「異次元の少子化対策」による子育て世帯への支援策として、児童手当を拡充する案が検討されています。
児童手当と名称がよく似ている制度に「児童扶養手当」がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、以下の項目について解説します。
- 児童扶養手当の概要
- 児童手当との違い
- 併給が可能か
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【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
「異次元の少子化対策」による子育て世帯への支援策として、児童手当を拡充する案が検討されています。
児童手当と名称がよく似ている制度に「児童扶養手当」がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、以下の項目について解説します。
児童扶養手当と児童手当は、どちらも「子どもの養育を支援するための制度」です。
ただし、対象となる世帯条件や、給付額が異なります。
児童扶養手当と児童手当の概要を比較しながら、どのような違いがあるか確認してみましょう。
児童扶養手当は、母子家庭や父子家庭など、ひとり親世帯への支援を目的にしている制度です。
出典:厚生労働省「児童扶養手当について」
18歳未満の子どもを養育している人数に応じて、支給額が異なります。
出典:大阪府「児童扶養手当」より作成
「全部支給」「一部支給」どちらに該当するかは、扶養者や支給対象者本人の前年の所得で決まります。
出典:東京都福祉保健局「児童扶養手当」より作成
なお、上表の所得金額を超える場合、手当は支給されません。
児童手当は、児童を養育している世帯に対して給付金が支払われる制度です。
児童扶養手当は、ひとり親世帯を対象としている制度ですが、児童手当は全世帯が対象になります。
児童手当の支給額は、下図の通りです。
出典:内閣府「児童手当制度のご案内」
また、児童手当は下記の通り「所得制限」が設けられています。
なお、児童扶養手当と児童手当は併給が可能です。
では、児童扶養手当と児童手当を受け取った場合の金額がいくらになるのか、確認してみましょう。
子どもが1人の場合でそれぞれの手当を満額で受け取ると、受給総額は以下の通りです。
【児童扶養手当(0歳から18歳まで全部支給に該当した場合)】
4万4140円×12ヵ月×19年=1006万3920円
【児童手当(中学生まで受給)】
1万5000円×12ヵ月×3年=54万円
1万円×12ヵ月×12年=144万円
54万円+144万円=198万円
【児童扶養手当と児童手当の総額】
1006万3920円+198万円=1204万3920円
ただし、児童扶養手当は「就業・自立に向けた総合的支援」が目的のため、通常5年を経過すると手当の半分が支給停止となります。(障がいがある、負傷・疾病により就業が困難などの場合を除く)
また、児童扶養手当はあくまでひとり親世帯に対する一時的な支援であり、受給する場合「自立を図り家庭の生活と向上に努めなければならない」と定められています。
そのため、実際には0歳から18歳までの期間満額で支給され続けることはないと考えた方がよいでしょう。
児童扶養手当を受給するためには、自治体に申請して所定の手続きをする必要があります。
給付対象に該当するかどうか、自治体に問合せてみてください。
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