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100万あったらどう増やす?初心者におすすめの運用方法

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

元手100万円で資産運用を始めたいが、どうしたよいかわからない人もいるでしょう。「100万円がいくらになる?」「損をしないためにはどうすればよい?」など疑問はありませんか。

手元の資金額によって、適する運用方法は異なります。そのため、金額に見合った運用方法を理解しておくことが大切です。

この記事では、100万円を増やすためにおすすめの運用方法について解説します。初心者でも簡単に理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • 100万円で効率良く資産運用する方法
  • 資産運用を始める際の注意点
  • 資産運用に活用できる国の制度

100万円でも資産運用はできる!

手元のお金を最大限活用できるよう、予算に合った運用方法を理解しておくことが大切です。

例えば投資信託なら100円から投資できるため、少額から資産運用が可能です。一方、不動産投資は100万円では資金が足りず、ローンを組む必要があるため、100万円で始めたい人には向いていません。

100万円からの投資に適した金融商品の例は、以下の通りです。

  • 株式
  • 債券
  • 投資信託
  • 個人年金保険

一括投資と積立投資どちらを選べばいい?

資産運用の方法には大きく分けて「一括投資」と「積立投資」の2種類があります。一括投資と積立投資のどちらが適しているかは、投資する人によって異なります。ここでは、一括投資と積立投資それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

一括投資はどんなメリット・デメリットがある?

一括投資とは、1回の投資に手元の資金をすべて投入する投資方法を指します。一括投資のメリット・デメリットは、以下の通りです。

一括投資のメリット
  • 短期間で大きなリターンを狙える
  • 手元の資金をまとめて投資に回せる
  • 売買の回数が少なくて済む
一括投資のデメリット
  • 価格変動リスクが大きい
  • まとまった資金が必要になる
  • 運用成績が投資するタイミングに左右されやすい

一括投資は株価の上昇局面に強いのが特徴です。一方で、高値で購入すると積立投資に比べて損失が大きくなるリスクがあります。短期間で大きなリターンを狙いたい人に適した手法といえるでしょう。

積立投資はどんなメリット・デメリットがある?

一方、積立投資では複数回に分けて商品を購入します。積立投資のメリット・デメリットは、以下の通りです。

積立投資のメリット
  • 少額から始められる
  • 価格変動リスクが小さい
  • 購入するタイミングを考える必要がない
積立投資のデメリット
  • 短期間のリターンは狙いにくい
  • 資金を投資に回すまでに時間がかかる

購入する回数を細かく分けることで、少額からでも投資できます。一度設定してしまえば自動的に積立が継続されるため、運用の手間がかかりません。

しかし、一括投資に比べると短期間でのリターンは狙いにくい点に注意が必要です。長期的な視点で資産の拡大を目指したい人には、積立投資が適しているでしょう。

投資を始めたいがどうしたらいいかわからない

100万円で資産運用する前に知っておきたい基本

100万円を投資に回す前に、以下の資産運用の基本を理解しておくことが大切です。

  • 長期・積立・分散を意識する
  • 資産運用は元本割れのリスクがある
  • 流動性・収益性・安定性で金融商品を選ぶ

長期・積立・分散を意識する

資産運用する際には、「長期」「積立」「分散」を意識することが大切です。

  • 長期:投資期間を長くする
  • 積立:一定額を継続して投資する
  • 分散:商品、地域、時間を分けて購入する

長期、積立、分散が重要とされているのは、価格変動リスクの軽減に効果があるためです。単一銘柄に1回で大量の資金を投入すると、資産額が商品の値動きに大きく左右されます。運用方針の基本として心がけましょう。

資産運用は元本割れのリスクがある

資産運用では金融商品を扱うため、元本割れのリスクがあります。元本割れとは、投資した金額と比較して資産が目減りしている状態を指します。例えば1ヵ月前に商品Aを100万円分購入していたものの、すべて売却しても手元に90万円しか残らないケースは元本割れの状態です。

元本割れのリスクをできるだけ減らすためには、長期・分散・積立によりリスクを軽減させることが大切です。

  • 分散投資の例:商品Aと商品Bにそれぞれ50万円ずつ投資
  • 積立投資の例:毎月5万円ずつ商品Aに投資
  • 長期投資の例:毎月1万円ずつ商品Aに100ヵ月投資

流動性・収益性・安定性で金融商品を選ぶ

金融商品を選ぶ際には、「流動性」「収益性」「安定性」に注目しましょう。

  • 流動性:換金しやすさ
  • 収益性:期待できる収益の高さ
  • 安定性:元本の保証度合い

「安全性が高い商品は収益性が低い」「収益性が高い商品は流動性が低い」など、3つの要素はそれぞれ密接に関係しています。すべてを兼ね備えた金融商品は存在しません。金融商品ごとの特徴を押さえ、バランスの取れた運用を意識することが大切です。

100万円で資産運用したらいくら増える?

