新NISAスタートや、バブル期以来の株価高値更新など、株式市場は年初から勢いづいています。
新NISAの開始をきっかけに投資を始めようとする人の中には、「投資信託ランキング」を信用してよいものか、疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「投資信託のランキングは参考になるのか」という点について説明しています。
「投資信託ランキング」は信用できる?鵜呑みにするのはNG。投資の目的でランキングの意味が変わる
マネーFix 編集部
マネーFix 編集部は、FP有資格者や「ビジネス書」や「学習参考書」などさまざまなジャンルの編集経験者で構成されています。わかりやすく確かな情報を発信し「人生におけるお金の決断」の判断基準となる、信頼できるメディアを目指します。
投資信託ランキングは参考になる?
各証券会社や銀行が公開している投資信託ランキングに嘘はありません。
参考にしても問題はありませんが、鵜呑みにするのではなく、自分なりの基準をもって選ぶことが重要です。
買付ランキング上位に投資する是非
買付ランキング上位のファンドに投資すること自体は間違いではありません。
投資家から集めた純資産が多ければ多いほど、運用に幅ができるため利益も大きくなります。
したがって、買付金額が多く、多くの投資家から資金を集めているファンドへ投資することには意義があります。
株式投資の格言に「人の行く裏に道あり花の山」というものがありますが、投資信託には当てはまらないため、混同しないようにしましょう。
運用スタイルに合わせたファンド選びが必要
では、何も考えずに買付ランキング上位のファンドに投資していいのか?というと、それは間違いです。
買付ランキング上位に投資すること自体は間違いではありませんが、「何も考えずに」という点に問題があります。
投資信託はインデックスファンドやアクティブファンド、毎月分配型ファンドなど、いくつかの運用スタイルに分かれています。
ファンドごとの運用スタイルの違いを把握したうえで、ファンドを選ぶ必要があります。
例えば、「長期資産形成を目的としているのに、毎月分配型ファンドへ投資する」という選択は避けたいところです。
最適な投資信託ファンドとは?
最適なファンドは、運用目的によって大きく異なります。
10年以上の長期運用を目的とする場合、比較的値動きが少なく、運用コストを抑えられる「インデックスファンド」がよいとされています。
多少のリスクをとりつつ、運用コストをかけてでもリターンを狙いたい場合は、「アクティブファンド」を選んだ方がよいです。
資産を少しづつ取り崩しながら生活したい場合は、「毎月分配型ファンド」での運用が適しています。
ダイレクトに資産を取り崩すよりも、毎月分配型ファンドを挟んだ方が資産の減り方が遅くなるためです。
資産運用を通して何を達成したいのかを明確にすることで、自分にとって最適なファンドが見えてきます。
ファンド選びの際に抑えておきたいポイント
ファンド選びの際に抑えておきたいポイントを、4つ紹介します。
- 純資産の推移
- トータルリターン
- 投資対象と運用スタイル
- 信託報酬
純資産の推移
現在の純資産だけでなく、純資産の推移を確認しましょう。
一見純資産が多いように見えて、実は毎月、純資産が流出し続けているファンドかもしれません。
月単位や年単位で見て純資産が右肩上がりを続けているファンドは、投資家からの評判が良く、運用しやすいファンドということになります。
純資産が流出し続けているファンドは、運用やファンドのテーマに問題を抱えている可能性があります。
トータルリターン
トータルリターンとは、分配金を含めたファンドの損益を表した指標です。
毎月分配金が出続けていると、なんとなく儲かっているように錯覚しがちです。
しかし、実は自分の資産から分配金を出しているだけでプラスになっていない、ということがあります。
トータルリターンという指標が注目され始めた背景には、「儲かっているかもしれない」という錯覚を正すためという意図があります。
毎月分配金型のファンドを選ぶ際は分配金の額に注目しがちですが、トータルリターンをよく確認しましょう。
投資対象と運用スタイル
投資信託の運用スタイルには、インデックスファンド、アクティブファンド、毎月分配型などさまざまな種類があります。
自分の運用目的と照らし合わせて、ぴったりなファンドを選びましょう。
また、ファンドごとの投資対象も数多く存在します。
株式や債券などの資産のほかに、国別、テーマ別などそのときのトレンドに合わせたファンドの数も多いです。
あまりのファンドの多さに戸惑ってしまいがちですが、自分の運用目的さえしっかりしていればファンドの選択で迷うことはありません。
信託報酬
ファンドを保有している間、ずっと支払い続ける信託報酬は、とても重要な運用コストです。
購入手数料や解約時に支払う「信託財産留保額」は1回のみで済みます。
最近では、購入手数料や信託財産留保額を無料としているファンドも多く、投資信託の主な運用コストは信託報酬の割合が高くなっています。
インデックスファンドの多くは信託報酬を安く抑えていますが、アクティブファンドの中には1%を超えるファンドもあります。
特に長期運用を目的とする場合、信託報酬をよく確認しましょう。
投資信託を選ぶ際のポイントを解説しましたが、難しいと感じる人は、専門家に相談してみるのもおすすめです。
資産運用の相談先については、こちらの記事も参考にしてください。