年末調整とは、正しい所得税額を計算するために年に一度行われる手続きです。
1年間を通して源泉徴収された所得税が、納付すべき金額よりも多いと、過払い分を還付金として受け取れます。
還付金の平均額はどのくらいでしょうか。
この記事では、年末調整の還付金の金額について解説します。
【年末調整】還付金の平均は約5万4000円。年収、世帯構成別の早見表
マネーFix 編集部
マネーFix 編集部は、FP有資格者や「ビジネス書」や「学習参考書」などさまざまなジャンルの編集経験者で構成されています。わかりやすく確かな情報を発信し「人生におけるお金の決断」の判断基準となる、信頼できるメディアを目指します。
年末調整における還付金は平均いくら受け取れる?
令和4年分民間給与実態調査と、令和4年度統計年報「4国税徴収・国税滞納・還付金」によると、年末調整を受けた人数と源泉所得税の還付金額は以下の通りです。
- 年末調整を受けた人数:約4697万人
- 源泉所得税の還付金額:約2兆5429億円
令和4年度の年末調整における還付金の平均額は、約5万4139円(2兆5429億円 ÷ 4697万人)と予測できます。
ただし、還付金の額は年収や控除額によって異なるため、人によっては数百円という場合もあれば、数十万円という場合もあります。
また、年末調整の結果がマイナスとなり、追加徴収が発生する場合もあります。
詳しくは、こちらの記事「年末調整がマイナスになる4つのケース。マイナス額が大きい場合、分割払いできる制度も」を参考にしてください。
年末調整の還付金早見表
年末調整の還付金をシミュレーションしてみます。
年末調整における還付金は、以下の手順で計算します。
- 年間給与から、給与所得を計算する
- 給与所得から各種控除を差し引いて、課税所得を計算する
- 課税所得をもとに、所得税額を計算する
- 源泉徴収額から所得税額を引く
年収300万円の場合
※源泉徴収額は概算
独身の場合、年収から給与所得控除と各種控除を差し引くと、課税所得額は112万円です。
したがって所得税額は5万6000円(112万円×5%)です。
源泉徴収額との差額8,000円が還付金となります。
配偶者1人、子どもが1人いる場合、年収から給与所得控除と各種控除を差し引くと、課税所得額は36万円です。
したがって所得税額は1万8000円(36万円×5%)です。
源泉徴収額との差額7,000円が還付金となります。
年収500万円の場合
※源泉徴収額は概算
独身の場合、年収から給与所得控除と各種控除を差し引くと、課税所得額は238万円です。
したがって所得税額は14万500円(238万円×10%-9万7500円)です。
源泉徴収額との差額3万4100円が還付金となります。
配偶者1人、子どもが1人いる場合、年収から給与所得控除と各種控除を差し引くと、課税所得額は162万円です。
したがって所得税額は8万1000円(162万円×5%)です。
源泉徴収額との差額1万7000円が還付金となります。
あわせて読みたい
年末調整については、こちらの記事も参考にしてください。