政府は12月11日に「こども未来戦略案」を公表しました。
異次元の少子化対策の一環として、3人以上の子どもがいる世帯について、大学の授業料と入学金を無償化する方針です。
所得制限は設けず、扶養する子どもが3人以上いれば、第1子と第2子も対象となります。
この記事では、大学無償化の対象者や対象校について解説します。
【大学無償化】多子世帯は大学授業料と入学金が無料に。第1子・第2子も対象。2025年度から実施予定
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
対象となる世帯の条件
不要する子どもが3人以上いる世帯が、大学無償化の対象です。
子どもが3人以上いる場合、第1子から無償化の対象になります。
現行制度では、授業料・入学金の支援を受けるには、所得制限(年収380万円未満)があります。
多子世帯の場合、所得制限がなく、無償化されます。
ただし、以下に該当すると、無償化の対象外となる可能性があります。
- 第1子が卒業して扶養から外れる
- 出席率の低さや留年
例えば、子どもが3人いる世帯で、第1子が卒業し扶養から外れると、扶養している子どもが3人未満になるため、無償化の対象外となります。
無償化の対象となる学校
対象となるのは、大学のほか、短大、高等専門学校、専門学校です。
大学、短大、高等専門学校については直近3年度の収容定員が8割以上の学校、専門学校については5割以上の学校が対象となります。
授業料と入学金の支援上限は、以下の通りです。
国公立大学の場合
- 授業料:約54万円
- 入学金:約28万円
私立大学の場合
- 授業料:約70万円
- 入学金:約26万円
(※校種や学校ごとに上限額が異なります。)
今後のケジュール
多子世帯の大学無償化に向けた今後のスケジュールは、以下の通りです。
- 支援要件を拡大(2024年度)
- 無償化(2025年度)
来年度から、多子世帯の所得制限が600万円程度に引き上げられます。
授業料と入学金の無償化については、2025年度からスタートする予定です。
多子世帯の大学無償化以外にも、さまざまな大学教育費の支援策が検討されています。
- 貸与型奨学金の減額返還制度の拡充
- 「授業料の減免制度」や「給付型奨学金」の拡充
- 授業料の後払い制度の創設
- 大学受験費用の補助金
詳しくは、こちらの記事も参考にしてください。