民間の調査会社4社の調査によると、今年のボーナスの平均支給額は2.1~2.5%増える見通しです。
平均支給額は、3年連続で前年を上回る予想です。
年末・年始に向けて、出費がかさむ時期ですが、冬のボーナスはどのように使うのがよいのでしょうか。
この記事では、冬のボーナスの支給額や使い道について解説します。
【冬のボーナス】上場企業は増加傾向。どう使う?預貯金はお金の価値が下がるのでやめた方がいい
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
冬のボーナスの予測
一般財団法人労務行政研究所が2023年10月に発表した「東証プライム上場企業の2023年賞与・ボーナスの妥結⽔準調査」によると、上場企業のボーナス平均額は80万28円となりました。
2022年と比べて増加しており、2年連続でプラスとなっています。
一方で、中小企業や零細企業では厳しい結果となりました。
出典:株式会社フリーウェイジャパン「2023年度 冬のボーナス実態調査」(以下同)
株式会社フリーウェイジャパンが実施した「2023年度 冬のボーナス実態調査」によると、ボーナスの支給額が昨年より「増加した・増加する」企業の割合は42.6%でした
昨年よりも、ボーナスの支給額が「増加した・増加する」企業の割合が、12.4ポイント減少しています。
中小・零細企業では、冬のボーナスの平均支給額は47万9000円となっています。
ボーナスの支給額は、「20万円~30万円未満」(25.7%)が最も多く、「10万円~20万円未満」(22.9%)、「50万円~60万円」(14.3%)と続きました。
中小・零細企業の8割以上は、冬のボーナス支給額が「60万円未満」という結果でした。
冬のボーナスの使い道は?
同調査によると、冬のボーナスの使い道について「預金・貯蓄」と回答した割合は全体の37.1%で、最も高くなりました。
しかし、預貯金は物価の上昇(=インフレ)に対応できず、資産価値を目減りさせるリスクがあります。
総務省が調査した2023年10月の消費者物価指数は、2022年10月と比べて2.9%上昇しました。
26ヵ月連続で消費者物価指数が上昇している状況です。
ボーナスでまとまった金額が支給されたら、将来のインフレリスクに備えられる準備をするとよいでしょう。
具体的な手段としては「NISA」による投資がおすすめです。
2024年からは、新しいNISAも始まります。
NISAを活用して株式投資や投資信託などを行うことで、預貯金するよりも資産を増やせる可能性があります。
少額の投資も可能なので、初心者でもリスクを必要以上に負うことなく始められるでしょう。
ボーナスを資産運用に回してお金を増やしていくことで、将来的な物価上昇により資産価値が目減りするリスクを軽減させることができるでしょう。
なお、ボーナスの使い方や資産運用を検討するには、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談がおすすめです。
こちらの記事「FPの相談料金の相場や無料と有料の違い」も参考にしてください。
- 株式会社フリーウェイジャパン「2023年度冬のボーナス実態調査」