住宅の購入・建築には、大きな資金が必要ですが、国や自治体からの補助金や各種優遇制度を活用することで、費用を抑えてマイホームを手に入れることが可能です。数十万~100万円以上の大きな節約につながる可能性もあるため、住宅取得時にはチェックが欠かせません。
この記事では、住宅の取得に活用できる補助金や税制優遇制度、新築時に使える優遇制度について解説します。
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
住宅の購入・建築には、大きな資金が必要ですが、国や自治体からの補助金や各種優遇制度を活用することで、費用を抑えてマイホームを手に入れることが可能です。数十万~100万円以上の大きな節約につながる可能性もあるため、住宅取得時にはチェックが欠かせません。
この記事では、住宅の取得に活用できる補助金や税制優遇制度、新築時に使える優遇制度について解説します。
新築住宅購入時に使える補助金・助成金・給付金は、以下の一覧の通りです。
補助金制度名 | 概要 | 補助金限度額 |
---|---|---|
こどもエコすまい支援事業 | 子育て世帯向けの補助金 | 新築住宅:最大100万円 リフォーム:最大60万円 |
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス補助金 | ZEH住宅の新築・購入者向けの補助金 | ZEH:55万円 ZEH+:100万円 次世代ZEH+:100万円 |
地域型住宅グリーン化事業 | 地域の工務店で省エネ住宅を建てる人向けの補助金 | 長寿命型認定長期優良住宅:140万円 ゼロ・エネルギー住宅型(長期対応):150万円 高度省エネ型認定低炭素住宅:90万円 |
LCCM住宅整備推進事業 | 省エネ住宅(低炭素化住宅)を建てる人向けの補助金 | 140万円 |
こどもエコすまい支援事業は、2050年のカーボンニュートラル実現を目的とし、子育て世帯・若者夫婦世帯などの住宅費用を支援する事業です。
同事業は、省エネ住宅の新築や、既存住宅の省エネ化リフォームを対象としています。ZEHとは、「Zero Energy House(ゼロエネルギーハウス)」の略です。
補助金の対象者 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
---|---|
補助される金額上限 | 新築住宅:最大100万円リフォーム:最大60万円 |
申し込み方法 | 建築・リフォームを担当するハウスメーカーや事業者を通じて実施 |
申込期限 | 2023年12月31日 |
公式HP | https://kodomo-ecosumai.mlit.go.jp |
申込期限は2023年末までですが、予算上限に達した時点で終了します。利用予定であれば早期に申請しましょう。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス補助金は、以下の住宅への補助金制度です。
ZEH支援事業、ZEH+支援事業、次世代ZEH+実証事業の3種類があります。
補助金の対象者 | 一定のZEH基準を満たした新築住宅を建築(購入)する人 |
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補助される金額上限 | ZEH:55万円+α ZEH+:100万円+α 次世代ZEH+:100万円+α |
申し込み方法 | 「戸建ZEH補助金申請ポータルサイト」を利用した電子申請 |
申込期限 | 2023年11月10日 |
公式HP | https://sii.or.jp/meti_zeh05/zeh_plus/public.html |
申請にはZEHの要件を満たすだけでなく、登録されているZEHビルダー・プランナーが設計、建築、販売していることも必要です。
地域型住宅グリーン化事業は、省エネルギー性能や耐久性が高い木造住宅の整備と、それに伴う三世代同居への対応等を支援するための事業です。
補助金の対象者 | 地域の工務店で省エネ住宅を建てる人 |
---|---|
補助される金額上限 | 長寿命型認定長期優良住宅:140万円 ゼロ・エネルギー住宅型(長期対応):150万円 高度省エネ型認定低炭素住宅:90万円 |
申し込み方法 | 応募システムより事業者が電子申請 |
申込期限 | 2023年6月2日(※) |
公式HP | http://chiiki-grn.jp/ |
(※)2023年度は受付終了。2024年度以降は未定だが継続される可能性もあるので要確認
補助を受けるには、国に採択されたグループに属する事業者に建築してもらう必要があります。
LCCM住宅整備推進事業は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた、住宅の脱炭素化推進を目的とする事業です。脱炭素化住宅である「LCCM住宅」の整備を、補助の対象としています。
LCCM住宅とは、「ライフ・サイクル・カーボン・マイナス」住宅の略です。住宅のライフサイクルである「建築・運用・廃棄」を通じて、CO2の収支をマイナスにする住宅を指します。
補助金の対象者 | 脱炭素化住宅「LCCM住宅」を新築した人 |
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補助される金額上限 | 140万円 |
申し込み方法 | デジタル庁が運営する補助金の電子申請システム「jGrants」を通じて申請 |
申込期限 | 2023年9月29日 |
公式HP | https://lccm-shien.jp/ |
新築住宅購入時に使える税制優遇制度としては、以下が挙げられます。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅を建築、取得、増改築などをした場合に、所得税の控除を受けられる制度のことを指します。概要は以下の通りです。
