近年ポイ活が人気ですが、受け取ったポイントが課税対象となるケースがあります。ポイントの受け取り方で、どのように課税区分が変わるのでしょうか。また、どのようなタイミングで課税されるのでしょうか。
この記事では、ポイントの課税区分や、課税されるタイミングについて解説します。
ポイ活で確定申告は必要?一時所得や雑所得になるポイントの判断基準とは
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
近年ポイ活が人気ですが、受け取ったポイントを利用する場合に、課税対象となるケースがあります。
ポイントの受け取り方で、どのように課税区分が変わるのでしょうか。
また、どのようなタイミングで課税されるのでしょうか。
この記事では、ポイントの課税区分や、課税されるタイミングについて解説します。
課税対象となるポイントの種類とは?
ポイントの課税区分は、以下の3パターンに分けられます。
- 非課税
- 一時所得
- 雑所得
どのような基準で区分が決まるのか、それぞれ確認していきましょう。
「非課税」のポイント
商品の購入によって受け取ったポイントは、原則は非課税です。
商品の購入や割引を目的にポイントを利用しても、課税対象にはなりません。
確定申告も不要です。
「一時所得」のポイント
ポイントが「臨時・偶発的に発生」した場合、「一時所得」となる場合があります。
例えば、ポイントの抽選や、キャンペーンに当選した場合です。
他にも、「マイナポイント」などの、国や自治体から付与されたポイントも、一時所得の対象になります。
一時所得に該当した場合、ポイント総額によっては確定申告が必要になります。
- ポイント総額50万円以内:特別控除によって一時所得が発生しないため、確定申告は不要
- ポイント総額50万円を超える:確定申告が必要
ポイント総額が、一時所得の特別控除として設けられている「50万円以内」であれば、確定申告は不要となります。
上記のように、キャンペーンや抽選で受け取ったポイントは、確定申告が必要になる場合があるので、総額を把握しておきましょう。
「雑所得」のポイント
雑所得に区分されるポイントは「役務」によって付与された場合です。
アンケートの回答や、友人の紹介によってポイントを受け取るケースが該当します。
雑所得も、ポイント総額によっては確定申告が必要になります。
雑所得は、以下の計算方法で算出します。
[総収入金額]-[必要経費]
雑所得については、20万円以上になると、確定申告が必要です。
このように、どのような経緯でポイントが付与されたかで、課税区分が異なります。
ポイントを受け取った経緯については、それぞれ把握しておくことが望ましいでしょう。
課税されるタイミングと課税・非課税の判断基準
次に、ポイントが課税対象となるタイミングと、課税対象になる判断基準について解説します。
ポイントが課税対象としてみなされるタイミングは、「利用したタイミング」です。
保有しているだけでは課税対象にはなりません。
国税庁によると、課税対象になるかどうの判断基準は「経済的利益にあたるかどうか」とされています。
例えば、キャンペーンやアンケートの回答で付与されたポイントは、「経済的利益」に該当し、課税対象となります。
一方で、買い物などで取引をした際に受け取るポイントは「値引き」として扱われ、「経済的利益」には該当しません。
ポイントの課税については、税制上の規定が確立しておらず、あいまいな部分もあります。
そのため、保有するポイントが課税対象になるかどうか判断に困る場合は、税務署に確認するとよいでしょう。
ポイ活には確定申告が必要な場合がある
ポイ活で得たポイントは、条件によって確定申告が必要な場合があります。確定申告が必要なケースは、受け取ったポイントが所得税の対象となる場合です。
一方、確定申告が不要なケースもあります。確定申告をすべきかどうかは「ポイントの種類」と「課税されるタイミング」に注目しましょう。
課税対象となるポイントの種類とは?
