長期金利の上昇によって、各銀行が定期預金の金利を引き上げています。
ゆうちょ銀行は、2024年1月15日から、5年もの定期預金の金利を引き上げました。
金利が引き上がることで、定期預金の利息はどれだけ増えるのでしょうか。
この記事では、各銀行における定期預金の金利と、利息のシミュレーションについて解説します。
【定期金利】ゆうちょ銀行も引き上げ0.002%→0.07%。各銀行の金利と利息をシミュレーション
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
各銀行の金利
ゆうちょ銀行とメガバンクにおける定期預金の金利を見てみましょう。
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は、5年定期の金利を0.002%から0.07%に引き上げました。
金利を0.07%としているのは、5年定期だけです。
ゆうちょ
期間 | 金利 |
1ヵ月(1ヵ月以上3ヵ月未満) | 0.002% |
3ヵ月(3ヵ月以上6ヵ月未満) | 0.002% |
6ヵ月(6ヵ月以上1年未満) | 0.002% |
1年 | 0.002% |
2年 | 0.002% |
3年 | 0.002% |
4年 | 0.002% |
5年 | 0.07% |
出典:ゆうちょ銀行「金利一覧」をもとに作成
ゆうちょ銀行が定期貯金の金利を引き上げるのは、2007年6月以来です。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行は、10年もの定期預金の金利を年0.002%から年0.2%に引き上げました。
期間 | 300万円未満 | 300万円以上 |
1ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
2ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
3ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
6ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
1年 | 0.002% | 0.002% |
2年 | 0.002% | 0.002% |
3年 | 0.002% | 0.002% |
4年 | 0.002% | 0.002% |
5年 | 0.07% | 0.07% |
6年 | 0.07% | 0.07% |
7年 | 0.1% | 0.1% |
8年 | 0.1% | 0.1% |
9年 | 0.1% | 0.1% |
10年 | 0.2% | 0.2% |
出典:三菱UFJ銀行「円預金金利」をもとに作成
2023年11月6日から適用しています。メガバンクの中ではいち早く金利を引き上げました。
みずほ銀行
みずほ銀行は、三菱UFJ銀行の金利引き上げに追随する形で、2023年11月10日に引き上げを発表しました。
期間 | 300万円未満 | 300万円以上 |
1ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
2ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
3ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
6ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
1年 | 0.002% | 0.002% |
2年 | 0.002% | 0.002% |
3年 | 0.0025% | 0.0025% |
4年 | 0.05% | 0.05% |
5年 | 0.075% | 0.075% |
6年 | 0.1% | 0.1% |
7年 | 0.125% | 0.125% |
10年 | 0.2% | 0.2% |
出典:みずほ銀行「円預金金利」をもとに作成
期間が長い定期預金ほど、金利が高くなっています。
三井住友銀行
三井住友銀行も、三菱UFJ、みずほ銀行と同じく10年もの定期預金の金利を年0.002%から年0.2%に引き上げました。
期間 | 300万円未満 | 300万円以上 |
1ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
2ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
3ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
6ヵ月 | 0.002% | 0.002% |
1年 | 0.002% | 0.002% |
2年 | 0.002% | 0.002% |
3年 | 0.002% | 0.002% |
4年 | 0.002% | 0.002% |
5年 | 0.07% | 0.07% |
7年 | 0.1% | 0.1% |
10年 | 0.2% | 0.2% |
出典:三井住友銀行「円定期預金店頭金利変更のお知らせ」をもとに作成
メガバンクでは、10年もの定期は0.2%となっています。
3~9年ものの定期預金金利は、各銀行で異なりました。
では、金利が引き上げられた結果、利息にどう影響するのか、シミュレーションしてみましょう。
利息のシミュレーション
定期預金の金利が引き上げられたことで、利息はどの程度増えるのか、100万円を預けた場合を想定してシミュレーションします。
一般的に、利息には復興特別所得税20.315%がかかりますが、今回は考慮せず計算します。
【5年定期】金利0.002%から0.07%に引き上げたケース
5年定期で金利が0.002%の場合、利息の合計額は100円です。
一方、0.07%に引き上げられた場合、利息は3,503円です。
5年で約3,400円の差額になっています。
【10年定期】金利0.002%から0.2%に引き上げたケース
10年定期で金利が0.002%の場合、利息の合計額は200円です。
一方、0.2%に引き上げられた場合、利息は2万16円です。
10年の場合、約2万円の差額が出ることになります。
2024年4月には、日銀がマイナス金利政策を解除する予測もされています。
今後、銀行の預金金利がどのように変化するか、引き続き注目が集まります。
定期預金金利が増加した場合のシミュレーションについては、こちらの記事も参考にしてください。
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- ゆうちょ銀行「金利一覧」
- 三菱UFJ銀行「円預金金利」
- みずほ銀行「円預金金利」
- 三井住友銀行「円定期預金店頭金利変更のお知らせ」