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派遣社員でも住宅ローンに通った例はある?通りやすくするポイントや資金計画の注意点

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

住宅ローンを組みたいけれど、派遣社員なので審査に不安があるという人もいるのではないでしょうか。せっかく計画を立てても、住宅ローンの審査に通らなければ家を建てることは困難です。

この記事では、派遣社員でも借りられる住宅ローンがあるのか、審査で重視される項目や審査に通りやすくするポイントなどを解説します。派遣社員で住宅ローンを検討している人は参考にしてください。

派遣社員でも住宅ローンに通る可能性はある

住宅ローンは借入額が高額であることや、借入期間が長期になるケースが多いことから、自動車ローンなどほかのローンに比べて審査が厳しい傾向にあります。

特に、返済能力についてチェックされるので、有期雇用である派遣社員は正社員よりも不利とされています。金融機関によっては、そもそも派遣社員を対象としていないケースもあります。

ただし、派遣社員でも住宅ローンを借りられる可能性はゼロではありません。最近ではローン商品の種類が増えたり、働き方が大きく変わったりしたことで、雇用形態を重視しないローンも登場しており、実際に派遣社員で審査に通った例もあります。

住宅ローンで重要視される審査基準

一般的に、住宅ローンの審査基準で重要視される項目は以下の通りです。

  • 年齢
  • 職業
  • 年収
  • 借入・返済状況
  • 信用情報

年齢

住宅ローンの最長借入期間は35年が一般的で、ほかのローンと比べても長期間の借入になるのが特徴です。そのため、年齢は重視され、若いほど審査に通りやすくなります。

住宅ローンには完済時の年齢制限や、申し込み時の年齢にも制限があるケースがほとんどです。例えば、三菱U F J銀行の住宅ローンの場合、「借入時18歳以上70歳の誕生日まで、完済時に80歳の誕生日まで」という年齢条件があります。

年齢が上がるにつれて審査が厳しくなり、借入可能額が下げられるケースも考えられます。

職業

継続的な収入が見込める職業であるかどうかも、重要な審査項目です。金融機関としては長期的に返済してもらう必要があるため、安定した職業ほど審査で優遇されます。

公務員や大企業の正社員など、収入が安定している職業であれば審査に通りやすいです。一方、派遣社員や自営業者などは収入が不安定とみなされ、審査に通りにくい傾向があります。

ただし、職業の条件は金融機関によって差があり、派遣社員でもローンが組めるケースもあります。

年収

年収は、住宅ローンを借りる際に特に重視されます。年収が高いほど返済能力が高いとみなされるので、借入可能額も高くなるでしょう。

審査に通る年収の下限は約300万円が目安です。なお、住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」によると、フラット35を契約した人のうち22.2%は年収400万円未満です。

借入・返済状況

ほかに借入がある場合は、審査の際に確認されます。年収に対するローンの年間返済額が占める割合である「返済比率」などを中心にチェックされます。

借入状況はローンだけでなく、クレジットカードの分割払いやリボ払いの状況も審査対象です。

信用情報

信用情報とは、クレジットカードやローンなどの利用履歴に関する情報です。金融機関は、住宅ローンの審査の際に信用情報を照会し、判断材料にしています。過去に滞納や支払遅延などの経験がある場合、信用情報にそのことが記録されるので、ローンの審査は通りづらくなるでしょう。

仮に信用情報に問題がある場合でも、延滞などの事実があったときから5年程度でその記録は消えます。信用情報は自分でも確認できるので、心配な人は各信用機関に問い合わせてください。

派遣社員が住宅ローンに通りやすくするためのポイント

派遣社員が住宅ローンに通りやすくなるためのポイントは、以下の通りです。

  • 勤続年数はできるだけ長くしてから申請する
  • 頭金を多めに用意して借入額を減らす
  • 雇用形態を限定していない住宅ローンを選ぶ

勤続年数はできるだけ長くしてから申請する

勤続年数は長いほど安定しているとみなされ、返済能力を示す項目として重視されます。

勤続年数をアピールしたいのであれば、最低でも勤続1年以上は必要でしょう。これは派遣社員に限らず、正社員でも同様です。勤務を始めてから日が浅いのにローン審査を申し込んでも、安定した収入があるとはみなされない可能性が高いです。

勤続年数が短い場合、しばらく同じ職場で働き続けてから申し込む方が審査に通りやすくなるでしょう。

頭金を多めに用意して借入額を減らす

頭金を多めに用意できれば、その分だけ借入額を減らすことができます。返済負担が軽減されることに加えて、審査にも通りやすくなります。

借入額を抑えられれば、派遣社員でも審査に通る可能性が高まります。頭金を多めに用意したり、購入プランを見直したりして借入額を抑えるようにしましょう。

雇用形態を限定していない住宅ローンを選ぶ

金融機関によっては、融資条件が「正社員や契約社員」となっており、派遣社員を対象としていないケースがあります。

例えば、新生銀行では、融資条件の1つに「前年度税込年収が300万円以上の正社員または契約社員であること」と明記されています。

こうした条件のある金融機関だと、どれだけ年収が高く、無理のない返済計画を立てたとしても、派遣社員というだけで融資してもらえません。借入を希望する銀行のローンが派遣社員を対象としているかどうか確認しましょう。

派遣社員の住宅ローン借入可能額と返済額シミュレーション

審査に通ると、年収に応じて借入可能額が決まります。

年収ごとの借入可能額と、月々の返済額の目安は以下の通りです。

住宅ローンの借入額・返済シミュレーション(金利1.7%、35年)
年収 借入可能額(上限) 月々の返済額
150万円 880万円 2万7814円
200万円 1180万円 3万7296円
300万円 1770万円 5万5945円
400万円 2760万円 8万7236円
500万円 3940万円 12万4533円
出典:三井住友銀行「新規借入シミュレーション

住宅ローンの返済額を把握できる「住宅ローンの返済額早見表」をご紹介します。エクセルのシミュレーションテンプレートを使えば、毎月の返済額や利息額を簡単に確認できます。

派遣社員はより慎重な資金計画が必要

派遣社員でも条件次第では審査に通ることはあります。ただし、派遣社員の場合、いつ雇用契約を打ち切られるかわからないため、住宅ローンを借りると大きなリスクを抱えることになります。

そのため、借りられる上限額まで借りるのは避けた方が賢明です。できるだけ頭金を多く用意して借入額を減らし、返済計画を慎重に立てる必要があります。

資金計画や将来必要になるお金については、自分だけで情報を集めようとしてもなかなか難しいのが現実です。お金に関する不安がある場合は、お金の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)へ相談してみてもよいでしょう。

FPへの相談はこちらから可能です。

まとめ

派遣社員は住宅ローンの審査に通りにくい傾向がありますが、条件次第では正社員と同じように借入できる可能性もあります。

住宅ローンを無理なく返済していくためには、できるだけ頭金を多く用意して借入額を抑えたり、綿密な返済計画を立てたりすることが重要です。必要に応じてFPなどの専門家に相談してもよいでしょう。

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