100万円を運用するとどれくらい資産が増えるのか、シミュレーションしてみましょう。100万円を一括投資したとして、年利3%、4%、5%で試算した結果は下表の通りです。

年利 3% 4% 5%
5年後 115万9274円 121万6653円 127万6282円
10年後 134万3916円 148万244円 162万8895円
15年後 155万7967円 180万944円 207万8928円
20年後 180万6111円 219万1123円 265万3298円
25年後 209万3778円 266万5836円 338万6355円
30年後 242万7262円 324万3398円 432万1942円

年利3%と年利4%を比較すると、30年後に約80万円の差があります。4%と5%では約110万円の差です。年利1%の違いは最終的な運用実績に大きく影響を与えることがわかります。

資金が100万円の場合におすすめの資産運用

手元の資金が100万円のときにおすすめの資産運用は、以下の通りです。

  • 債券投資
  • 投資信託
  • 株式投資
  • 個人年金保険

債券投資

債券とは、国や自治体が資金を調達するために発行する有価証券を指します。実際に発行されている債券の例は、以下の通りです。

発行元 債券の名称 具体例
国債 日本国債、米国国債
地方公共団体 地方債 都債(東京都)、大阪府債(大阪府)
企業 社債 ソフトバンクグループ発行社債

一般的に投資家は債券を保有している間、定められた利子を受け取れるため、現金で保有するより資産を増やせる可能性があります。満期日には額面の金額を受け取れることが決まっており、保有期間中の売買も可能です。

債券は安全性が高い金融商品とされているため、資産運用のリスクをできるだけ下げたい人に適した投資手法です。

投資信託

投資信託とは、投資家から集めた資金をプロのファンドマネージャーが運用し、その利益を投資家に還元する金融商品を指します。株式や債券など複数の銘柄が組み合わされており、商品の配分や傾向は投資信託ごとに異なります。銘柄の分散が効いているため、個別株への投資に比べてリスクの軽減につながる点が特徴です。

100円からでも投資でき、100万円の予算でも十分資産を運用できます。少額から長期的な視点で資産運用を始めたい人に適した投資手法です。

株式投資

企業が資金を調達するために発行する有価証券を、株式と呼びます。株式を購入し、企業の成長による運用成果を期待する投資手法が株式投資です。株式投資には大きく分けて3つの魅力があります。

  • 売却益:購入時と売却時の価格差によって利益を得られる
  • 配当金:得た利益を株主に関連する「配当金」が受け取れる
  • 株主優待:企業が提供する商品やサービスの優待を受けられるケースがある

通常100株を1単元として取引される株式を、1株から売買できる単元未満株もおすすめです。短期的に大きなリターンを目指したい人は、株式投資をチェックしてみてください。

個人年金保険

個人年金保険は、老後にかかる資金への備えとして、任意で加入できる私的年金です。保険契約者は一定年齢に達するまで毎月保険料を払い込むことで、支払った金額に応じた保険金を受け取れます。

個人年金保険は、運用方法によって「定額個人年金保険」「変額個人年金保険」の2種類に分けられます。

種類 定額個人年金保険 変額個人年金保険
年金額 一定 変動あり
最低保証 あり なし

預貯金とは異なり、個人年金保険に払い込んだ保険料は簡単に引き出せません。早期に解約すると元本割れのリスクが伴います。老後資金への不安があり、計画的な貯金が苦手な人に適した運用方法といえます。

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資産運用を有利に行うために国の制度を活用しよう

資産運用を有利に行うためには、以下2つの制度を活用しましょう。

  • NISA
  • iDeCo

2024年からはNISA制度が新しくなりました。旧NISAから年間投資枠が拡大し、非課税保有期間が無期限になるなど変更されています。

NISA

株式や投資信託をNISA口座で運用することで、売却益や配当金にかかる税金を非課税にできます。

概要
制度 ・つみたて投資枠
・成長投資枠(併用可)
非課税保有期間 無期限
口座開設期間 恒久
年間投資枠 ・成長投資枠:240万円
・つみたて投資枠:120万円
非課税保有限度額 1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)
特記事項 売却した分の投資枠(簿価分)は翌年から再利用が可能

