ここではアンケートの結果をもとに、NISA口座の選び方について以下の項目に分けて解説します。
- 手数料や口座維持費などのコストで選ぶ
- ポイント還元があるかで選ぶ
- 取扱商品のラインナップの広さで選ぶ
- 決済方法で選ぶ
- 特典やキャンペーンで選ぶ
- 口座開設数で選ぶ
- IPO実績で選ぶ
- 積立方式で選ぶ
手数料や口座維持費などのコストで選ぶ
NISAでかかる手数料とは、株式や投資信託を売買する際に発生するお金のことです。「1注文あたりの取引額ごと」「1日の合計取引額に応じる」など証券会社ごとに手数料の金額や設定が異なるので、取引回数や金額に合わせて考えることが大切です。
ネット証券の多くが「NISA口座は手数料無料」とうたっています。しかし「国内株式のみ」「25歳以下のみ」など条件付きとなっているケースもあるため、よく確認してから利用するようにしましょう。
ポイント還元があるかで選ぶ
投資金額に応じて特定のポイントが貯まる証券会社があります。証券会社ごとで貯まるポイントをまとめると、下表の通りです。
証券会社名 |
貯まるポイント |
楽天証券 |
・楽天ポイント |
SBI証券 |
・Vポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALポイント ・PayPayポイント |
マネックス証券 |
・マネックスポイント |
auカブコム証券 |
・Pontaポイント |
SMBC日興証券 |
・Vポイント ・dポイント |
松井証券 |
・松井証券ポイント |
PayPay証券 |
・PayPayポイント |
大和コネクト証券 |
・dポイント ・Pontaポイント |
DMM株 |
・DMM株ポイント |
楽天証券なら楽天ポイント、auカブコムならPontaポイントが貯められます。SBI証券・SMBC日興証券・大和コネクト証券は貯めるポイントを選ぶことが可能です。
ポイントを貯めたり、使ったりしながらお得に投資をしたい人は、普段よく利用するポイントに注目して選ぶとよいでしょう。
取扱商品のラインナップの広さで選ぶ
取扱商品とは、証券会社で購入できる商品(銘柄)のことです。NISA口座で購入できる商品は、国内株式・海外株式・投資信託など多岐にわたります。
それぞれのメリット・デメリットは、下表の通りです。
|
メリット |
デメリット |
国内株式 |
・情報が多い ・株主優待がある ・株式市場に時差がない ・通貨が円 ・値幅制限がある |
・元本保証がない ・売買手数料がかかる ・初心者には難しい |
海外株式 |
・世界的な大企業に投資できる ・未知数の新興国に投資できる ・リスクを抑えて投資が可能 ・高配当が期待できる ・1株から少額投資できる |
・為替変動の影響を受ける ・株式市場に時差がある ・元本保証がない ・売買手数料がかかる ・初心者には難しい |
投資信託 |
・分散投資でリスクの軽減が可能 ・取扱商品(銘柄)が豊富 ・運用の手間がかからない ・少額から始められる |
・長期保有が前提 ・信託手数料がかかる ・元本保証がない |
国内株式
国内株式とは、日本国内の証券取引所に上場している企業の株式のことです。
国内株式の最大のメリットは、ニュースなどから情報を得やすく、値動きの傾向がつかみやすい点です。株主優待がある会社が多いのも魅力といえるでしょう。
また、取引通貨が円なので、為替変動の影響を受けません。
さらに、株価の暴騰・暴落を防ぐために、株価が1日に変動できる上下の幅を制限する「株価制限」(いわゆるストップ高・ストップ安)があるのも安心材料の1つです。
一方で、デメリットとしては、海外株式に比べて成長性が低いことです。震災などの災害リスクもあって株価が下落しやすく、大きな成長が期待しにくいのがデメリットになります。
海外株式
海外株式とは海外企業が発行し、主に海外の証券取引所に上場している株式のことです。
海外株式のメリットは、世界的な大企業への投資ができること、外貨資産を持つことで円高や円安のリスクを分散できることなどです。
海外株式は国内株式と比べて高配当で、最少1株から購入できます(国内株式は単元株制度で、通常100株単位で購入する必要があります)。
デメリットは、為替変動の影響を受けること、株式市場に時差があることなどです。また、米国株式には1日の値動きを制限する「値幅制限」がないため、損失が大きくなりやすいことにも注意しましょう。
投資信託
投資信託とは、プロの投資家が選んだ株式や債券などの複数の資産をパッケージ化したものです。
多くの資産に分散投資することでリスクヘッジできることが、最大のメリットです。運用をプロに任せられる安心感があり、少額から始められるため、初心者に向いています。
