう。
なお、小学校6年間でかかる費用については、こちらの記事も参考にしてください。
- 総務省統計局「小売物価統計調査(動向編)中学校・公庫等学校授業料等【都道府県庁所在市及び人口15万以上の市】(2022年)」
- 東京都PTA協議会「PTA実態調査2022」