つみたて投資枠では、「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」に投資できます。つみたて投資枠の年間投資枠は120万円のため、100万円から始める資産運用をより有利に進められます。

iDeCo

iDeCoは任意で加入できる私的年金制度の1つです。

対象者 65歳未満の国民年金被保険者
非課税期間 加入から最大65歳まで
年間投資枠 14.4~81.6万円(※)職業などによって異なる
運用商品 株式、投資信託など
資金の引き出し 原則60歳まで不可
掛け金の控除 全額所得控除される
受取金の控除 控除あり
確定申告・年末調の有無 申告は原則不要

原則として60歳までは資産を引き出せません。拠出した掛け金や運用益、給付金は控除の対象となります。給付額は加入期間中に拠出した掛け金と運用益の合計をもとに決定します。

NISAとiDeCoは、それぞれ異なる制度であり、どちらを選ぶべきかは、あなたの投資目的やライフスタイルによって異なります。

「100万円を大きく増やしたい!」

というあなたのために、NISAとiDeCoの特徴を徹底比較し、後悔しないためのポイントを解説します。

NISAとiDeCoのどちらを選ぶべきか迷っている方は、こちらの記事あなたはどっち派?NISA vs iDeCo!後悔しないためのポイントをご覧ください。

下記の記事では、NISAとiDeCoの詳細な比較や、それぞれのメリットとデメリットを解説しています。

【お金の出どころ別】おすすめの資産運用

資産運用の原資として100万円を手に入れる方法には、以下の例が挙げられます。

  • 退職金
  • ボーナス
  • 臨時収入
  • 定期預金・保険の満期
  • 遺産

これらのお金の出どころと、相性の良い運用方法と組み合わせることで、より大きい成果が期待できます。

退職金

退職金は積立型の投資信託を使って運用するのがおすすめです。退職金は数十年の老後生活を支える重要な資産になります。運用リスクを分散させつつ、長期的な視点でのリターンが目指せる投資信託を上手く活用しましょう。

投資信託を購入する際は一括ではなく、回数を細かく分割することが大切です。例えば退職金が1000万円なら、20回に分けて50万円ずつ投資する方法が考えられます。購入時期を分散させることで、価格変動リスクの軽減に一層つながります。

ボーナス

ボーナスの運用には定期預金を活用してみましょう。定期預金は普通預金に比べて金利が高いのが特徴です。余剰資金の預け入れ先を普通預金から定期預金に切り替えるだけで、より多くの利息を得られます。

また投資信託を使った運用もおすすめです。一度積立設定してしまえば毎月自動的に購入が完了するため、手間をかけずに資産運用できます。まずは少額から始めて、慣れてきたタイミングで設定金額を見直すのがよいでしょう。

臨時収入

臨時収入や、給付金などで手に入れた10万円程度の資金を運用するなら、単元未満株取引の活用がおすすめです。NISAを使って取引すれば、運用で得た売却益や配当金は非課税です。

例えば1単元100株の銘柄の株が2,000円のとき、通常取引では20万円の取引になります。一方で単元未満株取引なら、1株2,000円から売買できます。

定期預金・保険の満期

定期預金の満期時の取り扱いには「自動的に解約」「自動的に継続」の2つがあります。解約されるタイプであれば現金が手に入るため、ほかの金融商品を使った資産運用が可能です。

資産運用の初心者であれば、投資信託を使った少額からの積立投資がよいでしょう。NISA制度を活用することで税制上の優遇を受けながら資産運用できます。

遺産

ほかのお金の出どころとは異なり、遺産は思いがけないタイミングで手にするケースが多いでしょう。遺産は相続する額によっては相続税が発生します。申請や納付を怠ると無申告課税や延滞税の支払い対象となる可能性があります。遺産の活用方法と並行して、税金についての調査も行いましょう。

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資産運用のやり方に迷ったときの相談先

いざ資産運用を始めようとしても、「どの方法を選べば良いのか」「誰に相談すれば良いのか」と迷ってしまうことも多いでしょう。

もし悩んだ場合は、以下で紹介する相談先に相談してみましょう。

銀行

多くの銀行では、資産運用相談窓口を設けています。しかし、銀行は自社の利益になるよう、販売手数料が高額な商品の購入を勧めてくる傾向があります。
そのため、初心者の方にはあまりおすすめできません。

