政府の補助金の効果で、ガソリン価格は6週連続で値下がりしています。
政府はガソリン価格への支援について、2024年3月まで延長する方向で調整に入りました。
月内にまとめる総合経済対策で、具体的な支援策が発表される予定です。
この記事では、これまで実施されてきた支援策の経緯と、レギュラーガソリン価格の推移について確認します。
【ガソリン】6週連続値下がり。政府の補助は2024年3月まで延長へ。これまでの価格推移をおさらい


【記事執筆】FP
川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
これまでの経緯
政府は、ガソリン価格への支援を2022年2月からスタートさせました。
原油価格の高騰が家計の圧迫につながっていることを背景に、これまで6度にわたって支援内容を改定しながら継続しています。
出典:経済産業省資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和事業について」(以下同)
2023年6月以降は段階的に縮小し、9月末で補助金を終了する予定でした。
しかし、2023年6月以降、ガソリン価格の高騰が収まらず、9月以降も支援を継続することになりました。
現行の制度では、補助率を「185円を超える部分の補助」と「185円以下の補助」の2段階に設定し、ガソリン価格が175円程度の水準になるように調整しています。
- 185円を超える部分の補助:補助率100%
- 185円以下の補助:補助率60%
10月5日以降は、185円以下の補助率を30%から60%に引き上げています。
次に、補助金制度を導入してから現在までで、ガソリン価格がどう推移してきたか確認していきましょう。
ガソリン価格の推移
2022年1月17日から2023年10月16日までのガソリン価格の推移は、下図の通りです。
出典:経済産業省資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和補助金」
2022年の1月から6月にかけて、「補助がない場合のガソリン価格」が大幅に上昇していることがわかります。
2022年は、補助金によって、ガソリン価格が160円台後半に抑えられていました。
2023年12月にガソリン価格が下落したことを受け、2023年1月から5月にかけては、補助の上限を毎月2円ずつ引き下げる方向で調整していました。
しかし、2023年6月以降は再びガソリン価格が高騰を始めています。
補助率を引き上げて対応していたものの、ガソリン価格は高騰を続け、2023年9月4日には、最高値となる186.5円まで値上がりしました。
こうした状況を受け、9月から新たな補助額と補助率が設定されました
10月10日時点のガソリン価格は176.9円まで引き下げられています。
政府は、2024年3月までガソリン価格の補助金を延長する方向で検討しています。
4月以降もエネルギー価格や為替の動向を見ながら延長するか決める見通しです。
なお、ガソリン価格の仕組みについてはこちらの記事「ガソリン価格が高いのは税金のせい?仕組みやガソリン税がはらむ問題点とは」も参考にしてください。
- 経済産業省資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和事業について」
- 経済産業省資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和補助金」