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住宅ローンの借り換えで固定金利に変更するメリットは?おすすめランキングも紹介

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

住宅ローンを借り換える大きなメリットは、返済総額を減らせることです。金利の種類は大きく分けて「変動金利」と「固定金利」があり、どちらに借り換えたほうがよいか気になる人も多いでしょう。

この記事では、住宅ローンを借り換える際に固定金利を選ぶメリットやデメリット、固定金利が低いおすすめの住宅ローンを紹介します。住宅ローンの借り換えで悩んでいる人は参考にしてください。

住宅ローンの固定金利とは

住宅ローンの金利は、大きく分けて「固定金利」と「変動金利」があります。固定金利は一定の利率で金利が固定されますが、変動金利は市場金利の動きに応じて金利が変動します。

固定金利と変動金利のメリットとデメリットを確認しましょう。

メリット デメリット
固定金利 ・金利が固定されるため、金利上昇のリスクがない
・返済計画が立てやすい 
・変動金利に比べて金利が高い
・市場金利が下がっても、支払額が下がらない
変動金利 ・固定金利に比べて金利が低い
・金利が下がれば、返済額が減少する
・市場金利が上がると、適用金利も上がり、月々の返済額が高くなる・返済計画を立てにくい

固定金利は、返済計画を正確に立てたい人や、金利上昇のリスクを避けたい人に向いています。また、金利動向の確認が面倒な人にもおすすめです。

住宅ローンの固定金利の種類

住宅ローンの固定金利には、「全期間固定金利型」と「固定金利期間選択型」の2種類があります。全期間固定金利型は、借入から完済まで、ずっと金利が一定です。固定金利期間選択型は、ある期間を定めてその期間中に限り金利が一定です。

それぞれのメリット・デメリットを確認しましょう。

メリット デメリット
全期間固定金利型 ・金利上昇のリスクがない
・返済計画を立てやすい
・固定金利期間選択型より金利が高い
固定金利期間選択型 ・固定期間が短いほど金利が低くなる
・固定期間中の金利は全期間固定金利型より低い
・金利の固定期間が終了し、金利の種類を選び直すとき、金利の変動リスクがある

全期間固定金利型

全期間固定金利では、借入当時の金利が完済まで続きます。そのため、契約時に利息込みの返済総額が把握できます。また、毎月の返済額が変わらないので、家計の管理がしやすい点もメリットです。

デメリットとしては、「変動金利型」や「固定金利期間選択型」と比べて金利が高い点が挙げられます。市場金利が下がった場合、返済総額が変わらない点もデメリットといえます。金利上昇のリスクを避けたい人、返済額を一定に保ちたい人におすすめです。

固定金利期間選択型

固定金利期間選択型は、5年や10年など、期間を設定し、その間金利が変動しないタイプです。金利の固定期間中は月々の返済額は一定となります。また、金利は全期間固定金利より低いです。

固定期間が終了すると、再度金利の種類を選び直します。このときの適用金利は、固定期間終了時点の金利で、借入当時の金利ではありません。

変動金利の場合、大幅な市場金利の上昇があったとき、毎月の返済額の上昇幅が125%を超えてはいけないというルールが適用されます。しかし、固定金利期間選択型から変更する際は、上記のルールは適用されません。

そのため、固定期間が終了した際に、大幅な金利上昇があった場合、毎月の返済額が大幅に上昇する可能性があります。

借入から一定期間は返済額を安定させたい人や、固定期間中に繰り上げ返済で住宅ローンを完済できる見込みがある人に向いています。

固定金利に借り換えるメリット

固定金利に借り換えるメリットは以下の通りです。

  • 将来的な金利上昇のリスクがなくなる
  • 返済計画が立てやすい

変動金利は、景気や物価の影響を受けて変動し、5年ごとに返済額が見直されます。

金利が上昇すれば返済金額が増加する可能性があります。もちろん、変動金利が将来的に上昇しない可能性もありますが、絶対の保証はありません。

その点、固定金利は、金利上昇のリスクがないので安心です。また、毎月の支払額が固定されるため、家計の管理がしやすくなるのも固定金利のメリットです。

住宅ローンの借入期間が長く、借入期間中の金利上昇のリスクを減らしたい人や、毎月決まった支払いで家計を安定させたい人には、固定金利への借り換えがおすすめです。

固定金利に借り換えるデメリット

固定金利に借り換えるデメリットは以下の通りです。

  • 変動金利より金利が高い
  • 金利が下がった場合でも支払額が変わらない

固定金利は変動金利に比べて金利が高く設定されています。変動金利から固定金利の住宅ローンに借り換えた場合、支払総額は増加する可能性が高いです。

また、固定金利に借り換えると、それ以降は金利が下がっても支払い額が下がることはありません。金利上昇のリスクが避けられる反面、金利が下がった際のメリットが受けられなくなる点は理解しておきましょう。