証券会社

証券会社は、資産運用のプロが多数在籍しており、より専門的なアドバイスを得られる可能性があります。

しかし、証券会社も銀行と同様、自社の利益を優先して商品を勧めてくる可能性があります。

特に初心者の場合、そうしたセールスに気がつきにくい可能性が高く、客観的なアドバイスを得たい人にはあまり向いていません。

FP(ファイナンシャルプランナー)

FPは、個人のライフプランに基づいて、お金に関するさまざまな相談に対応する専門家です。

資産運用についても、FPは相談者の状況やニーズに合わせて、最適な方法を提案してくれます。

FPは、大きく「企業系FP」「独立系FP」の2種類に分けられます。

企業系FPは、金融機関に属しているため、幅広い金融商品に関する知識を持ち、高度なアドバイスを提供することができます。

一方、独立系FPは、特定の金融機関に属していないため、より中立的な立場からアドバイスを行うことができます。

FPを選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 資格を持っているか
  • 経験豊富か
  • 相談しやすい雰囲気か
  • 費用は明確か

100万円を効率的に増やすためには、自分に合った方法を見つけることが重要です。

しかし、資産運用に関する知識が少ない初心者の方には、どの方法が最適なのか判断するのが難しいことも多いでしょう。

そのような場合は、FPに相談するのがおすすめです。

FPは、相談者の状況やニーズに合わせて、最適な資産運用方法を提案してくれます。

100万円を有効活用して、将来の不安を解消したいという方は、ぜひFPに相談してみてはいかがでしょうか。

お金の相談は下記をクリック!

100万円で資産運用を始める際の注意点

100万円で資産運用を始める際には、以下の点に注意が必要です。

  • 余剰資金で始めること
  • 事前に知識や情報を蓄積すること
  • 少額から始めること
  • 失敗することもあると認識すること

余剰資金で始めること

資産運用は余剰資金を使って始めるのが基本です。100万円がどのようなお金かは人によって異なるため、まずは資金を運用に回すのが自身にとって適切か検討することが大切です。

まずは下表を参考に、手元の100万円を運用する期間を確認します。

  • 短期:毎月の生活費+3~12ヵ月分の生活費
  • 中期:教育費・住居費、その他ライフイベント費
  • 長期:老後資金、余裕資金

100万円が「短期」に含まれるお金の場合は、必要な生活費のため投資に使うのは避けた方が賢明です。一方、「中期」「長期」に該当するなら、資産運用に向けた準備を進めるのがよいでしょう。

事前に知識や情報を蓄積すること

資産運用には幅広い知識が必要で、知識不足は資産運用が失敗する原因になり得ます。また、資産運用による損失は自己責任で、誰も責任は取ってくれません。運用を始める前に基本的な知識と情報を蓄積することが大切です。

資産運用に関する知識は、体系的に解説されている書籍やサイト、動画などで学ぶのがおすすめです。流行りではなく初心者向けに解説された情報を取り入れることで、資産運用に必要な基本的な知識が身につきます。

少額から始めること

少額の投資であれば損失の範囲は限定的です。価格変動により資産が目減りした場合でも、生活に及ぼす影響を軽減できます。まずは少額から運用を始め、リスクを減らすことが大切です。

例えば投資信託は、100円から資産運用を始められます。単元未満株取引であれば、株式を通常の100株ではなく1株から売買可能です。少額から始めて知識や相場観を身につけ、慣れてきたタイミングで運用方針を再度検討しましょう。

失敗することもあると認識すること

金融商品の値動きを完璧に予測するのは、プロのファンドマネージャーでも困難です。資産運用には失敗するケースもあると理解しておきましょう。資産運用の失敗を引き起こすリスクには以下の例が挙げられます。

  • 価格変動リスク:市場価格の下落
  • 信用リスク:債務不履行による価格の下落
  • 金利変動リスク:金利の変動による資産の目減り
  • カントリーリスク:投資先の国や政治の混乱による価格の下落

失敗による損失を少なくするためには、分散投資の実践が効果的です。銘柄や時間、購入のタイミングを分散させることで、リスクの軽減を意識しましょう。

まとめ

100万円からでも資産運用は可能です。運用の方法には「一括投資」と「積立投資」の2種類があり、どちらが適しているかは運用する人によって異なります。

運用を始める前には、投資の基本である「長期」「積立」「分散」をはじめとした基本的な知識を身につけておくことが大切です。NISAやiDeCoなど、税制上のメリットがある制度はお金を使うタイミングを考えながら積極的に活用しましょう。

手元の資産額に適した運用方法を理解して、自身に合った方針を見つけてみてください。

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