審査が甘い住宅ローンはある?審査基準や選び方、審査に通りやすくするポイント

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

住宅ローンを選定するにあたって「さまざまな種類があって、何を選べばよいか分からない」「審査に通るか不安」といった不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、審査に通りやすい住宅ローンの特徴や、審査に通りやすい人の特徴などを解説します。自分に合った住宅ローンを選択する際の参考にしてください。

審査に通りやすい住宅ローンの特徴

住宅ローンを契約する際は、必ず審査があります。審査基準を満たさないと住宅ローンを契約することはできません。

残念ながら、誰も確実に審査に通る住宅ローンはありません。ただし、契約者の状況によっては通常よりも通りやすい住宅ローンはあります。

審査に通りやすい住宅ローンの特徴は、以下の通りです。

  • 金利が高い
  • 金利に幅がある
  • 地方銀行・信用金庫の住宅ローン

金利が高い

金利が高めに設定されている住宅ローンの場合、比較的、審査基準が甘い傾向があります。住宅ローンを提供する金融機関側からすると、高金利のローンは融資の回収スピードが速いといったメリットがあるためです。

審査基準だけで考えるのであれば、高金利の住宅ローンはおすすめといえるかもしれません。

金利に幅がある

金利に幅を持たせてある住宅ローンも、比較的、審査に通りやすいといえます。金利に幅があるということは、申込者の状況に合わせて、金利の高低を調整できるということです。審査に不安があるなら、金利に幅のある住宅ローンに狙いを絞ってみてもよいかもしれません。

地方銀行・信用金庫の住宅ローン

住宅ローンは事業の特性上、高い利益を見込むことができます。そのため、金融機関にとっては利用してほしいローンの1つです。

しかし、地方銀行や信用金庫は大手のメガバンクを比較すると、住宅ローンの申し込みをする人が少ないため、審査基準を甘めに設定している場合があります。審査に不安がある人にとっては狙い目かもしれません。

住宅ローンの審査に通りやすい人の特徴

住宅ローンの審査に通りやすい人の特徴は、以下の通りです。

  • 信用情報に傷がない
  • 勤続年数が3年以上
  • 安定した雇用形態
  • 無理なく返せる返済額
  • 健康である
  • 定年前に完済予定

信用情報に傷がない

信用情報に傷がない状態であることは、住宅ローンの審査で重要なポイントです。例えば、クレジットカードや公共料金の滞納など、過去に支払いでトラブルを起こした履歴があると、住宅ローンの審査に通らない可能性があります。

住宅ローンの審査を通りやすくしたい場合は、日ごろの支払いを漏れなくしっかりと行っておくことが重要です。

勤続年数が3年以上

勤続年数の長さも重要なポイントです。勤続1年未満では安定した収入があるとはいえず、審査に通らない可能性が高まります。

安心して住宅ローンの審査にのぞめる勤続年数として、おおむね3年以上を目安にしてください。

安定した雇用形態

安定した雇用形態で働いている人も、審査に通りやすい人の特徴の1つです。雇用形態は収入の安定性と密接に結びついており、収入の安定性は返済への信用につながります。

たとえば、固定収入がある正社員と比べると、アルバイトや派遣社員といった非正規雇用は失業の可能性が高く、収入の安定性に欠けると判断されてしまいます。

健康である

身体的に健康である点も、審査に通りやすくするためには必要な要素の1つです。返済者が持病などにより、健康に問題を抱えている場合、返済能力に問題があると判断されてしまいます。

一方、大きな疾病などなく、健康体で働いている場合は、返済能力があると判断されます。

定年前に完済予定

定年前に完済できるかどうかも、住宅ローンの審査を通りやすくする要素の1つです。住宅ローンの審査では完済時の年齢が若ければ若いほど通りやすい特徴があります。

これは、定年後は収入減が避けられず、年齢と共に死亡リスクも高まるためです。結果として、完済時の年齢が高いと、審査に通りづらくなる可能性があります。

完済時の年齢まで考慮して、無理のない返済計画を立てることが重要です。

フラット35は審査が甘い?

フラット35とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携している長期固定金利の住宅ローンのことです。

ほかの住宅ローンと比べると、フラット35は比較的審査が甘いとされています。フラット35の審査基準は、次の通りです。

  • 年齢:申し込み時に満70歳未満
  • 年収:400万円未満/400万円以上
  • 返済負担率:30%以下(年収400万円未満の場合)/35%以下(年収400万円以上の場合)

年収が400万円に満たない場合でも返済負担率30%以下で借りることが可能で、かつ審査基準の中には「勤続年数」が含まれていません

フラット35を提供している住宅金融支援機構では、「住宅金融市場での安定的な資金供給を支援」することを目的としています。

「より多くの国民がマイホームを持てるように支援すること」に重きを置いているため、ほかのローンと比べると審査に通りやすくなっているといえます。

勤続年数が短い人や給与が歩合の人はネット銀行の住宅ローンがおすすめ


勤続年数が短い場合や、歩合制で給料を貰っている人の場合、ネット銀行が提供している住宅ローンがおすすめです。

ネット銀行の住宅ローンは、審査基準に「勤続年数を含まない」としていることが多い傾向があります。勤続年数が短い人でも、他の審査基準をクリアできれば借入がしやすいかもしれません。

また、ネット銀行は窓口を設けておらず、書面上で審査を行います。収入の安定性よりも年収額を重視する傾向があるため、給与が歩合制で月収にバラつきのある人でも審査に通る可能性があります。

審査に通りやすくするポイント

住宅ローンの審査に通りやすくするポイントは、以下の3点です。

  • 頭金を用意して借入希望額を抑える
  • 無理がなく短めの返済計画を立てる
  • 他の借入を整理・返済する

頭金を用意して借入希望額を抑える

頭金を用意しておくことは、借入希望額を抑えることに加え、収入を証明するために重要です。

頭金で支払ったぶん、金融機関からローンとして借りる額を少なく抑えることができます。また、頭金を用意できる時点で「一定の収入がある」という信用も得られます。

住宅ローンの審査に確実に通りたいのであれば、できる限り頭金を用意しておくのがおすすめです。

無理がなく短めの返済計画を立てる

住宅ローンでは事前に返済計画を立てますが、無理がない範囲で短めの返済計画に設定することで、住宅ローンの審査に通りやすくなる可能性があります。

月々の返済額を減らすために返済期間を長くする場合もありますが、できるだけ短期間で完済する計画を立てる方が審査には通りやすくなります。

ほかの借入を整理・返済する

住宅ローン以外の借入も事前に整理、返済しておきましょう。住宅ローン以外に複数の借入があったり、返済が進んでいなかったりすると、審査に通りにくくなる可能性があります。

また、利用していないカードローンなどの契約の有無も審査に影響があります。事前にローン関係の契約を確認し、利用していない契約があれば解約しておきましょう。

まとめ

だれでも確実に審査に通る住宅ローンはありません。

しかし、「金利が高い」「金利に幅がある」住宅ローンは、比較的審査に通りやすい傾向があります。また、利用者の少ない地方銀行や信用金庫の住宅ローンを選択するのも一つの方法です。

さらに、住宅ローンの審査に通りやすくするためには、「頭金を用意して借入希望額を抑える」、「無理なく短めの返済計画を立てる」、「ほかの借入を整理・返済する」ことをおすすめします。

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