住宅の購入やリフォームのために住宅ローンを利用した人は、一定の要件を満たせば住宅ローン控除(税金が安くなる制度)を受けることができます。
住宅ローン控除を受けるには、1年目は確定申告が必要です。
2年目以降の住宅ローン控除は、年末調整で手続きをします。
ただし、個人事業主や年収2000万円以上の会社員は2年目以降も確定申告が必要です。
この記事では、年末調整で2年目以降の住宅ローン控除を受ける際に必要な書類や書き方を解説します。
【住宅ローン控除】2年目からは年末調整で手続き。必要書類や書き方、紛失時の対処
マネーFix 編集部
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住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りた場合、年末調整もしくは確定申告により、年末時点での住宅ローン残高の一定割合が所得税や住民税から控除される制度です。
住宅ローン控除を受けるには、住宅ローンを組んで1年目は確定申告が必要です。
2年目以降は、年末調整によって住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローン控除は、住宅等の種類や居住年に応じて、借入限度額や控除期間が異なります。
住宅ローン控除が受けられる住宅の条件については、こちらの記事「住宅ローン控除の計算方法|適用要件や控除額」を参考にしてください。
必要書類
住宅ローン控除を受けるために、年末調整で必要な書類は以下の2点です。
- 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書(住宅ローン控除申告書)
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(住宅ローン年末残高証明書)
住宅ローン控除申告書
確定申告をした年の10月ごろに税務署から「住宅ローン控除申告書」が送られてきます。
控除する年数分の申告書がまとめて送られてきます。(10年であれば10年分)
2年目以降の申告で必要なので大切に保管しておきましょう。
紛失してしまった場合は、税務署に再発行の申請が必要です。
住宅ローン年末残高証明書
毎年10月から11月に、住宅ローンを借りている金融機関から送られてきます。
ただし、初年度は住宅ローンの借入時期によって金融機関ごとに発送時期が変わります。
また、10月以降に繰上返済や借換をした場合は、残高証明書に記載された年末残高と実際の年末残高が異なってきます。
この場合は再発行が必要となるので、金融機関に再発行の依頼をしましょう。
年末調整で住宅ローン控除を受ける方法
年末調整で住宅ローン控除を受ける方法は以下の手順です。
- 住宅ローン控除申告書に必要事項を記載する
- 年末調整の書類と一緒に必要書類を提出する
住宅ローン控除申告書に必要事項を記載する
住宅ローン控除申告書の書式は、借り入れた年度によって異なります。
下図は令和4年に住宅ローン控除の確定申告をした人が、令和5年に年末調整をする場合の申告書の一部です。
出典:国税庁「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の記載例」
特に注意が必要な項目は以下の通りです。
新築、購入及び増改築等に係る住宅借入金等の年末残高
「住宅ローン年末残高証明書」に記載されている金額を記入します。
2ヵ所以上の金融機関から借入をしている場合は、合計額を記入します。
住宅借入金等の年末残高
住宅ローン年末残高証明書には、年末時点での住宅ローンの合計金額が記載されています。
連帯債務の場合は、自分が負担している住宅ローン残高を計算して記入します。
上図は連帯債務の記載例です。
残高合計額は3950万円で、申告者の住宅ローン負担割合は50%なので、1975万円と記入しています。
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額
住宅ローン年末残高に控除率をかけた金額を記入します。
控除率は住宅ローンを借入した年度によって変わります。
年末調整の書類と一緒に必要書類を提出する
勤務先から年末調整の書類を配布されたら、「住宅ローン控除申告書」と「住宅ローン年末残高証明書」を添付して提出します。
いずれも、勤務先からは配布されないので注意してください。
年末調整の注意点
年末調整は1年に1回の手続きです。
万一、年末調整による住宅ローン控除の手続きを忘れてしまった場合、自分で確定申告をすることで住宅ローン控除の適用を受けることができます。
必要書類の紛失にも注意が必要です。
先述したように「住宅ローン控除申告書」は、初回の確定申告後にまとめて送付されます。
再発行はできますが、紛失しないよう保管しておくようにしましょう。
また、提出の際には、申告書の年度が正しいか確認しましょう。
なお、住宅ローン控除を受けるには、1年目のみ確定申告が必要です。
詳しくは、こちらの記事「住宅ローン控除、1年目は確定申告が必要。入居年で控除期間と控除限度額が変わる」を参考にしてください。
- 国税庁「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の記載例」