変動金利から固定金利に借り換えるタイミング

変動金利から固定金利へ借り換えを行う際は、タイミングも重要です。固定金利への借り換えのタイミングは、住宅ローン全体の金利の上昇が予想されるときです。

変動金利は「固定金利よりあとで変動し始める」という特徴があります。そのため、固定金利が上がり始めたら、その後変動金利が上がる可能性があります。固定金利が低いうちに借り換えをすることで、変動金利上昇のリスクに備えることができます。

住宅ローン全体の金利の上昇を予想する方法として、住宅ローン固定金利のベンチマーク(指標)である「10年国債」の金利動向をチェックする方法があります。

金利は通常、長期金利が景気に影響され、短期金利よりも先に変動する傾向があります。住宅ローンにおいては、長期金利が固定金利に、短期金利が変動金利に影響を与えます。

長期金利は10年国債を基準に決まるため、10年国債の金利の動向を見ることが、住宅ローンの変動タイミングの予想に役立ちます。

固定金利の期間を決める際の考え方

固定金利期間選択型の期間は、金融機関によって、2年・5年・10年・20年・30年などから選択することができます。

固定期間が短くなるほど金利は低くなります。反面、固定期間が終われば変動金利への変更、あるいは固定金利期間を選び直す必要があるため、金利上昇のリスクが高くなります。

固定金利期間選択型は、借入額が少ない人や、固定期間内に住宅ローンが完済できる見通しがある人に向いています。あるいは、数年後に子どもが成人して教育費などの負担が減る人や、住宅ローン以外に大きな支出がなく金利が上昇して返済額が増えても問題ない人に向いているでしょう。

全期間固定金利型は、金利が高めなぶん、借入後に金利が上昇するリスクがありません。そのため、借入金額が多い人や、支払う金額を安定させたい人に向いています。

当初10年固定金利の住宅ローンおすすめランキング


当初10年固定金利で、金利が低い住宅ローンは以下の通りです。

1位 ソニー銀行

ソニー銀行の10年固定金利住宅ローンの金利は、業界最低水準の1.045%(※)です。借り換えるメリットとして、団信の手厚い保障があります。

金利を0.1%上乗せすれば、がんと診断されればローン残高が0円になる「がん団信100」を利用できます。上乗せ金利なしを希望するなら、がん診断時にローン残高が半分になる「がん団信50」が利用できます。

また、「ワイド団信」の上乗せ金利が低いこともメリットの1つです。ワイド団信の特徴は、糖尿病や高血圧など健康上の問題を抱えた人でも、一般の団信より加入しやすいことです。0.3%の上乗せ率を設定している金融機関が多いなか、ソニー銀行では0.2%で利用できます。

がんへの保障、ワイド団信の付帯を検討する人におすすめです。

(※)2023年3月1日現在

2位 三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行の10年固定金利住宅ローンの金利は1.08%(※)と業界でも最低水準です。

付帯保障として選べる「7大疾病保障<3大疾病保障充実タイプ>」は保障内容が充実しており、借り換えをするメリットといえます。がんと診断されたとき、脳卒中・急性心筋梗塞で入院したときなど、幅広い状態に対応しています。

また、オンライン受付の場合は一部繰り上げ返済手数料が無料です。繰り上げ返済を予定している人や、万が一の保障も重視したい人におすすめです。

(※)2023年3月1日現在

3位 PayPay銀行

PayPay銀行の10年固定金利住宅ローンの金利は1.210%(※)です。借り換え先として選ぶメリットは、各手続きに手間がかからないことです。

通常、住宅ローンの返済は借入をしている銀行の口座から引き落とされます。PayPay銀行住宅ローンは「定額自動入金サービス(手数料無料)」があるので、メインバンクが他行でも、口座変更などの手間がかかりません。

また、審査はもちろん、書類提出も郵送の必要はなくオンライン上で完結できるので、時間のロスが少ないのもメリットです。早く借り換えたい、手間をかけたくない人におすすめです。

(※)2023年3月1日現在

当初20年固定金利の住宅ローンおすすめランキング


当初20年固定金利で、金利が低い住宅ローンは以下の通りです。

1位 ARUHI

ARUHIは、全期間固定金利「フラット35」のシェアナンバー1の金融機関です。返済期間15~20年の「ARUHIフラット35」で団信に不加入の場合の金利は、1.600%(※)と業界最低水準です。

繰り上げ返済手数料が無料なため、月々の返済を抑えつつ、返済できる余裕ができたら繰り上げ返済したいという人におすすめです。

また、事務手数料は通常「借入金額×2.2%」ですが、Webで借り換えを申し込むと、「借入金額×1.1%」に引き下げられる点もメリットです。

(※)2023年3月1日現在

2位 SBI新生銀行

SBI新生銀行の20年固定金利住宅ローンの金利は、1.50%(※1)と業界でもトップクラスの低さです。事務手数料が一律5万5000円(※2)のため、借り換え時の諸費用を抑えられるというメリットがあります。

