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家を建てる費用の平均は?土地あり・なしでどれだけ変わる?

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

「家を建てるにはどのような費用がかかるの?」「予算がどれくらいあれば家を建てられるの?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。家を建てる前に、具体的な予算や家のグレードをイメージすることは大切です。

本記事では、家を建てるためにかかる費用の詳細や、予算ごとの建築イメージを詳しく解説します。

家を建てるのにかかる平均費用

2022年に行われた住宅金融支援機構の調査をもとに、住宅の購入価格の相場をまとめました。

購入する物件 全国の購入価格相場
マンション 4528万円
土地付き注文住宅 4455万円
建売住宅 3605万円
土地なし注文住宅 3572万円
中古マンション 3026万円
中古戸建 2614万円
出典:住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」(以下同)

土地付き注文住宅の相場は4455万円です。これに対して、建売住宅は3605万円となっており、注文住宅と建売住宅で850万円の差があります。

ただし、これはあくまでも全国的な相場であり、エリアによって費用は大きく異なります。

家を建てるのにかかる費用はエリアによって異なる

土地なし注文住宅のエリアごとの購入価格相場は、以下の通りです。

地域 費用(土地なし)
首都圏 3899万円
近畿圏 3778万円
東海圏 3650万円
その他の地域 3372万円
全国 3572万円

家を建てるのにかかる費用は、エリアによって異なります。都市部や人口密集地帯では土地代が高く、建築費用も高い傾向にあります。

上表を見ると、首都圏は3899万円で、全国平均との差は327万円です。「その他の地域」と比較しても527万円の差があり、地方や人口の少ない地域ほど価格を抑えられることがわかります。

家を建てるための予算を考える際には、地域の相場価格を考慮したうえで見積もりを行うことが大切です。

土地あり・なし別の家を建てる費用

注文住宅の価格を土地あり・土地なしで比較した結果は、下表の通りです。

地域 注文住宅(土地なし) 注文住宅(土地あり)
首都圏 3899万円 5133万円
近畿圏 3778万円 4658万円
東海圏 3650万円 4379万円
その他の地域 3372万円 3980万円
全国 3572万円 4455万円

土地の購入費用の有無によっても、住宅の購入価格は大きく異なります。また、エリアごとに差額が異なり、地価が高い首都圏では1200万円以上の差があります。

家を建てるために必要な費用の内訳

家を建てるために必要な費用は、大きく分けて次の2種類があります。

  • 建築に必要な費用
  • 土地の購入に必要な費用

建築に必要な費用

家の建築に必要な費用は、主に以下の通りです。

本体工事費 ・建物の施工にかかる費用
別途工事費 ・外構工事費(庭、駐車場、塀など)
・地盤改良工事費・屋外給排水工事費
地鎮祭の費用 ・玉串料・施工会社へ支払う準備費
・挨拶回りの手土産代

家を建築する際には、本体工事費のほかにも付帯工事費や地鎮祭の費用がかかります。特に、付帯工事費は本体工事費とは別途請求なので、見落としがちです。

例えば、庭などの外構工事には以下が含まれます。

  • 駐車場の舗装・設置
  • 庭木や芝生の植栽
  • 門扉や塀の設置

検討段階で、これらの工事費用も併せて見積もることが大切です。

土地の購入に必要な費用

土地の購入に必要な費用は、以下の通りです。

  • 土地代:広さやエリアによる
  • 手付金:土地代の10%
  • 不動産売買契約の印紙代:一般的には1万円程度
  • 仲介費用:土地代金の3~4%程度が目安

土地の取得費用は地域や立地条件、土地の広さなどによって大きく異なります。エリアごとの土地付き注文住宅の土地取得費用相場は以下の通りです。

  • 首都圏:22201万円
  • 近畿圏:1693万円
  • 東海圏:1274万円
  • その他の地域:912万円
  • 全国:1445万円

家を建てるときにかかる税金

家を建てるときには工事費や土地代のほかにも、各種税金が課せられます。具体的にかかる税金は次の通りです。

  • 登録免許税:不動産登記の手続きを行う際に課される
  • 不動産取得税:不動産を購入したり、家を建てたりした際に課される
  • 固定資産税:土地や建物などの所有者が、毎年市町村に支払う
  • 都市計画税:都市計画事業に充てるためのもの

費用別!建てられる家の広さや間取りをチェック

費用に応じて、建てられる家の広さや間取りが変わってきます。また、先述したように土地代の有無によっても費用は大きく異なります。

ここでは、費用別に建てられる家の広さや間取りを紹介します。なお、本体工事費に加えて別途工事費を含んだ金額、土地代は除いた金額で解説します。

1000万円台で建てられる家

1000万円台で建てられる家の特徴は、以下の通りです。

  • 間取り:間仕切りが少なく、壁面積が狭い
  • 内装:規格化された内装が多い
  • 外装:凸凹が少なくシンプルな作り
  • 外構や植栽:必要最低限
  • 坪数:20坪後半?30坪前半

