国税庁が2023年5月に発表した「2022年分の確定申告状況等」によると、事業所得者以外で確定申告をした人は489万6000人で、2021年より1.7%増加しました。
ふるさと納税や副業の浸透で、近年は自営業やフリーランスだけでなく、会社員でも確定申告をする人が増えています。
この記事では、確定申告を実施する時期についての調査結果や、2023年分の確定申告書類の変更点を紹介します。
【2023年分】確定申告書類の変更点。インボイス制度開始で青色申告は記入項目が増える
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
確定申告の実施時期
確定申告は、毎年2月16日から3月15日の間に実施する必要があります。
出典:freee株式会社「2022年分の確定申告をした方へアンケート調査」
freee株式会社が、1万1946名を対象に実施した調査によると、確定申告の作業を始めた時期については、「2023年3月に入ってから」(25.9%)が最も多く、「2023年1月から」(21.6%)、「2022年12月以前」(20.3%)と続きました。
58.9%の人が確定申告期間前から準備している一方、41.1%の人が確定申告期間に入ってから作業していることがわかります。
2023年分の確定申告から、申告書類の内容が一部変更されています。
締め切り間際になって慌てないよう、変更点を前もって確認しておきましょう。
2023年分の確定申告書の変更点
確定申告書の変更点は、次の2点です。
- 配偶者や親族に関する事項
- 住民税・事業税に関する事項
【2022年分】
【2023年分】
出典:国税庁「令和5年分の所得税等の確定申告書」(以下同)
「配偶者や親族に関する事項」の「国外居住」の書き方が変更されます。
また、「住民税・事業税に関する事項」の「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」欄がなくなります。
該当する人は記入方法を確認しておきましょう。
青色申告をする人が気をつける点
次に、青色申告する人が気をつける点を確認します。
青色申告する場合に提出する「青色申告決算書」は、インボイス制度の開始に伴い、「売上(収入)金額の明細」と「仕入金額の明細」の記入欄が追加されています。
「取引先名」「所在地」「登録番号」「金額」をそれぞれ記入する必要があります。
「登録番号」「所在地」については、どちらかを記入すれば大丈夫です。
青色申告する場合は、上記の通り記入項目が増えているため、早めに準備しておくようにしましょう。
なお、確定申告の準備については、こちらの記事「年内に済ませたい確定申告の準備は、「帳簿記帳」「領収書・控除証明書の整理」」も参考にしてください。
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個人事業主、フリーランスの確定申告については、『個人事業主が確定申告で経費にできるものは?必要経費と所得控除の範囲・内容を解説』で詳しく解説しています。
- 国税庁「令和5年分の所得税等の確定申告書」