2023年9月25日、岸田首相は5つの経済対策に関する方針を表明しました。
10月中に具体案を取りまとめる予定ですが、経済対策の中には「物価高対策」も盛り込まれています。
エネルギー価格の抑制だけでなく、家計の負担軽減策として、給付金の検討も行われています。
この記事では、追加で実施される予定の物価高対策について解説します。
【物価高対策】家計負担軽減で給付金が?低所得世帯に限らない可能性も
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
物価高から生活を守る経済対策
政府が検討している物価高対策は、次の2つです。
- ガソリンや電気・ガスの価格抑制
- 家計負担軽減のための給付
それぞれの内容について確認しましょう。
ガソリンや電気・ガスの価格抑制
ガソリンをはじめ、電気やガスといったエネルギー価格を抑える支援策を予定しています。
すでに、9月からガソリン代と電気・ガス料金の負担を軽減する支援策をスタートさせています。
- ガソリン代: 175円程度の水準に抑制
- 電気・ガス代:12月末まで料金を軽減
新たな経済対策では、上記の負担軽減策をいつまで継続していくかが焦点となります。
特に電気・ガス代は、2024年以降も支援を続けていくのかが、今後の検討課題となっています。
家計負担軽減のための給付
追加の支援策として検討されている案の1つに「家計負担軽減のための給付金」があります。
これまで、低所得者向けの給付金は行われてきました。
給付方法は現金のほか、使い道を限定したクーポンでの支給が検討されています。
給付は「住民税非課税世帯」に向けて支援する案と、子育て世帯や中間層に対象を広げて給付する案があり、対象者をどこまで拡大するかが焦点です。
住民税非課税世帯が給付の対象となった場合に、どのような要件を満たす必要があるのでしょうか。
住民税非課税世帯に該当する要件について、確認していきましょう。
住民税非課税世帯と認定される要件
住民税非課税世帯は、次の要件を満たした場合に対象となります。
- 生活保護を受けている人
- 障害者、未成年者、ひとり親、寡婦(夫)で、前年の合計所得が135万円以下の人
また、前年の合計所得が以下の基準より下回る人も対象となります。
- 扶養親族がいない場合:45万円
- 扶養親族がいる場合:35万円×(本人と被扶養者の人数)+31万円
住民税非課税世帯となる年収の目安は、以下の通りです。
出典:内閣府「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金について」
住民税非課税世帯に該当するかは、扶養している親族の人数や前年の所得によって変わります。
また、居住している地域によって要件が異なる可能性があるので、住民税非課税世帯に該当しているかは、自治体に確認してください。
経済対策は、10月末をめどに具体的な案をまとめる見通しです。
新たに発表される情報に、引き続き注目が集まります。
なお、すでに各自治体で実施している低所得世帯を対象とした給付金については、こちらの記事「物価高給付金3万円と子育て世帯支援金5万円」で確認してください。
- 内閣府「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金について」