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時短勤務でも年金を減らさない!絶対申請すべき「養育特例制度」をわかりやすく解説

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

育休明けで時短勤務をしている人がいる世帯は必見です。

子どもの養育中に時短勤務をして収入が低下しても、将来の年金額が減少しない制度があるのを知っているでしょうか。

この記事では、育休明けで時短勤務をしている人は申請しておくべき「養育特例制度」の概要と、申請方法について解説します。

養育特例制度とは?

養育特例制度とは、時短勤務によって収入が低下しても、将来の年金額に影響しない制度です。

会社員は、給与から厚生年金をはじめとする社会保険料が天引きされますが、保険料は収入によって決まります。

一般的に、時短勤務になると収入が減少し、納めるべき社会保険料が少なくなりますが、その分、将来受け取る年金額も減少する可能性が高くなります。

養育特例制度は、時短勤務であっても将来の年金額が減らないよう、「フルタイムで働いている場合の社会保険料を支払っているとみなす」制度です。

出典:厚生労働省「3歳未満の子を養育する期間についての年金額計算の特例(厚生年金保険)」

養育特例制度の利用条件

養育特例制度を利用できる条件は、3歳未満の子どもを養育している場合です。

ポイントは、次の3つです。

  • 父母いずれも申し出が可能
  • 子どもの扶養認定が不要
  • 産休や育休の取得が不要

産休や育休を取っていなくても利用できる制度で、子どもが扶養に入っているかどうかは問われません。

「子どもを養育している状況」であれば制度を利用することができます。

また、子どもが3歳を超えていても、養育特例制度は利用できます。(※申し出た日の月の前月から、2年間さかのぼった分に限る)

養育特例制度が利用できないケースは「過去1年以内に厚生年金保険の被保険者でない場合」です。

厚生年金に加入中の人を対象とした制度です。

個人事業主や、会社を退職後1年以上経過している人は利用できません。

養育特例制度の申請方法

養育特例制度は、日本年金機構に会社を通して申請します。

申請には、以下の書類が必要です。

  • 厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書・終了届
  • 戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書(※コピー不可)
  • 住民票の写し(※コピー不可)

「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書・終了届」は、日本年金機構のWebサイトからダウンロードできます。

また、退職後に会社を通さずに申請する場合は、「マイナンバーカード」もしくは「マイナンバーが確認できる書類+身元確認書類」が必要です。

収入が下がっても、「フルタイムで働いている場合の社会保険料を支払っているとみなす」制度なので、申請しておいて損はありません。

時短勤務で職場復帰した場合、養育特例制度の申請は、会社を通して行います。

まずは勤務先で養育特例制度の申請を相談しましょう。

出典
  • 厚生労働省「3歳未満の子を養育する期間についての年金額計算の特例(厚生年金保険)」

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