国民年金の保険料「64歳まで」納付期間5年延長へ。約100万円の負担増

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

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厚生労働省は、国民年金保険料の納付期間について、5年延長する案を検討しています。

国民年金保険料の納付期間の延長を検討する理由は、将来受け取れる基礎年金の水準が低下する可能性があるからです。

この記事では、国民年金保険料に関する検討案について解説します。

国民年金保険の現行制度と検討案を比較

国民年金保険料は、国内に居住している20~59歳の人が納付します。

毎月の保険料は、1年に1回改定が行われます。

2023年度の保険料は、月額1万6520円です。

保険料を納付した後、65歳以降に基礎年金が給付されます。

基礎年金の給付額も、保険料と同じく1年に1回改訂されます。

基礎年金が満額で支払われる場合、2023年度の年金額は月6万6250円です。

新たな制度案として、保険料の納付期間を5年延長する案が検討されています。

保険料の納付期間が5年延されると、60歳で定年退職したとしても、64歳まで国民年金保険料を支払う必要があります。

国民年金保険料の延長後の負担額

国民年金保険料の納付期間が5年延長されると、負担額はトータルでいくら変わるのか確認しましょう。

国民年金保険料は毎年保険料が見直されるので、正確な負担額は計算できません。

仮に、毎月1万6500円の国民年金保険料を40年間支払った場合と、45年間支払った場合でシミュレーションしてみましょう。

保険料を40年間支払った場合

月1万6500円の国民年金保険料を40年間支払った場合、総額は792万円になります。

現行制度では、満額納付した場合の基礎年金額が6万6250円なので、10年を超えて基礎年金を受け取れば、元が取れる計算になります。

保険料を45年間支払った場合

月1万6500円の国民年金保険料を45年間支払った場合、総額は891万円になります。

現行制度と比べると、負担額は約100万円増える見通しです。

満額を納付した場合の基礎年金額が6万6250円なので、基礎年金を11年以上受け取れば、元が取れる計算になります。

ただし、保険料の納付期間を延長した場合、将来受け取れる基礎年金の受給額は上がる可能性があります。

受給額については、今後の議論で検討が進められる見通しです。

国民年金の保険料納付期間について、2024年末には結論を出す見通しです。

引き続き、国民年金制度に注目が集まります。

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