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iDeCo(イデコ)を始めるならどこがいい?おすすめの証券会社や銘柄の選び方を解説

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

国民年金や厚生年金などの公的年金とは別に、自分で加入して運用する私的年金制度の1つであるiDeCo(イデコ)。老後の資金不足などの懸念から、近年急速に利用者数が増加しています。

本記事では、これからiDeCoを始めようと考えている人や、どこがいいか比較検討したい人に向けて、おすすめの証券会社を厳選して5社紹介します。また、iDeCoの商品・銘柄の選び方や、よくある疑問も解説します。

iDeCoの金融機関・証券会社の選び方

iDeCoを始めるにあたっては、まずiDeCO口座を開設する金融機関を選ばなければなりません。

iDeCO口座は銀行、証券会社、保険会社などで開設できます。金融機関によって商品・手数料・サービス内容などにさまざまな違いがあるので、事前によく調べておく必要があります。

iDeCoの金融機関・証券会社の選び方のポイントは、以下の3点です。

  • 手数料がどのくらいかかるか
  • 選べる商品・銘柄のラインナップ
  • サービス内容やサポート体制

手数料がどのくらいかかるか

iDeCoを運用する際には、加入時、運用中、給付時、移換時のそれぞれのタイミングで手数料が発生します。金融機関ごとに金額が異なるのは、「運用中の口座管理手数料」「移換時の手数料」なので、この2つの金額は必ずチェックしてください。

iDeCo加入時には、国民年金基金連合会へ一律2,829円の手数料を支払います。この金額はどの金融機関を選んでも変わりません。ちなみに、企業型確定拠出年金からiDeCoに移換する場合も同額の手数料がかかります。

運用中は、国民年金基金連合会へ事務手数料を、信託銀行へ事務委託手数料を支払う必要があります。また、金融機関へ口座管理手数料を支払いますが、この金額は金融機関ごとに異なり、無料?月500円程度です。

給付時には、一回受け取るごとに、信託銀行に対して440円の手数料が発生します。iDeCoで運用中の資産をほかの金融機関へ移す際に手数料が発生しますが、金融機関によって無料~4,400円と差が生じます。

iDeCo運用にかかる手数料
加入時 国民年金基金連合会へ一律2,829円
運用中 国民年金基金連合会へ事務手数料 信託銀行へ事務委託手数料 利用金融機関へ口座管理手数料(無料~月500円)
給付時 給付金を受け取るごとに、信託銀行へ440円
移換時 無料~4,400円

選べる商品・銘柄のラインナップ

iDeCoとは、積み立てた掛け金を自分で選んだ金融商品の運用に充てて、60歳以降に年金として受け取る資産運用方法です。上手くいけば将来受け取る年金額が増えるので、運用する商品は慎重に選ぶようにしましょう。

選べる商品や銘柄のラインナップが充実しているかどうかは、iDeCo口座を作る金融機関・証券会社を決めるにあたって大きなポイントです。

iDeCoで運用できる主な金融商品は、定期預金、保険商品、投資信託などがありますが、それぞれリスクやリターンに差があります。投資信託だけでも「インデックス型」「アクティブ型」「バランス型」などさまざまな種類があるため、なるべく取扱銘柄数が多い金融機関・証券会社を選ぶのがおすすめです。

サービス内容やサポート体制

金融機関によって、サービス内容やサポート体制にさまざまな違いがあります。

現在は24時間AIチャットやメールによるサポートが受けられる会社がほとんどで、オペレーターによる電話サポートは減ってきています。チャットやメールでは不安という人は、電話サポートがある会社を選ぶようにしましょう。

iDeCoを始める人におすすめの証券会社5選

iDeCoをこれから始める人に、おすすめの証券会社5社を紹介します。いずれも手数料が安い大手ネット証券です。

SBI証券 楽天証券 マネックス証券 松井証券 LINE証券
加入時手数料 2,829円 2,829円 2,829円 2,829円 2,829円
運営管理手数料 無料 無料 無料 無料 無料
給付時手数料 440円 440円 440円 440円 440円
商品数 84 32 27 40 24
サポート体制 AIチャットコールセンターメール AIチャット
コールセンター
コールセンター AIチャットコールセンターメール AIチャットメール
iDeCo専用スマホアプリ・ツール × ×

