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家を担保にお金を借りる方法とは?不動産担保ローンのメリット・デメリットを解説

執筆者:マネーFix 編集部

マネーFix 編集部

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まとまったお金が必要になったときには、銀行などの金融機関から融資を受けることが多いでしょう。しかし、利用するローンによっては高額な借入ができなかったり、適用される金利が高く、返済の負担が大きくなったりすることもあります。

不動産担保ローンはほかのローンより金利が低く、保証人が不要で借入できます

この記事では、不動産担保ローンについて詳しく解説します。

この記事でわかること
  • 不動産担保ローンのメリット・デメリット
  • 不動産担保ローンの審査基準
  • リバースモーゲージとの比較

家を担保にお金を借りる方法

資金調達の方法の1つに、所有している不動産を担保として提供し、融資を受ける方法があります。

万が一返済が困難な状態になったとしても、金融機関は担保である不動産を売却して融資額を回収できるため、低金利で高額な借入が可能です。

家を担保にお金を借りる方法には、以下の2つがあります。

不動産担保ローン

自分や親族が所有している不動産を担保にお金を借りる方法です。資金使途は原則として自由なので、さまざまな目的に利用できます。

リバースモーゲージ

自宅を担保に金融機関から融資を受け、生きている間は利息分のみを支払います。亡くなったときに、担保となっている自宅を売却して返済にあてます。

不動産担保ローンでお金を借りるメリット

不動産担保ローンを利用するメリットは、以下の通りです。

  • ほかのローンよりも金利が低い
  • 保証人不要で借りられる
  • 長期の借入ができる

ほかのローンよりも金利が低い

不動産担保ローンは、不動産を担保とするため、無担保のローンに比べると金利が低く設定されています。

主なローン商品の金利相場は、下表の通りです。

ローン商品 使用用途 金利相場
不動産担保ローン 自由 年1~9%
住宅ローン 住宅の購入 年0.3~2%
マイカーローン 車の購入 年1~6%
フリーローン
(多目的ローン)
自由 年2~15%

保証人不要で借りられる

不動産担保ローンは原則として、保証人が不要です。

代わりに保証会社を利用し、保証料を支払う必要がありますが、保証人を立てずに済むことにメリットを感じる人もいるでしょう。

長期の借入ができる

金融機関によって異なりますが、不動産担保ローンは、35年間など長期の借入が可能です。無担保ローンだと、そこまでの長期の借入は難しく、最長でも10年程度となっています。

返済期間を長く取ることで、毎月の返済額の負担を減らせる点がメリットです。

不動産担保ローンでお金を借りるデメリット

不動産担保ローンでお金を借りるデメリットは、以下の通りです。

  • 手数料が高い傾向がある
  • 万が一のときのリスクが大きい
  • 審査が入念で時間がかかる

手数料が高い傾向がある

不動産担保ローンでかかる手数料は、以下の通りです。

  • 不動産を評価するための費用
  • 事務手数料
  • 印紙代
  • 登記費用

担保となる不動産を評価するための費用をはじめ、不動産担保ローンを利用する際の事務手数料、そして契約するときには金銭消費貸借契約書に貼付する印紙代が必要です。

登記費用には、登録免許税や、司法書士への報酬が含まれます。

借入金額が高額になると、印紙代や登録免許税も高額になります。

万が一のときのリスクが大きい

不動産担保ローンを利用している間に、返済が困難な状態になったときには、最終的には担保として提供している不動産を手放さなければならなくなります。金融機関が、担保となっている不動産を売却し融資額の回収に充てるためです。

もちろん、返済が滞ったからといってすぐに売却されるわけではなく、督促など、一定の手順を経たうえで行われます。返済が厳しくなったときには、まずは不動産担保ローンを利用している金融機関に相談しましょう。

審査が入念で時間がかかる

不動産担保ローンでは、申し込み者の属性などから返済能力を審査するだけでなく、担保となる不動産の価値を審査する必要があります。そのため、申し込んでから融資が実行されるまでに時間がかかります。

また、融資金額が高額になるケースが多いため、返済能力の審査も慎重に行われます。

申し込みから融資実行までの期間は金融機関によって異なりますが、早ければ1~2週間、長いところでは1ヵ月以上かかるところもあります。

不動産担保ローンの審査基準

不動産担保ローンの主な審査基準は、以下の通りです。

  • 収入
  • 信用情報
  • 勤続年数
  • 年齢
  • 現在の借入状況

収入

融資した額を毎月きちんと返済できるかを収入で判断します。

金融機関は無理なく返済できるように、返済負担率も審査します。返済負担率とは、年収に対する年間の返済総額が占める割合のことです。返済負担率が30%を超えると、ローン破綻のリスクが高まるといわれています。

