2024年から始まる「新NISA」は、年間で投資できる枠が現行NISAから拡大します。
フィデリティ投信株式会社の調査によると、すでにNISAを利用している人は、新NISAで投資額を増やそうと検討しているようです。
一方、はじめてNISAを利用する人は、経験者がどのくらい投資しているのか知りたいのではないでしょうか。
この記事では、すでにNISAを利用している人が新NISAでいくら投資に回そうとしているのかについて解説します。
【新NISA】毎月いくら投資するのがいい?現行NISA利用者は増資傾向


【記事執筆】FP
川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
新NISAでの予定投資額
フィデリティ投信株式会社が、20~50代の1万人を対象に「2023年ビジネスパーソン1万人アンケート」を実施しました。
出典:フィデリティ投信株式会社「2023年ビジネスパーソン1万人アンケート」(以下同)
新NISAでの投資の予定額については、一般NISAを上限額(120万円)まで投資している人は、「360万円」(47%)が最も多く、「120万円~240万円未満」(18%)、「100万円~120万円未満」(8%)、「240万円~360万円未満」(7%)と続きました。(「決めていない」を除く)
つみたてNISAを上限額(40万円)まで投資している人は、「40万円~80万円未満」(22%)が最も多く、「360万円」(20%)、「100万円~120万円未満」(12%)と続きました。
新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用できることもあり、これまでの投資額より増額を検討している人が多い傾向が伺えます。
一般NISAの利用者は、上限の360万円を投資予定額として回答している割合が最も高くなりましたが、つみたてNISAを利用している人は「40万円~80万円未満」と回答している人の割合が22%で、最も高くなりました。
なお、それぞれの金額を投資する場合、毎月の積立額は以下の通りです。
- 360万円:30万円
- 240万円:20万円
- 120万円:10万円
- 100万円:約8万3千円
- 80万円:約6万6千円
- 40万円:約3万3千円
はじめてNISAを利用する人は、無理のないよう、投資額を検討してください。
新NISAをやるなら、いまから準備を
これからNISAを始めようとしている人は、2023年中にNISA口座を開設しておきましょう。
ただし、2023年中に投資した金額については、非課税期間を超えての運用(=ロールオーバー)はできません。
長く保有しておきたいなら、非課税期間が5年の一般NISAより、20年のつみたてNISAで口座を開設するとよいでしょう。
つみたてNISAは、ボーナス払いという形で、一定の回数であれば毎月の積立額に上乗せして投資できる制度があります。
そのため、いまから口座を開設しても年間40万円の投資枠を埋めることは可能です。
一方、40万円以上の金額を投資したいのであれば、年間投資枠が120万円ある一般NISAを活用しましょう。
このように、投資した資産を長く保有しておきたいか、多めに投資したいかによって、どちらを活用するか決めてください。
どのように資産運用をすればよいかわからない人は、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談がおすすめです。
FPへの相談については、こちらの記事「お金の悩みを相談できるのはどこ?FPやIFAがおすすめの理由と相談時の注意点」を参考にしてください。
- フィデリティ投信株式会社「2023年ビジネスパーソン1万人アンケート」