「社会人でも教育ローンは借りられるの？」「社会人が教育ローンを利用する際の注意点やポイントは？」ローンの利用を検討している人の中には、このように考えている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、社会人が利用できる教育ローンと、キャリアアップやスキルアップの際に利用できるローン、社会人が教育ローンを利用する際の注意点などを紹介します。
教育ローンは社会人でも借りられる？社会人が教育ローンを利用する注意点や選び方を紹介
執筆者：マネーFix 編集部
2023-05-18
2024-07-01
【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー（FP）として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
社会人がキャリアアップのために使えるローンの種類
社会人がキャリアアップのために大学に通い直したり、資格取得のためのスクールに通ったりする場合に活用できるローンがあります。ローンの種類と、それぞれの用途は、次の通りです。
- 教育ローン：大学、大学院
- 多目的ローン：通信講座、資格スクール
社会人になってから教育ローンや多目的ローンを利用する際は、契約者自身に安定した収入が必要です。そのため、通学のために退職・休職などする場合には、ローンを組めない可能性が高くなることは覚えておきましょう。
教育ローン
教育ローンは学生しか使えないと思っている人もいるかもしれませんが、社会人でも一定の条件を満たすことで借りられる可能性があります。社会人になってから教育ローンを利用する場合は、基本的に学校教育法で定められている大学や大学院に通学することが必要です。
教育ローンは国の教育ローンと民間の教育ローンに分けられますが、それぞれの特徴は以下の通りです。
| 国の教育ローン | 民間の教育ローン | |
|---|---|---|
| 運営元 | 日本政策金融公庫 | 銀行、信用金庫、JAなど |
| 借入金額 | 10万～350万円(一部450万円) | 10万～1000万円（500万円超は医学部、歯学部、薬学部に限る） |
| 金利相場 | 1.95% | 0.9～2.9% |
| 返済方法 | 元利均等返済 | 元利均等返済 |
| ローンの返済期間 | 最長18年 | 1～10年 |
| 条件 | ・融資対象となる学校に入学・在学する ・世帯年収（所得）が一定の金額以内 |
・借入時点の年齢が満18歳以上で、最終返済時の年齢が満70歳未満 ・安定継続した収入のある個人 ・保証会社の保証が受けられる人 |
国の教育ローン
国の教育ローンとは、国が貸付を行う教育ローンのことです。国が指定する金融機関を通じて申し込みを行い、必要な書類を提出することで教育ローンを利用できます。
国の教育ローンは、一般的には大学や大学院などに在籍する学生が利用する制度です。社会人でも所得について一定の要件を満たすことで利用できます。
国の教育ローンは2023年3月時点で金利が1.95%で、上限額は通常は350万円ですが、一定の要件を満たすことで450万円となります。
国の教育ローンについては『国の教育ローンの利用条件や審査基準』で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
民間の教育ローン
民間の教育ローンとは、大学や専門学校などの教育費用を支払うために、金融機関が提供する教育ローンのことです。国の教育ローンとは異なり、金利や返済期間、借入上限額などは金融機関ごとに異なります。
例えば、横浜銀行の教育ローンは金利が最大2.9%（2023年3月時点）で、借入上限額は一定の要件を満たすことで1000万円となります。
銀行の教育ローンについて詳しく知りたい人は、『おすすめの教育ローンランキング』を参考にしてみてください。
多目的ローン
多目的ローンなら、資格スクールや専門学校など教育ローンの対象でない用途でもローンを組むことができます。契約者が自由に使途を決めることが可能で、汎用性の高いローンといえるでしょう。
ほかにも、新婚旅行や家具の購入、結婚式の費用など、突発的に大きな出費が発生する際など、さまざまな目的に利用できます。
ただし、多目的ローンは教育ローンよりも金利が高い傾向があります。返済計画をしっかりと立て、利用目的に見合った金額を借りることが重要です。
多目的ローンについて詳しく知りたい人は、『目的ローンとは｜多目的ローンやフリーローン・カードローンとの違いを比較』を参考にしてみてください。
社会人が教育ローンを選ぶときのポイント
社会人が教育ローンを選ぶときのポイントは、以下の3つです。
- 借入の方法
- 金利のタイプ
- 申し込みが簡単かどうか
借入の方法
社会人が教育ローンを選ぶときの1つ目のポイントは、借入の方法です。借入の方法には、決まった金額をまとめて一括で借入をする「一括借入」と、上限額内であれば自由に引き出しが可能な「カードローンタイプ」があります。