デメリットは、株式のようなタイムリーな売買取引ではなく、複利効果を得やすい長期保有が前提なので、資金を動かしにくいことが挙げられます。
また、運用を任せるための信託報酬がかかる一方、プロに任せたからといって元本保証があるわけではない点に注意が必要です。
決済方法で選ぶ
NISAの決済では、銀行口座から直接引き落とされる方法と、クレジットカード決済(クレカ積立)があります。クレカ積立ができる証券会社を選ぶと、決済額に応じたポイントをもらえてお得です。
クレカ積立ができる証券会社のそれぞれのポイント還元率は、下表の通りです。
証券会社 |
対象クレジットカード |
ポイント還元率 |
楽天証券 |
楽天カード |
最大1.0% |
SBI証券 |
三井住友カード |
最大5.0% |
マネックス証券 |
マネックスカード |
最大1.1% |
auカブコム証券 |
auPAYカード |
1.0% |
PayPay証券 |
PayPayカード |
0.7% |
大和コネクト証券 |
セゾンカードUCカード |
最大1.0% |
例えば、楽天証券のNISA口座で毎月5万円を楽天カード決済で積み立てた場合、毎月最大500ポイントが貯まります。年間で6,000ポイント貯まることになり、20年間投資した場合は総額で12万ポイントも貯まるので、長期投資をすればするほどお得になります。
特典やキャンペーンで選ぶ
証券会社によっては、特典やキャンペーンを用意しています。特に、口座開設でキャッシュバックやプレゼントがもらえるキャンペーンは、条件が少なく誰でも取り組みやすいでしょう。
2024年6月現在で口座開設キャンペーンを実施している証券会社と、キャンペーン内容をまとめると下表の通りです。
証券会社名 |
キャンペーン内容 |
適用条件 |
楽天証券 |
2,000円相当の株ギフトプレゼント |
クイズに正解&口座開設等 |
マネックス証券 |
4,200ポイントのdポイントプレゼント |
クイズに正解&エントリーして新規口座開設、NISA口座開設、アンケート回答 |
auカブコム証券 |
NISA口座開設と投信取引で、もれなく最大5,000Pontaポイントプレゼント |
NISA口座開設と投信取引 |
松井証券 |
松井証券ポイントを2,000ポイントプレゼント |
新規で松井証券総合口座およびNISA口座を開設&クイズに正解 |
PayPay証券 |
1,000ポイントのPayPayポイントプレゼント |
クイズに正解してPayPay証券口座&NISA口座開設 |
大和コネクト証券 |
1,000ポイントのdポイントまたはPontaポイントプレゼント |
大和コネクト証券の口座開設とdアカウントまたはPonta会員IDの連携 |
岡三オンライン |
最大5,000ポイントのdポイントプレゼント |
新規口座開設と条件達成 |
適用条件は、クイズやアンケートへの回答と口座開設など、達成しやすいものばかりです。普段から貯めているポイントがもらえるキャンペーンであれば、メリットも大きいでしょう。
口座開設数で選ぶ
NISA口座は1人1つしか持つことができませんが、証券口座は複数持つことが可能です。口座開設数の多い証券会社は、それだけたくさんの人々のニーズに合ったサービスを提供していると考えられるでしょう。
利用者数の多さは、サポート体制やサービス面の充実につながるので、そうした点でも安心して選べます。
IPO実績で選ぶ
IPO(新規公開株式)とは「Initial(最初の) Public(公開の) Offering(売り物)」の略で、未上場企業が新規に株式を証券取引所に上場することです。
新規上場時の公募価格は、売れ残りが出ないように企業と証券会社が協議します。多くの場合、割安に設定されて売り出されるため、上場直後は値が上がりやすくなります。しかし、購入できるのは「幹事」という上場予定会社のサポートを務める会社に限られ、購入も抽選制です。
IPOの取扱実績数が多い証券会社に口座を作れば、IPOを購入できるチャンスも訪れやすいでしょう。証券会社ごとにIPO購入の抽選方法が異なるので、その内容も判断基準にしてください。
積立方式で選ぶ
積立方式とは、証券会社で一度に注文する金額と頻度を前もって設定することです。金額は100円から設定できる証券会社もあり、少額から運用をスタートできます。積立頻度は「毎日」「毎週」「毎月」などから選ぶことができ、これも証券会社ごとに異なります。
積立方式で選ぶメリットは、金額を少なく、頻度を多くすることによって投資のリスクを軽減できることです。リターンも少なくなりますが、自分の投資可能金額やライフスタイルによって投資内容を変更できるのは魅力の1つです。