2023年10月1日からインボイス制度が開始されます。
ソリマチ株式会社の調査によると、フリーランスや小規模事業者のうち、インボイス制度について概要を知らない人が約2割いることがわかりました。
また、インボイス制度への対応をしていない人のうち、「やり方がわからない」と回答した人も約1割いることがわかりました。
この記事では、インボイス制度に関する調査結果を紹介し、インボイス制度の概要や申請方法について解説します。
インボイス制度が10月から開始。「わからない」じゃすまない、制度概要と申請方法
マネーFix 編集部
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インボイス制度とは
ソリマチ株式会社は、フリーランスや小規模事業者300名を対象に「フリーランス・小規模事業者のインボイス制度の実態調査」を実施しました。
出典:ソリマチ株式会社「フリーランス・小規模事業者のインボイス制度の実態調査」(以下同)
インボイス制度については、「よく知っている」「概要を知っている」が82.3%、「名前を聞いたことがある程度」「知らない」が17.7%という結果でした。
制度の開始を目前に控え、約2割の人が理解していないことがわかりました。
インボイス制度の概要は以下の通りです。
- インボイス制度は、クライアント(買い手)に正確な適用税率や消費税額を伝えるために、フリーランス(売り手)などがインボイスを交付する制度
- インボイスを交付するためにはインボイス発行事業者にならなければならない
- インボイス発行事業者になると、消費税の納税義務が発生する
- インボイス発行事業者になるかどうかは任意
なお、インボイス制度については、免税事業者から課税事業者になる人に対して、負担軽減策も実施されます。
詳しくはこちらの記事「インボイス制度の概要をおさらい」も参考にしてください。
インボイス制度への対応状況
インボイス制度の開始まで2ヵ月を切っていますが、どのくらいの人が対応済みなのでしょうか。
インボイス制度の対応状況
インボイス制度への対応状況については、「すでに対応している」「2023年10月までに対応予定」がフリーランスでは34%、小規模事業者では76%でした。
「対応する予定がない」がフリーランスは31.5%、小規模事業者は11%でした。
小規模事業者と比べると、フリーランスは対応が遅れていることが伺えます。
インボイス制度への対応をしていない理由については、「免税事業者でいることを決定(検討)しているから」(32.7%)が最も多く、「現状の事業や売上に影響がなさそうだから」(26.1%)、「課税事業者になる必要がないから」(19.9%)と続きました。
「免税事業者のままでも影響がない」という回答が上位を占める一方、「手間がかかりそうだから」「やり方がわからないから」という回答も一定数見られました。
インボイス発行事業者の登録申請方法
申請期限は2023年9月30日までです。
申請方法は以下の通りです。
申請書の作成
紙もしくはe-taxで申請できます。
紙で提出する場合は、以下のサイトからダウンロードして印刷し、必要事項を記載します。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/invoice_01.htm
e-taxの場合は、マイナンバーカードと利用者識別番号が必要のため、用意してください。
以下のサイトから申請手続きが可能です。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_shinei.htm
税務署長に提出
税務署長宛に申請書を提出します。
紙の申請書は、在住地を管轄するインボイス登録センター宛に郵送します。
e-taxの場合は、入力後にそのまま「e-Taxソフト」で提出できます。
制度開始の直前で慌てないためにも、申請方法について確認しておきましょう。
インボイス制度の開始までにやっておきたいことについては、こちらの記事「【インボイス制度】自営業者やフリーランスが9月までにやるべきこと」も参考にしてください。
- ソリマチ株式会社「フリーランスのインボイス制度の実態調査」