控除金額 | 長期有料住宅・低炭素住宅:35万円 ZEH水準の省エネ住宅:31万5000円 省エネ基準適合住宅:28万円 上記以外:21万円 |
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申請方法 | 管轄の税務署へ確定申告 |
申請期限 | 入居翌年の2~3月中旬まで |
適用条件 | (新築住宅の場合) ・減税を受ける人自身が工事完了から6ヵ月以内に入居 ・その年の合計所得額が2000万円以下 ・対象住宅が床面積50㎡以上 ・床面積の2分の1以上が自身の居住用 ・居住用にした年とその前後2年ずつ(計5年)に税制に関する特例の適用を受けていない |
住宅取得資金などの贈与税の軽減とは、住宅取得のための資金を直系尊属(両親や祖父母)から贈与される際の非課税枠のことです。通常は贈与額の非課税枠は110万円ですが、住宅取得のための贈与であれば、以下の通り非税枠が増額されます。
非課税金額 | 省エネ住宅:1000万円まで 上記以外:500万円まで |
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申請方法 | 管轄の税務署へ確定申告 |
申請期限 | 入居翌年の2~3月中旬まで |
適用条件 | ・直系尊属からの贈与である ・贈与を受けた翌年の3月15日までに資金を住宅取得に充てる ・贈与を受けた翌年の12月31日までに居住する ・贈与を受けた人がその年の1月1日の時点で18歳以上である ・贈与を受けた人のその年の合計所得額が2000万円以下である |
住宅に対する不動産取得税には、以下の通りさまざまな軽減措置が用意されています。
軽減額 | 新築住宅:評価額を1200万円軽減(認定長期優良住宅の場合は1300万円) 住宅用の土地:評価額が2分の1になり以下のいずれか高い額が軽減される ・(1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2)×(住宅の床面積※×2)×3% ・4万5000円※1戸につき200㎡が上限 |
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申請方法 | 管轄の税務署へ書類を提出 |
申請期限 | 不動産取得後20~60日以内 |
適用条件 | (新築の場合) ・土地取得後3年以内に住宅を新築する ・住宅の新築までその土地を継続的に所有している ・住宅新築から1年以内にその住宅の土地を取得している |
登録免許税とは、不動産取得時に必要な登記の際にかかる税金のことです。一定の条件を満たす住宅取得においては、登録免許税が軽減されます。軽減税率は、ケースによってさまざまです。
軽減率 | 新築住宅の保存登記:0.4%→0.15% 土地売買による所有権の移転:2.0%→1.5% 抵当権の設定登記:0.4%→0.1% |
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申請方法 | 登記手続き時に証明書を提出 |
申請期限 | 新築購入後1年以内 |
適用条件 | ・自己居住用の住宅である ・床面積50㎡以上である |
新築住宅の固定資産税が、一定期間減額されます。
軽減金額 | 新築一戸建て:3年間は2分の1(認定長期優良住宅は5年間) 新築マンション:5年間は2分の1(認定長期優良住宅は7年間) |
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申請方法 | 管轄の税務署へ必要書類を提出 |
申請期限 | 建築翌年の1月31日まで |
適用条件 | 専用住宅:床面積が50㎡以上280㎡以下 併用住宅:居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下 |
家を新築したときには、以下の優遇制度を活用できます。
フラット35では、省エネルギー性や耐震性などを備えた住宅の取得にあたって金利優遇制度を提供しています。国が定める長期優良住宅の基準や、ZEHの基準をクリアしている住宅が主な対象です。
引き下げ額は、以下の通りです。
名称 | 金利引き下げ期間 | 金利引き下げ幅 |
---|---|---|
フラット35S | 金利Aプラン:当初10年間 金利Bプラン:当初5年間 |
0.25% |
フラット35S(ZEH) | 当初10年間 | 当初5年間:0.50% 6~10年目:0.25% |
フラット35リノベ | 金利Aプラン:当初10年間 金利Bプラン:当初10年間 |
金利Aプラン:0.50% 金利Bプラン:0.25% |
フラット35地域連携型 | 子育て支援:当初10年間 地域活性化:当初5年間 |
0.25% |
フラット35地方移住支援型 | 当初10年間 | 0.30% |
フラット35維持保全型 | 当初5年間 | 0.25% |
火災保険には、さまざまな保険料軽減制度が用意されています。軽減内容や条件は、保険会社によって異なります。
主な軽減制度は、以下の通りです。
地震保険では、耐震性能に応じた優遇制度を設けています。「住宅品質確保促進法」にて定められている3段階の耐震等級に対し、それぞれ以下の割引が適用されます。
住宅を取得するにあたっては、さまざまな補助金・優遇制度を活用できます。近年では省エネルギー基準を満たす住宅への補助金制度が豊富に用意されているため、条件を満たせるなら積極的に活用するのがおすすめです。
申し込み期間が決まっている制度も多いため、最新情報をチェックしてお得にマイホームを手に入れましょう。
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