6,500円分(約100kWh分)の電気代が無料になる「タダ電」は、2023年5月29日のリリース後、申し込みが殺到し、わずか3日で新規申込が中断となった注目のサービスです。
「工事不要で開始できる」「いつでも無料で解約できると」といった手軽さも魅力の1つです。
一方、よくわからずに利用すると、従来よりも電気代が高くなる可能性もあります。
この記事では、タダ電について解説し、他社と比較してどのくらいお得なのかシミュレーションします。
※本記事は2023年12月11日時点の情報をもとに作成しています。2024年1月15日からタダ電の無料範囲は「5,000円」に縮小されています。
6,500円分の電気代が無料になる「タダ電」とは?ファミリー世帯は割高になるかも
マネーFix 編集部
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タダ電とは
株式会社エスエナジーが運営する「タダ電」は、毎月6,500円までの電気代を無料で利用できるサービスです。
つまり、タダ電を使って電気使用量を6,500円分までに抑えると、毎月の電気代が無料になります。
電気代が6,500円を超えた場合、追加料金は超過分にのみ適用されます。
タダ電の特徴は、下記の通りです。
- 専用アプリに必要事項を記入するだけで利用できる
- 切替工事や工事費用が不要で開始できる
- 基本料金や解約手数料がかからない
地域の電力インフラを利用しているため、電気の品質や供給の安定性に問題はなく、従来通り安心して利用できます。
なぜタダ電で安くなるのか
タダ電が6,500円まで無料で利用できる理由は、以下の2点です。
- ユーザーが利用するアプリ内の広告収入がある
- 6,500円を超えた分の料金が割高
タダ電のユーザーは、専用のアプリを通じて電力使用の詳細などをチェックできます。
アプリ内にはさまざまな広告が掲載されており、この広告料がタダ電の収益源の1つとなっています。
また、6,500円を超えた分の電気料金は、他社と比べて割高です。
6,500円を超えて電気を使用すると、超過分に対する電気料金が徴収されます。
超過分の電気代は1kWhあたり65円で、他社に比べて割高に設定されています。
例えば、東京電力のスタンダードプランでは、1kWh辺り30~40円程度なので、20~30円ほど電気代が高くなります。
では、タダ電を使うと1ヵ月あたり、どれくらい安く利用できるのでしょうか。
タダ電と他社の電気料金をシミュレーション
タダ電の公式サイトによると、使用電力が200kWh以下の場合、東京電力と同じくらいの金額になると試算しています。
※9月分の燃料費調整額を採用
出典:株式会社エスエナジー「タダ電を利用して頂いた際の価格比較」をもとに作成
では、ファミリー世帯が400kWh程度使用した場合はどうなるでしょうか。
タダ電と東京電力のスタンダードプランでどちらが安くなるのか比較してみました。
タダ電は100kWh以降の電気代を1kWh辺り65円、東京電力は下記の料金で計算します。
- ~120kWh:30.00円
- 121k~300kWh:36.60円
- 301kWh~:40.69円
400kWhの電力を使用した場合の金額は以下の通りです。
- タダ電:約1万9500円
- 東京電力:約1万4257円
比較的電力使用量の少ない単身世帯は、タダ電を利用するとお得になるかもしれません。
一方、世帯人数が多い場合は、家庭の使用電力量をよく確認し、シミュレーションするようにしましょう。
- 株式会社エスエナジー「タダ電を利用して頂いた際の価格比較」