SBI証券

SBI証券でiDeCoを始める最大のメリットは、業界最多水準となる商品ラインナップ数です。低コストのものを中心にセレクトされた84本の商品・銘柄には、国内外の株式・債券・REIT・バランス型などがそろっています。

これほど数が多いと商品選びに迷うかもしれませんが、ロボアドバイザーからアドバイスを受けられるサービスもあります。

サポート面も充実しており、ITサポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体「HDI-Japan2020」では、問い合わせ窓口格付けとWebサポート格付けでいずれも最高評価を獲得しています。

手数料 加入時 2,829円
運営管理(月額) 無料
給付時 440円
商品数 84
サポート体制 AIチャット土日対応コールセンターメール
iDeCo専用スマホアプリ・ツール
その他のサービス おすすめの運用商品を選んでくれるロボアドバイザー

楽天証券

楽天グループの証券会社である楽天証券は、楽天ユーザーに特におすすめです。買い物などで貯めた楽天ポイントをiDeCoの掛け金として利用できるので、ポイントを投資することで運用益の向上も期待できます。

24時間対応のAIチャットやiDeCo専用ダイアルなど、サポート体制が充実しているのも特徴です。また、iDeCo口座の管理画面が総合口座と同じ画面で一元管理できるので、使い勝手が良いと評判です。

手数料 加入時 2,829円
運営管理(月額) 無料
給付時 440円
商品数 32
サポート体制 AIチャット土日対応コールセンター
iDeCo専用スマホアプリ・ツール
その他のサービス 充実した無料セミナーやスタートガイド、土日祝も対応のiDeCo専用ダイアル

マネックス証券

マネックス証券のiDeCo商品ラインナップは、信託報酬が0.15%程度の低コストのものが中心です。長期運用に向いている銘柄が厳選されています。

投資未経験者向けのiDeCo専用ロボアドバイザーが人気で、年齢や投資に関する考え方など簡単な質問に答えるだけで、おすすめの銘柄や資産配分まで具体的なアドバイスがもらえて便利です。

なお、iDeCoポートフォリオ診断機能の一部は、マネックス証券口座を持っていない人も利用できます。

手数料 加入時 2,829円
運営管理(月額) 無料
給付時 440円
商品数 27
サポート体制 コールセンター
iDeCo専用スマホアプリ・ツール ×
その他のサービス 土曜も受付してくれるiDeCo専門スタッフ、ロボアドバイザー、iDeCoポートフォリオ診断

松井証券

創業100年を超える老舗の松井証券は、SBI証券に次いでiDeCoの商品数が多いです。信託報酬が安い商品が中心で、長く運用するほどコストメリットが大きくなります。

積み立て総額や掛け金の配分などがわかるオリジナルツールや、ロボアドバイザー「投信工房」などのサービスも充実しています。

前述したHDI-Japan2020での評価も高く、サポート面でも優れています。

手数料 加入時 2,829円
運営管理(月額) 無料
給付時 440円
商品数 40
サポート体制 AIチャットコールセンターメール
iDeCo専用スマホアプリ・ツール ×
その他のサービス 投信工房(ロボアドバイザー)

LINE証券

LINE証券「LINEのiDeCo」は、業界最大手「野村證券」が運営管理を行っています。LINE証券に口座を持っている人は、登録済みのお客様情報を引き継ぐことで、最短5分でLINEアプリ内でiDeCoの申し込みが完結します。

iDeCo商品や銘柄は、低コストのインデックスファンドをはじめ、受賞歴のあるアクティブファンドなど、厳選した商品ラインナップが用意されています。前述のHDI-Japanで2014~2020年の7年連続で「五つ星」を取得している野村證券運営のコールセンターと、Webサイトによるサポート力も魅力です。

手数料 加入時 2,829円
運営管理(月額) 無料
給付時 440円
商品数 24
サポート体制 AIチャットメール
iDeCo専用スマホアプリ・ツール
その他のサービス LINEチャットによる投資アドバイス

iDeCoの商品・銘柄の選び方

iDeCoの商品・銘柄を選ぶ際は、次の3点を目安にしてください。

  • リスクとリターンの高低
  • 元本割れの可能性
  • 投資にかかる金額

iDeCoの商品で一般的なものは定期預金、保険商品、投資信託です。とにかく元本割れしたくないなら、定期預金または保険商品を選んでください。この2つは「元本確保型商品」として元本が保証されており、掛け金よりも受け取る年金額が減ることはありません。ただし、そのぶんリターンも低いです。

