※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

ガソリン価格が高いのは税金のせい?仕組みやガソリン税がはらむ問題点とは

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

経済産業省が公表しているガソリンの小売価格は、8月21日時点で183.7円でした。

ガソリン価格は14週連続で値上がりが続いています。

8月から180円を超え続けており、2008年8月に記録した185.1円に迫る水準です。

こうした中、岸田首相は、8月中に10月以降の燃料油の高騰対策をまとめると発表しました。

この記事では、ガソリン価格の仕組みや、ガソリン税がはらむ問題点について解説します。

ガソリン価格と二重課税の問題

 
出典:経済産業省資源エネルギー庁「給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)」

ガソリン価格が高騰している要因としては、産油国の減産や為替動向が挙げられます。

サウジアラビアは「8月まで減産を続ける」と発表しており、今後のガソリン価格に影響を及ぼす可能性が高いです。

また、いくつもの税金がかかっている点も、ガソリン価格が高騰している要因の1つといえるでしょう。

ガソリン価格には本体価格だけでなく、以下の税金が含まれています。

  • ガソリン税(本則税率):ガソリンにかかる本来の税金
  • ガソリン税(暫定税率):道路整備の財源不足に対応するため、一時的に増額されている税金
  • 石油税:石油製品に対して課される税金
  • 消費税:商品・製品の販売やサービスの提供に対して課される税金

ガソリン価格の内訳をみると、本体の価格はおよそ55%で、残り45%はこれらの税金となっています。

ガソリン税をめぐっては、これまでも課税のあり方について議論が行われてきました。

下図のように、ガソリン税や石油税といった税金も含めた価格に、消費税が10%上乗せして課税されています。
 
このように、ガソリン税や石油税に消費税が上乗せされている点に関しては、「二重課税にあたる」と問題視されています。

政府は現状を踏まえてどう対策する?

岸田首相は、党内でどのような対策を実施するか方向性を検討したうえで、9月中に燃料油の高騰対策をまとめると発表しました。

現在実施されている経済対策は「燃料油価格激変緩和補助金」で、小売り価格を抑制する目的で燃料油元売りに補助金を支給しています。

また、トリガー条項を発動して減税する方法も期待されていますが、現状では補助金で対応している状況です。

燃料油価格激変緩和補助金は、期間が2023年9月末までとなっており、10月以降の継続は不透明な状況でした。

ガソリン価格の高騰に加えて、補助金が9月末で終わってしまうと、これまで以上にガソリン代の負担が増加することになります。

10月以降も支援を継続するのか、注目が集まります。

出典
  • 経済産業省資源エネルギー庁「給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)」

キーワードで記事を検索