保障については、「安心保障付団信」が金利上乗せなしで利用できます。保険期間中に不慮の事故などで介護が必要となった場合(※3)住宅ローン残高が0円になります。交通事故など不測の事態にも備えたい人におすすめです。

SBI新生銀行の住宅ローンについて詳しく知りたい方は、SBI新生銀行の住宅ローンの口コミと評判を参考にしてみてください。

(※1)2023年3月1日現在
(※2)選択する金利タイプ・付帯サービスによって金額が異なる。変動金利(半年型)タイプ<変動フォーカス>は定率型
(※3)公的介護保険制度の要介護3以上、または保険会社所定の要介護状態が180日以上継続した場合

3位 auじぶん銀行

auじぶん銀行の20年固定金利住宅ローンの金利は1.695%(※)です。

住宅ローンとau回線・じぶんでんきをセットで契約した場合は、適用金利引き下げの優遇(合計で最大0.1%)があります。

また、年0.1%の金利上乗せで、団信の「がん100%保障」を付帯することができます。au回線やじぶんでんきのセット契約で最大割引を適用した場合、実質無料で「がん100%保障」を付帯することができます。

さらに、「一般団信」と、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障」は保険料無料です。すべてのケガ・病気で連続31日以上の入院となった場合の「月次返済保障」も受けられます。

(※)2023年3月1日現在

全期間固定金利の住宅ローンおすすめランキング


全期間固定金利(35年固定)で金利が低い住宅ローンは以下の通りです。

1位 りそな銀行

りそな銀行の全期間固定金利(35年固定)住宅ローンの金利は1.465%(※1)です。

借り換えのメリットとして注目したいのが、住宅ローン金利に年0.3%を上乗せすることで「団信革命」に加入できることです。所定の状態(※2)に該当すれば仕事に復帰しても住宅ローン残高が0円になります。

また、自然災害によって自宅に損害を受けたときに備えて、「自然災害サポートオプション」も加入可能です。一定期間分の返済額が払い戻されたり、罹災日時点の住宅ローン残高のうち建物部分の50%相当額が免除されたりといった補償が受けられます(※3)。

さまざまなリスクに備えたい人におすすめです。

(※1)2023年3月1日現在
(※2)3大疾病による所定の状態、病気・ケガによる16の状態、要介護状態
(※3)返済補償型と残高補償型で異なる

2位 ARUHI

ARUHIの「ARUHIフラット35(21~35年)」は団信不加入の場合、金利が年1.67%(※)です。

ほとんどの金融機関では団信の加入が必須とされるため、団信不加入が選択できるのはARUHIの住宅ローンの特徴です。医療保険で備えがあるなど団信の保障は特に必要ない人、月々の負担をなるべく抑えたい人におすすめです。

通常、事務手数料は「借入金額×2.2%」ですが、Webからの借り換え申し込みを行うことで、「借入金額×1.1%」になります。

(※)2023年3月1日現在

3位 みずほ銀行

みずほ銀行の全期間固定金利(35年固定)住宅ローンの金利は1.69%(※1)です。

20歳未満の子どもがいる場合、出産や子どもの入学など、ライフイベントにあわせて毎月の返済額を見直せる「ライフステージ応援プラン(※2)」の手数料が無料になります。

ライフイベントに合わせて返済額を調整できる金融機関は少ないため、みずほ銀行を選ぶ大きなメリットといえるでしょう。

子育て世帯におすすめです。

(※1)2023年3月1日現在
(※2)子育て応援サービスの利用がない場合は、変更手続き1回あたり5,500円。

住宅ローンの固定金利に関するよくある質問

最後に、よくある質問と回答を紹介します。

  • 固定金利の推移は今後どうなる?

    日銀は2022年12月に長期金利の変動幅を±0.25%から±0.5%に拡大し、その影響で各金融機関は2023年1月に固定金利を引き上げています。今後さらに金利が上昇するという見方もあるものの、長期金利は通常、景気が良くなれば上昇し、悪くなれば低下します。

    2023年以降も政策に大きな変更はなく、景気が良くなる見通しは立っていないため、金利が急上昇する可能性は低いと予想されます。

  • 固定金利は何年ならお得になる?

    固定金利の期間は、5年、10年、20年などさまざまですが、それぞれの期間にメリット・デメリットがあるため、一概に「何年がお得」とはいえません。

    例えば、5年以下に設定した場合は、低金利で借入できますが、10年固定など中長期的な住宅ローンと比べて金利上昇のリスクが高くなります。

    自分の状況やライフプランに合った固定金利期間を選ぶことが重要です。

まとめ

住宅ローンの借り換え先に固定金利を選ぶと、「将来的な金利上昇のリスクがなくなる」「返済計画が立てやすい」などのメリットがあります。一方、「変動金利より金利が高い」「金利が下がった場合でも支払額が変わらない」といったデメリットがあります。

固定金利の住宅ローンへの借り換えを検討する際は、金利の低さだけでなく、団信保障の内容や諸費用の負担の少なさなども比較して、自分に合った商品を選ぶことが重要です。

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