一方、投資信託は運用状況によっては元本割れのリスクもあります。

投資信託にはローリスク・ローリターンの「インデックス型」、ハイリスク・ハイリターンの「アクティブ型」、その中間の「バランス型」の3種類があり、好きなものを選ぶことが可能です。

インデックス型は、日経平均株価など特定の指数に連動した運用成績を目指す一方、アクティブ型はその指数を上回る大きなリターンを狙います。バランス型は、複数の資産や市場へ分散投資することで、ミドルリスク・ミドルリターンの安定した運用を目指すのが特徴です。

iDeCoを始める際に知っておきたい注意点

iDeCoを始める前には、以下の点に注意してください。

  • 原則60歳まで引き出すことができない
  • 投資の上限金額が決まっている
  • 自分で金融機関を探して申し込むなど手続きが煩雑

iDeCoの目的は老後のための資金形成なので、掛け金や運用によって得られた利益は、原則60歳まで引き出すことができません。定期預金や保険商品は途中解約して現金化することも可能ですが、iDeCoはそれができないので注意してください。

また、iDeCoで運用できる拠出金には上限があり、会社員や公務員は2万~2万3000円、自営業者の場合は月額6万8000円までです。所得控除の対象となるのも年間2万円までです。

さらに、iDeCoは「自分で申し込んで自分で運用する」タイプの年金なので、金融機関や証券会社を選んで商品を探し申し込むという手続きを、すべて自分で行う必要があります。

iDeCoを始める際のよくある疑問

最後に、iDeCo関するよくある疑問と、その回答を紹介します。

  • iDeCoがおすすめな理由は?

    iDeCoは国が推奨する老後の資金形成制度で、税優遇制度があります。一般的に、金融商品の運用には掛け金や運用益に税金がかかりますが、iDeCoは掛け金、運用益、給付金の3段階で税金控除の対象となります。

    貯蓄よりもリターンが大きく、税金控除もあるため、老後のための資産運用を検討している人におすすめです。

  • iDeCoの掛け金は少額でもいい?

    iDeCoの掛け金は月々5,000円から、1,000円単位で自ら額を決めることができます。少額から始められるため、無理のない範囲で資金形成が可能です。

    ただし、前述したように積み立てた掛け金は60歳になるまで引き出すことができません。掛け金の額はよく考えて決める必要がありますが、年に1回見直しも可能です。

  • 50代からiDeCoを始めてもメリットはある?

    2022年5月の法改正により、iDeCoの加入年齢が65歳までに延長されたため、50歳から加入しても15年間資産運用が可能になりました。その間の投資利益は非課税なので、一般の投資信託よりお得な場合もあります。

  • iDeCoとNISAはどちらがいい?

    iDeCoとNISAの違いは、資産形成の目的にあります。NISAは国民に少額投資を促すための国の施策で、一般の投資と同様にお金はいつでも引き出せます。iDeCoは原則として60歳まで引き出すことができないので、その点が最も大きな違いです。

    また、税優遇のメリットに関しても、NISAは投資利益のみが非課税対象ですが、iDeCoは拠出・積立時、運用中の投資利益、受取時と3段階で税の優遇を受けられるため、さらに有利になります。

    さらに、NISAは運用できる商品が株式や投資信託に限られ、元本割れのリスクを伴います。一方、iDeCoでは元本が保証される定期預金や保険商品を運用することも可能です。

    iDeCo NISA つみたてNISA
    税制上のメリット 拠出・積立時は全額所得控除/運用中は投資利益が非課税/受取時は退職所得控除・公的年金等控除の対象になる 投資利益が非課税になる 投資利益が非課税になる
    投資上限額 年間14.4~81.6万円 年間120万円 年間40万円
    非課税運用期間 20~65歳までの間なら上限なし 5~10年以内 20年
    資金の引き出し 原則として60歳まで不可 いつでも可能 いつでも可能
    運用できる商品 定期預金、保険商品、投資信託等 国内株式、海外株式、投資信託 投資信託(金融庁が指定する銘柄)

まとめ

iDeCoは税金の優遇があり、老後の資金形成方法としておすすめです。運用商品は定期預金、保険商品、投資信託から選ぶことができます。運用できる拠出金には上限があり、原則として60歳まで利益を引き出すことができない点は注意が必要です。

本記事を参考にiDeCoのメリット・デメリットをよく理解したうえで、自分に最適な証券会社を選んでください。

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