ふるさと納税は、寄付額の一部が所得税や住民税から控除されて、自治体の特産品や日用品がもらえる制度です。
2021年度は納税額が8302億円を超え、ふるさと納税は定番の制度となりつつあります。
例年であれば、年末に寄付する人が多いふるさと納税ですが、2023年は9月までの寄付をした方がお得になるかもしれません。
この記事では、ふるさと納税を9月までにやるべき2つの理由を中心に解説します。
【ふるさと納税】2023年は9月までの利用がお得かも。10月以降、返礼品が値上げされる可能性あり
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
9月までの寄付がお得と考えられる2つの理由
ふるさと納税を9月までに利用するべき理由は以下の2つです。
- 返礼品の基準厳格化
- 10月にせまる値上げラッシュ
返礼品の基準厳格化
以下の2点について返礼品の基準やルールが見直されます。
- 返礼品経費の基準:書類の発行費用や手数料も経費に含める
- 原材料の生産地:原材料は地場産に限定される
今回の見直しによって改定される基準は、2023年10月から適用される見通しです。
この改定によって、自治体は返礼品を値上げしたり、ラインナップから削除したりする可能性があります。
詳しくはこちらの記事「ふるさと納税の新ルール」を参考にしてください
10月にせまる値上げラッシュ
9月までにふるさと納税を利用しておくべき2点目の理由は「値上げラッシュ」です。
帝国データバンクが調査した「食品メーカー主要195社における価格改定動向」によると、7月時点の速報で10月の値上品目数は3,716品目を予定しています。
出典:帝国データバンク「食品メーカー主要195社における価格改定動向」
現時点では予測の段階にはなりますが、最大で2022年と同じ水準の8,000品目台になる可能性があります。
酒類やソーセージ、調味料といった返礼品に選ばれやすい品目が値上げされる予定なので、早めに利用して返礼品を受け取っておいた方がお得かもしれません。
2023年は日用品で家計の圧迫を回避
ふるさと納税の返礼品は、個人の趣向や世帯の状況にあわせて、好きなものを選べます。
家計をお得にやり繰りしたい人は、食品や日用品を中心に返礼品を選ぶとよいでしょう。
また、ポイ活でお得にポイントを貯めたい人は、クレジットカードを利用してふるさと納税をすることがおすすめです。
ポータルサイトによって特典も異なるので、どのサイトでふるさと納税を申し込むか、ポイントの還元率なども確認しながら検討してください。
2023年のふるさと納税は値上げラッシュや総務省の基準が変更される10月までの利用がポイントです。
ふるさと納税を初めて利用する人だけでなく、利用した経験がある人もいまのうちに検討して、お得にふるさと納税を利用しましょう。
なお、ふるさと納税の手続き方法については、こちらの記事「ふるさと納税の仕組みとやり方」も参考にしてみてください。
- 帝国データバンク「食品メーカー主要195社における価格改定動向」