2023年6月20日、総務省がスマホ料金の規制に関する新制度を発表しました。
2月に公正取引委員会が「1円スマホ」の実態について、「独占禁止法で禁止されている不当廉売に当たる可能性がある」と結論付けました。
こうした実態を受け、スマホの極端な安売りを防止するために、スマホの割引規制が強化される見通しです。
この記事では、「1円スマホ」がなぜ規制強化されるのかや、具体的な規制強化案について解説します。
年内に「1円スマホ」が規制強化へ。端末の割引が禁止。回線契約とのセット割引上限は引き上げ
1円スマホとは
1円スマホとは、端末の割引などによって初期費用1円で契約できるスマホのことです。
多くの携帯キャリアでは、スマホ端末と回線契約がセットで販売されており、一緒に契約すると、セット割引が適用されます。
こうした割引によって、初期費用は安くなりますが、毎月の通信費が高くなります。
過度な割引が通信料の高止まりの原因になっているとされ、2019年にセット割引の割引上限額が2万2000円に規制されました。
しかし、セット割引が規制を受けたことにより、セット割引とは別に、端末料金が過度に割引されるようになりました。
例えば、6万2000円のスマホの場合、以下の割引が適用され、1円でスマホを持つことができます。
- セット割引:2万2000円
- 端末の割引:3万9999円
- 負担額:1円
新しい規制強化案
しかし2023年2月に公正取引委員会が、1円スマホは、商品を著しく低い価格で販売する「独占禁止法の不当廉売に当たる可能性がある」と発表しました。
1円スマホの問題点を解決するために、2023年6月20日、総務省が発表した規制強化案は、主に以下の2点です。
- セット割引の上限額を4万4000円に引き上げ
- 端末の割引を禁止
新制度では、端末の割引を禁止する代わりに、端末代が高くなりすぎないよう、セット割引の上限額が引き上げられます。
例えば、先述した6万2000円のスマートフォンを購入する場合、新制度での負担額は以下の通りです。
- セット割引:4万4000円
- 端末の割引:0円(禁止)
- 負担額:1万8000円
現行制度のように、1円で購入することはできなくなります。
新制度は年内に適用される予定です。
なお、通信費の見直しをするなら、格安スマホへの乗り換えが効果的です。
こちらの記事「格安スマホに乗り換えで節約」も参考にしてください。