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【最大30万円】生活保護世帯の子どもが就職した場合に給付金支給へ。生活保護法改正で、子どもの自立支援

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

政府は、生活困窮世帯の子どもの自立を支援する目的で「生活保護法」の改正を行う方針です。

生活保護世帯の子どもが就職した場合に、最大30万円の給付金を支給する見通しです。

この記事では、生活保護法の改正や、自治体独自の支援について解説します。

現行制度と新たな制度

政府は「生活保護法」を改正する方向で調整を進めています。

生活保護世帯の子どもが大学や専門学校に進学すると、生活保護の対象から外れます。

そのため、生活保護世帯の子どもの進学率に歯止めがかかる状況があります。

こうした状況を受け、生活保護世帯の子どもの進学を支援するため、生活保護世帯の子どもが高校を卒業後、大学等に進学する場合に一時金が支給されます。

  • 自宅から通学する場合:給付金10万円
  • 進学のために転居する場合:給付金30万円

一方、高卒で就職した場合も生活保護の対象から外れますが、給付金は支給されません。

政府は、就職時にも給付金を支給するように、法改正を進める予定です。

  • 家族と同居する場合:給付金10万円
  • 1人暮らしをする場合:給付金30万円

改正案では、2024年3月に高校を卒業し、就職する人も対象となる見通しです。

名古屋市や世田谷区では独自支援も

国だけでなく、自治体でも生活保護世帯の子どもの支援が行われています。

愛知県名古屋市

愛知県名古屋市では、2023年4月から大学や短大に通う生活保護世帯の学生に、毎年10万円を給付する制度を設けています。

給付金は、春と秋にそれぞれ5万円ずつ支給されます。

東京都世田谷区

東京都世田谷区では、生活保護世帯の子どもが大学に進学した場合に、給付型の奨学金を支給すると発表しました。

奨学金は、「学費」「教材費・交通費」に分けて支給する予定です。

  • 学費:年間50万円を上限に給付
  • 教材費・交通費:実費で給付

奨学金を受けるうえで、子どもの成績は問われません。

また、学校を中途退学した場合も、奨学金の返還は不要です。

奨学金制度は、2024年4月から実施予定です。

生活保護世帯の子どもに対して実施される、国や自治体の支援策に、注目が集まります。

なお、国からもらえる給付金については、こちらの記事も参考にしてください。

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