返済負担率が30%を超えるようなら、借入金額を少なくするようにしましょう。

信用情報

不動産担保ローンにかかわらず、融資の申し込みを受けた金融機関は必ず信用情報機関に照会をかけます。

信用情報機関には、申し込み情報や利用情報のほか、延滞や債務整理などの信用事故情報が登録されています。信用事故情報が登録されていた場合、審査に通ることは難しくなります。

内容によって異なりますが、信用事故情報は5~10年間登録されます。そのため、過去に延滞や債務整理などを行ったことがあるなら、その登録が消えるまでは各種ローンの申し込みは避けるのが賢明です。

勤続年数

勤続年数も返済能力を判断する際の重要なポイントです。返済能力の判断には、「安定した収入が継続してあること」が求められます。そして、勤続年数が長いほど、今後も安定した収入が得られると判断されます。

ただし転職した直後だと、今後も転職を繰り返す可能性や、一時的に収入がなくなる可能性があると判断され、審査に不利になります。

不動産担保ローンを申し込むなら、転職直後の申し込みは避け、できれば勤続年数が2~3年以上経過してから申し込むようにしましょう。

年齢

不動産担保ローンの申し込み条件には年齢の基準が設けられています。申し込み時と完済時の年齢基準を満たさなければなりません。年齢の基準は、不動産担保ローンを提供する金融機関によって異なります。

高齢だと、申し込み時の年齢基準を満たさない可能性があります。また、返済期間によっては完済時年齢の基準を満たすことができず、結果として不動産担保ローンの利用ができなくなります。

そのため、申込時の年齢から完済時年齢までの返済期間を確認したうえで、無理なく返済できる借入額を設定する必要があります。

現在の借入状況

他社での借入残高によっては、これ以上の借入を行うと返済が困難になると判断される可能性があります。申し込み前にできるだけ返済し、借入残高を少なくしておきましょう。

不動産担保ローンとリバースモーゲージを比較

不動産を担保にしてお金を調達する方法としては、ほかにリバースモーゲージがあります。リバースモーゲージでは自宅を担保に借入を行い、生存中は利息のみを返済します。そのうえで、自分が亡くなったときに担保である自宅を売却して返済する仕組みです。

両者の違いについて、下表にまとめます。

不動産担保ローン リバースモーゲージ
所有権の移動 なし なし
担保の設定 あり あり
年齢条件 契約時年齢および完済時年齢が決まっている 高齢者に限定されている
収入条件 安定かつ継続した収入 年金収入のみでも可能
勤続年数 長いほど有利 問われない

どちらも借入を行う点や、担保が設定される点は共通ですが、どちらかというとリバースモーゲージは老後の生活資金を必要としている人に向いています。

不動産担保ローンは資金使途が原則として自由ですので、事業用資金としても利用できます。

あわせて読みたい

詳しい不動産担保ローンについては、おすすめの不動産担保ローン10選!審査が通りやすくなるポイントで詳しく解説しています。

ローンが組めない場合はリースバックも検討しよう

高齢のため不動産担保ローンが利用できないなら、リースバックの利用も検討してみましょう。

リースバックとは、自宅を不動産会社に売却して売却資金を一括で得たあと、賃貸契約を結び、賃料を払うことで売却した自宅に住み続けられる仕組みの資金調達方法です。

リースバックでは、所有権が買主に移転するため、その後の固定資産税や維持費用などの負担から逃れられるというメリットがあるほか、売却時の契約によっては将来買い戻すこともできます。

リースバックには年齢の制限がありません。一時的に自宅を売却するけれど、これまでと同じ生活スタイルを維持したい人や、借入した資金を自由に使いたい人に向いています。

ただし、支払い賃料の合計額が数年で売却価格を上回るなどトラブルも多いのがリースバックの実情です。そのため、利用を検討する際は不動産会社や金融機関など、複数の事業者に相談することをおすすめします。

まとめ

家を担保にしてお金を借りる方法には、不動産担保ローンのほか、リバースモーゲージやリースバックがあります。不動産担保ローンでは高額な借入が可能ですが、その分審査が厳しい傾向にあります。また、年齢によっては利用できない可能性も考えられます。

借入した資金をどのように使いたいか、また家の所有権をどうしたいかによって、利用すべき方法は異なります。特に不動産担保ローンでは、最悪の場合不動産を手放すことにもなりないため、利用する際には無理なく返済できる額を借り入れるよう心がけましょう。

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