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ガス代の平均金額と平均より高いときの対策|プロパンガスと都市ガスの違いも紹介

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

1ヵ月にかかるガス代は、家庭によってバラつきがあります。「目安はいくらくらい?」「うちは高い方なの?」といった疑問を持つ人もいるでしょう。

ガス代は、家族の人数や季節などの条件によっても変動します。

この記事では、ガス代の平均額や、ガス代を減らす工夫について解説します。

この記事でわかること
  • 人数別、月別、地域別、ガス種類別のガス代の平均額
  • ガス代が平均より高いときの対策

ガス料金の仕組みを理解しよう

ガス代(ガス料金)は一般的に、基本料金と従量料金の2つから成り立っています。

  • 基本料金:使用量にかかわらず支払う料金
  • 従量料金:使用量に応じて支払う料金。「単価(単位料金)×ガス使用量」で計算される

基本料金や単価は、契約しているガス会社や料金プランごとに異なります。また、プロパンガスの場合は料金体系が異なるケースもあるので、ガス会社のWebサイトなどで確認するのが確実です。

1ヵ月のガス代の平均額

1ヵ月のガス代の平均額について、以下のケース別に紹介します。自分に近い条件だといくらくらいが相場になるか、確認してみましょう。

  • 世帯人数別
  • 季節別
  • 地域別

世帯人数別のガス代の平均額

世帯人数別の、ガス代の平均額は下表の通りです。

世帯人数 ガス代の月平均額
1人 3,100円
2人 4,900円
3人 5,555円
4人 5,427円
5人 5,506円
6人以上 6,157円
出典:総務省「家計調査(家計収支編)」(以下同)

3~5人世帯では、ほとんど差が見られません。1人あたりのガス代で考えると、1人暮らしの場合が最も高くなります。

【季節別】1ヵ月のガス代の平均額

季節によるガス代の違いについても見ていきましょう。

世帯人数 春(4~6月) 夏(7~9月) 秋(10~12月) 冬(1~3月)
1人 3,387円 2,345円 2,777円 3,892円
2人 5,441円 3,459円 4,172円 6,530円
3人 6,155円 3,997円 4,836円 7,232円
4人 6,071円 3,772円 4,747円 7,119円
5人 6,123円 3,878円 5,018円 7,004円
6人以上 7,612円 4,533円 5,058円 7,423円

上表の通り、1年で最もガス代が安くなりやすいのが夏(7~9月)、高くなりやすいのが冬(1~3月)です。

水量の問題だけでなく、水温を30℃から40℃にするだけでよい夏よりも、より低い10℃から40℃まで上げる必要がある冬の方がエネルギーを使うため、ガス代も高くなります。

【地域別】1ヵ月のガス代の平均額

ガス代は、住んでいる地域によっても差が見られます。1人暮らしの場合、地域ごとのガス代の平均額は以下の通りです。

地域 ガス代(年間平均)
北海道・東北 3,704円
関東 3,224円
北陸・東海 3,404円
近畿 3,395円
中国・四国 2,899円
九州・沖縄 3,481円

北海道・東北のように寒い地域は、ガス代が高い傾向があります。前述の通り、水温が低い場合は、使える温度まで上げるために、より多くのガスを必要とするからです。

また、都市ガスではなくプロパンガスを利用するエリアはガス代が高くなりがちです。気温が高い地域でも、プロパンガスが主流なら平均のガス代が高くなる可能性があります。

都市ガスとプロパンガスの料金の差はある?