費用が1000万円台の場合、外観や間取りがシンプルな家となります。凸凹や間仕切りが多いと壁面積が増えて建材のコストが上がるため、なるべくシンプルな構造が求められるでしょう。

建材や設備もグレードを落とすことで予算内に収めるなどの工夫が必要になります。

また、庭などの外構は最小限に抑えることも検討してください。外構は後からでも変更できます。数年単位で計画したり、DIYで行ったりするなどの工夫が大切です。

2000万円台で建てられる家

2000万円台で建てられる家の特徴は、以下の通りです。

  • 建物の間取り:シンプルで凸凹の少ない間取り
  • 内装:室内の間仕切りが少ない
  • 外装:シンプルな内装
  • 外構や植栽:取捨選択する必要がある
  • 坪数:30坪前半~30坪後半

予算2000万円の場合は、予算1000万円よりもこだわった家づくりが可能です。優先すべき項目をハッキリさせて予算を組むことで、ある程度は希望が叶えられるでしょう。

例えば、建物の内装や外装にこだわるなら坪数は抑えてバランスを取ることなどが挙げられます。すべての希望を叶えようとする予算オーバーになってしまうため、バランスを考えて取捨選択することが大切です。

3000万円台で建てられる家

3000万円台で建てられる家の特徴は、以下の通りです。

  • 建物の間取り:凸凹のあるデザインも可能
  • 内装:ある程度こだわった内装を実現できる
  • 外装:ある程度こだわった外装を実現できる
  • 外構や植栽:家の建築と同時に完成形を目指せる
  • 坪数:30坪後半~40坪前半

予算3000万円台は、注文住宅の購入価格の全国平均「3572万円」に近い金額です。キッチンやバス周りの設備をグレードアップしたり、延べ床面積を広くしたりして、ある程度自由度の高い家づくりが可能です。

また、2000万円台までの住宅は外構の優先度を下げざるを得ませんが、3000万円以上になると外構にも予算を割けるようになるでしょう。

5000万円台で建てられる家

5000万円台で建てられる家の特徴は以下の通りです。

  • 建物の間取り:デザイナーズ住宅のような凝った間取りも可能
  • 内装:高額な建材の利用も可能
  • 外装:全面タイル張りなどの高額な外観も可能
  • 外構や植栽:デザイン性の高い外構も実現できる
  • 坪数:十分な余裕があり、40坪以上の住宅も可能

これらをすべて行うのは難しいですが、ある程度は実現可能です。建物の形状もL字やコの字など自由度が高く、こだわりの家を建てられるでしょう。

また、予算が5000万円台の場合、以下のような設備を取り入れることもできます。

  • ゲストルーム
  • 防音設備
  • エレベーター

理想的な家を建てるためのポイント

理想的な家を建てるためには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。

  • 優先順位を明確にする
  • 小さなスペースを最大限利用する
  • 自分でできることは自分で行う

優先順位を明確にする

1つ目のポイントは、優先順位を明確にすることです。注文住宅は間取や設備などの自由度が高い点がメリットですが、希望を詰め込みすぎると費用が高額になってしまいます。

大まかな予算が決まったら、以下のように希望の項目を考えてみてください。

  • 耐震性
  • 子どもの成長を考えて部屋数を確保する
  • 駐車場

これらの希望を優先度別に分類すれば、かけるべき費用が明確になるでしょう。

小さなスペースを最大限に利用する

2つ目のポイントは、小さなスペースを有効活用することです。予算が限られて坪数を十分に確保できない場合でも、スペースを有効活用すれば、広く感じられるでしょう。例えば、以下のような方法があります。

  • 床面積を取らずに壁面を利用した収納を作る
  • 窓を大きくして自然光を取り入れることで広く見せる
  • 仕切りを減らして広い空間を作り、圧迫感を減らす

坪数が少なくても工夫次第では広く見せることが可能です。ハウスメーカーなどとも相談しながら、より面積の広い住宅を目指してください。

自分でできることは自分で行う

3つ目のポイントは、自分でできることは自分で行うことです。予算や優先順位によっては費用を抑えなければならない部分もあります。

そこで、簡単な比較的簡単な工事は自分で行い、費用を抑えることも1つの方法です。例えば、以下のようなことは自分でもできる可能性があります。

  • 外構工事
  • 床のオイル塗装
  • 収納の制作
  • 壁のクロス張り

特に、庭などの外構工事は初心者でも始めやすく、多少仕上がりが雑でも目立ちづらいのがメリットです。また、DIYをした箇所には愛着もわきやすくなります。最近はDIYの製品や情報も充実しているので、できそうなところは自分で作ってみることをおすすめします。

まとめ

家を建てる際の費用は、各エリアの土地代、工事費、税金などの要素で決まってきます。予算内で希望の家を建てるためには、希望する条件を考え、優先順位を決めることが大切です。

記事で紹介した予算ごとの建設イメージを参考にして、理想の家の建築に向けて計画を立ててみましょう。

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