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【フラット35】金利優遇へ。子育て世帯に向けて2024年度までに実施予定

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

政府は2023年6月13日に「異次元の少子化対策」の具体策として、「こども未来戦略方針」を発表しました。

今後3年で集中的に取り組む項目には、「子育て世帯への住宅支援」も盛り込まれています。

この記事では、子育て世帯の経済的負担を軽減させるための、住宅支援策について解説します。

子育て世帯への住宅支援策の概要

「こども未来戦略方針」では、子育て世帯への住宅支援として次の3つが盛り込まれました。

  • フラット35の金利優遇
  • 子育て世帯等が優先的に入居できる仕組みの導入
  • 既存の民間住宅ストックの活用

フラット 35の金利優遇

子育て世帯へのフラット35の金利優遇が検討されています。

現行制度では、住宅性能等によってポイントが定められており、合計ポイント数に応じて、住宅ローンの金利が引き下げられています。

出典:住宅金融支援機構「フラット35」

例えば、次のような条件の住宅の場合、合計4ポイントとなり、当初10年間0.5%の金利優遇を受けることができます。

  • 住宅性能:【フラット35】S(金利Aプラン)…2ポイント
  • 管理・修繕:長期優良住宅…1ポイント
  • エリア:地域活性化エリア…1ポイント

「こども未来戦略方針」では、現行のポイント制を活用して、大幅な拡充を実施する見通しです。

詳細は決まっていませんが、2024年度までの早期に実施すると発表されています。

子育て世帯等が優先的に入居できる仕組みの導入

立地や間取りなどの面で子育て環境に優れている公営住宅や公的賃貸住宅を対象に、子育て世帯が優先的に入居できる仕組みの導入を検討します。

上記を運営するすべての事業主体を対象として、導入に向けた働きかけを実施します。

これによって、今後10年間で、子育て世帯向けに約20万戸の住宅を確保する予定です。

既存の民間住宅ストックの活用

空き家の活用も検討されています。

国土交通省が実施した2018年の調査では、空き家の総数は849万戸です。

20年で約1.5倍に増加しました。

出典:国土交通省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」

増加する空き家を有効活用するため、空き家の所有者に、改修やサブリースを促して、子育て世帯に向けた「セーフティネット住宅」に登録してもらうことを計画しています。

これによって、今後10年間で、子育て世帯向けに約10万戸の住宅を確保する予定です。

経済面以外の支援策も

金利の優遇やセーフティネットの拡充だけでなく、子育て世帯が気兼ねなく入居できる環境を構築する必要もあるでしょう。

「こども未来戦略方針」では、集合住宅の入居者等に、子育て世帯に対する理解醸成を図ることについても盛り込まれています。

また、子育て世帯向け住宅の周知や、入居や生活に関する相談等の対応についても、支援を強化する方向で調整が行われます。

なお、「こども未来戦略方針」は多岐にわたります。

あわせて読みたい

子育て世代の住宅ローン支援については、『子育て世帯への新築支援「こどもエコすまい支援事業」が再開へ。』で詳しく解説しています。

出典
  • 国土交通省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」
  • 住宅金融支援機構「フラット35」

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