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【フラット35】金利引き下げ制度が拡充へ。子どもが多いほど金利優遇される支援策

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

政府が6月に発表した「こども未来戦略方針」を受け、国土交通省は多子世帯への住宅ローン金利を優遇する支援策の検討を開始しています。

子育て世帯の負担を軽減する支援策として注目されていますが、具体的にどのような支援策となるのでしょうか。

この記事では、多子世帯への住宅ローンの金利を優遇する支援策について解説します。

対象となる住宅ローン

金利優遇の対象となる住宅ローンは「フラット35」です。

フラット35は、長期固定金利型住宅ローンともいわれ、ローンの借入をした期間中は固定金利が適用されます。

フラット35は、一定の条件を満たすことで、金利引き下げの適用を受けることができます。

金利引き下げのメニュー(条件)とポイントが設定されており、ポイントの合計数に応じて金利の引き下げ期間と引き下げ幅が決定します。

金利引き下げのメニュー(条件)とポイントは下表の通りです。

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】新金利引下げ制度の概要」をもとに作成

1~3のグループから選択できるメニューは各1つまでです。

合計ポイントに応じた、金利の引き下げ期間と引き下げ幅は以下の通りです。

  • 1ポイント:当初5年間0.25%
  • 2ポイント:当初10年間0.25%
  • 3ポイント:当初5年間0.50%、6年目から10年目まで0.25%
  • 4ポイント以上:当初10年間0.50%

現行制度と今後の見通し

現行の金利引き下げ制度では、「子育て支援」のメニューを選択することで、2ポイントとなり、当初10年間0.25%の金利優遇が受けられます。

現時点で詳細は不明ですが、新たな支援策では、多子世帯を対象に現行制度からさらに金利が優遇される見通しです。

子どもの人数に応じた金利の優遇は、一部の金融機関で実績があります。

多子世帯に対して金利優遇をしている金融機関の一例は、次の通りです。

出典:各金融機関のホームページより作成

フラット35でも、上記のような子どもの人数に応じた金利優遇を実施する可能性が考えられます。

また、政府は「子育てに必要」という観点から、住宅の広さや安全面で一定の条件を満たす住宅の取得を促進しています。

子育てに必要な条件を満たす住宅に対して、金利をさらに優遇する可能性もあるでしょう。

国土交通省は、2024年度予算の概算要求に盛り込む見通しです。

どのような条件で、どこまで金利の引き下げを拡充するのか、注目が集まります。

なお、「こども未来戦略方針」で検討されている支援策は多岐にわたります。

あわせて読みたい

国や自治体からの補助金や各種優遇制度については、『住宅購入時に使える補助金・優遇制度・税制優遇制度一覧』で詳しく解説しています。

出典
  • 住宅金融支援機構「【フラット35】新金利引下げ制度の概要」
  • 塩沢信用組合「超長期51年固定金利住宅ローン」
  • 川之江信用金庫「かわしん子育て応援住宅ローン しあわせ家族」
  • 福岡ひびき信用金庫「ひびしん住宅ローン」

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