それぞれのメリット・デメリットは、以下の通りです。
| 一括借入 | カードローンタイプ | |
|---|---|---|
| メリット | ・一括返済もできる ・利息が低く、返済総額が小さくなる ・審査が早く、即日融資も可能 |
・希望の金額を自由に借りることができる ・返済期間を長く設定できる ・急な出費にも対応できる |
| デメリット | ・希望の金額を借りられない場合がある ・返済期間が短く、返済負担が大きい |
・利息が高く、返済総額が大きくなる ・使いすぎると、返済が困難になる可能性がある ・審査に通過するまでに時間がかかることがある |
こんな人におすすめ- 一括借入：入学金などまとまった費用が必要
- カードローンタイプ：学期ごとに不足分を支払いたい
金利のタイプ
社会人が教育ローンを選ぶときの2つ目のポイントは、金利のタイプです。金利のタイプには固定金利と変動金利があります。
それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
| 固定金利 | 変動金利 | |
|---|---|---|
| メリット | ・返済計画を立てやすい ・金利上昇のリスクを回避できる |
・固定金利より返済総額を抑えられる可能性がある ・金利が下がったら返済額が下がる |
| デメリット | ・変動金利より金利が高い ・途中解約すると違約金が発生する場合がある |
・返済計画通りいかないことがある ・金利上昇のリスクがある |
こんな人におすすめ- 固定金利：返済額を一定にしたい
- 変動金利：低金利で返済を開始したい、余剰資金がある
申し込み方法
社会人が教育ローンを選ぶときの3つ目のポイントは、申し込み方法です。色々な方法がありますが、多忙な社会人にとっては時間を取られない方法が望ましいでしょう。
Web、郵送、来店での申し込みについて、それぞれのメリットを紹介します。
Web申し込み
- PCやスマホから手続きができるため、外出中や通勤中にも申し込みができる
- 24時間申し込みができる
郵送申し込み
- 金融機関に足を運ばなくても、書類を送付するだけで申し込みが完了する
来店申し込み
- 必要書類に不備がないかその場で確認してもらえる
- 窓口で担当者に相談しながら申し込みができる
こんな人におすすめ- Web申し込み：窓口に行く暇がなく、なるべく手早く申請したい
- 郵送申し込み：窓口に行く暇がないが、スマホやPCの操作が苦手
- 来店申し込み：借入にあたって不安や相談したいことがある
教育ローン選びで迷ったらクラウドローン
クラウドローンとは、複数の金融機関からプランの提案を受けることができるサービスです。基本情報や希望条件を登録することで、条件に合った提案を受け取れます。
クラウドローンを利用することで、比較検討の時間を大幅に削減でき、自分に合ったローンを利用できる可能性が高くなります。教育ローン選びで迷ったら、クラウドローンで借入可能額を無料診断するのがおすすめです。
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社会人が教育ローンを利用するときの注意点
社会人が教育ローンを利用する際の注意点は、以下の2つです。
- 教育ローンは使用用途がある程度限定されている
- 安定した収入があることが重要
教育ローンは使用用途がある程度限定されている
社会人が教育ローンを利用するときの1つ目の注意点は、使用用途がある程度限定されていることです。教育ローンは教育に関する費用を支払うために使用されます。
具体的には、大学や専門学校の授業料、入学金、教材費、宿泊費、交通費、食費などに使用可能です。
また、留学や語学学校の費用、資格試験の受験費用、PCやそのほかの学習機器の購入費用などにも支払うことができます。ただし、専門学校や資格取得のスクールで使えるかどうかは申し込む期間によって変わってくるため、事前に確認するようにしましょう。
安定した収入があることが重要
2つ目の注意点は、安定した収入が必要なことです。教育ローンを組むと毎月一定の金額を返済する必要があります。そのため、金融機関は申込者の返済能力を確認して、問題ない場合にのみ貸付を行います。
キャリアアップの通学のために休職したり退職したりすると、収入面での不安要素が生じるため、審査に通過しづらくなります。退職して大学に通い直す場合には、教育ローンだけでなく奨学金も視野に入れましょう。
まとめ
社会人がキャリアアップのために大学に通い直したり、資格取得のためのスクールに通ったりする場合に利用できるローンを紹介しました。教育ローンは国の教育ローンと民間の教育ローンに分けられ、社会人でも一定の条件を満たすことで利用可能です。また、自由に使途が決められる多目的ローンを活用する方法もあります。
教育ローンの借入は一括借入とカードローンタイプがあります。固定金利か変動金利かも重要です。ローンを組む際には返済能力が必要なので、通学のために休職・退職すると審査に通りにくくなります。