ポイントの課税区分は、以下の3パターンに分けられます。
- 非課税
- 一時所得
- 雑所得
どのような基準で区分が決まるのか、それぞれ確認していきましょう。
「非課税」のポイント
商品の購入によって受け取ったポイントは、原則は非課税です。商品の購入や割引を目的にポイントを利用しても、課税対象にはなりません。確定申告も不要です。
「一時所得」のポイント
ポイントが「臨時・偶発的に発生」した場合、「一時所得」となる場合があります。たとえば、ポイントの抽選や、キャンペーンに当選した場合です。
他にも、「マイナポイント」など国や自治体から付与されたポイントも、一時所得の対象になります。一時所得に該当する場合、ポイント総額によっては確定申告が必要になります。
- 一時所得の総額50万円以内:特別控除によって一時所得が発生しないため、確定申告は不要
- 一時所得の総額50万円を超える:確定申告が必要
ポイント総額と他の一時所得との総額が「50万円以内」であれば、確定申告は不要となります。上記のように、キャンペーンや抽選で受け取ったポイントは、確定申告が必要になる場合があるので、総額を把握しておきましょう。
「雑所得」のポイント
雑所得に区分されるポイントは「役務」によって付与された場合です。アンケートの回答や、友人の紹介によってポイントを受け取るケースが該当します。
雑所得も、ポイント総額によっては確定申告が必要になります。雑所得は、以下の計算方法で算出します。
[総収入金額]-[必要経費]
このように、どのような経緯でポイントが付与されたかで、課税区分が異なります。ポイントを受け取った経緯については、それぞれ把握しておくことが望ましいでしょう。
課税されるタイミングと課税・非課税の判断基準
次に、ポイントが課税対象となるタイミングと、課税対象になる判断基準について解説します。
ポイントが課税対象としてみなされるタイミングは、「利用したタイミング」です。保有しているだけでは課税対象にはなりません。
国税庁によると、課税対象になるかどうかの判断基準は「経済的利益にあたるかどうか」とされています。例えば、キャンペーンやアンケートの回答で付与されたポイントは、「経済的利益」に該当し、課税対象となります。
一方で、買い物などで取引をした際に受け取るポイントは「値引き」として扱われ、「経済的利益」には該当しません。
ポイ活で確定申告が必要になるケース
ポイ活で得たポイントについて確定申告が必要となる条件は、「会社員(給与所得者)」「主婦や学生(無職者)」「個人事業主」によって異なります。
会社員の場合
会社員で確定申告が必要なケースは、以下のパターンです。
- 一時所得の総額が50万円を超える場合
- 雑所得の総額が20万円以上の場合
ポイ活で取得したポイントが少額でも、他の一時所得や雑所得との総額が上記の条件に当てはまる場合、確定申告が必要になります。
一時所得や雑所得として扱われる収入の種類は以下のとおりです。
【一時所得】
- 懸賞金
- 競馬や競輪の払戻金
- 生命保険の一時金や満期返戻金
- 法人から贈与された金品
- 遺失物や埋蔵物発見者の報労金 など
【雑所得】
- 公的年金
- 副業の所得(原稿料など)
- 暗号資産の売却益 など
主婦や学生の場合
専業主婦や学生など、仕事をしていない人で確定申告が必要になるケースは、次のいずれかです。
- 一時所得の総額が50万円を超える場合
- 雑所得の総額が48万円を超える場合
所得税の計算では、すべての人に基礎控除が適用されます。仮に、雑所得とみなされるポイントを受け取っても、基礎控除額の48万円以内であれば確定申告をする必要はありません。
ポイント金額を含めて雑所得の総額が48万円を超えていると、確定申告が必要になる可能性があります。
個人事業主の場合
個人事業主の場合、「役務」によって付与されたポイントの扱い方が異なります。基本的には会社員と同様「雑所得」として扱います。
ただし、本業に関わる役務によって付与されたポイントの場合、「事業所得」になる可能性があります。
明確なきまりがあるわけではないので、判断に困る場合は税務署に確認しましょう。
こちらの記事では、個人事業主が確定申告で経費にできるものについて詳しく解説しています。
まとめ
ポイ活で得たポイントは、確定申告が必要になるのかについて解説しました。キャンペーンや応募サイト、またはアンケート調査などで得たポイントが一定額を超えると、確定申告の対象となります。
しかし、ポイントの課税については、税制上の規定が確立しておらず、あいまいな部分もあります。保有するポイントが課税対象になるかどうかわからない場合は、税務署に相談するとよいでしょう。