都市ガスとプロパンガスで、ガス代にどれくらい差が出るのか、一例を下表にまとめます。

ガス使用量 都市ガス(東京ガス) プロパンガス(LPガス北海道平均)
基本料金 従量料金 基本料金 従量料金
10立方メートル 759円 1,589円 2,197円 1万1028円
20立方メートル 759円 3,177円 2,197円 1万9040円
50立方メートル 1,056円 7,201円 2,197円 4万2150円
出典:東京ガス「ガス料金表」、石油情報センター「LPガス月別

両者を比べると、基本料金も従量料金もかなり違うことがわかります。なお、ガスの使用量の平均は2人暮らしで月26立米程度です。仮に20立米使う人なら、東京ガスだと759円+3,177円=3,936円ですが、北海道でプロパンガスを使う場合は2,197円+1万9040円=2万1237円に上ります。

ただし、プロパンガスは業者によって価格差が激しい傾向があるため、なかには都市ガスと同じか少し高い程度の料金で利用できる場合もあります。

プロパンガスと都市ガスの違い

そもそも都市ガスとプロパンガスはどんな仕組みで、何が違うのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットを解説します。

プロパンガスのメリット・デメリット

プロパンガス(LPガス)はボンベで各家庭に配送されます。家のすぐ横にボンベが立っていれば、プロパンガスを使っている家庭だとすぐにわかります。都市ガスに比べ、比較的手軽に導入できるのが特徴です。

プロパンガスのメリット
  • 導入時の初期費用が無料もしくは安く、すぐに使い始められる
  • 災害時の復旧が早い傾向がある
プロパンガスのデメリット
  • 都市ガスより利用料金が高い傾向がある
  • ガスボンベの設置が必要

都市ガスのメリット・デメリット

一方の都市ガスは、天然ガスが主原料です。ボンベではなくガスの配管を通して各家庭に供給されます。その名の通り都市部に多く、都市ガスの配管が通っていないエリアでは利用できません。

都市ガスのメリット
  • プロパンガスより利用料金が安い
  • エリアであれば機材を設置する必要がない
都市ガスのデメリット
  • 初期費用がかかる(導入時10万円程度)
  • プロパンガスより災害時の復旧が遅い

ガス代が平均よりも高いときの対策

自宅のガス代が上記で紹介した平均額よりも高いと思ったら、以下のポイントを確認してみましょう。

  • ガス会社のプランが最適か
  • ガスの使い方を工夫できないか

ガス会社のプランが最適か

ガス会社によっては、いくつかの料金プランが用意されています。

例えば、「エネファーム(ガスから電気を創る装置)を設置している人向けプラン」「ガス衣類乾燥機を使っている人向けプラン」「電気とガスをセットで契約した人向けプラン」など、条件に当てはまれば通常より割引になるプランが利用できる場合もあります。

いま契約しているプランが最適なのか、改めて確認してみましょう。別のガス会社のプランを比較検討してみるのもおすすめです。

ガス会社を乗り換えてガス代を安くする方法とガス会社の選び方は、こちらの記事で詳しく解説されています。合わせてご確認ください

ガスの使い方を工夫できないか

ガスの使い方を工夫することで、節約できないか考えてみましょう。家の中でガスを使う場所は、主にキッチンとお風呂です。まずはこの2ヵ所で無駄な使い方をしていないか見直すことが大切です。

例えば、以下のような点に注意してください。

  • 食器を洗うときの水温を低めに設定する
  • シャワーを流しっぱなしにせず都度止める
  • 連続で入浴するなど、追い炊きの回数を減らす

工夫の仕方によっては、ガス代だけでなく、水道代や電気料金などほかの光熱費も合わせて節約できるかもしれません。ガス代の節約方法については、ガス代を節約する方法も参考にしてください。

まとめ

1ヵ月のガス代の相場は、1人暮らしなら2,300~3,900円、2人暮らしなら3,500~6,500円です。家族の人数が多いほど高く、1年の中でも冬場は特に高くなりやすい傾向があります。地域によっても差があり、都市ガスとプロパンガスでも金額が異なってくるので、記事を参考に確認してください。

まずは条件ごとの平均値を把握し、自分のガス代と比較してみてください。「平均より高いかも」と感じたら、ガスの契約内容(料金プラン)を見直す、ガスの使い方を工夫して節約するなど対処していきましょう。

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