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教育ローンと奨学金の違いは?併用しても問題ない!

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

大学進学のための教育資金調達方法として、奨学金や教育ローンがあります。「奨学金と教育ローンは重複して利用できるの?」「どうやって使い分ければいい?」など、疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

奨学金制度と教育ローンは、用途や借りるタイミングによって使い分けます。

この記事では奨学金制度と教育ローンの概要について解説するとともに、どちらを選ぶべきなのか、また選ぶ際のポイントについても紹介します。

奨学金と教育ローンを両方借りた場合のシミュレーションも紹介するので、利用を検討している人はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 教育ローンと奨学金の違い
  • 教育ローンと奨学金どちらを選ぶべきか
  • 教育ローンを選ぶ際のポイント

教育ローンと奨学金の違いを比較

教育ローンと奨学金は、どちらも学生が学業に必要なお金を調達する手段です。ただし、教育ローンと奨学金にはさまざまな違いがあるので、それぞれの特徴をしっかりと理解したうえで利用する必要があります。

教育ローンは親が借入して返済も親が行いますが、奨学金は学生本人が借入して卒業後に返済する点が大きな違いといえるでしょう。

教育ローンと奨学金の違いについて下表にまとめます。

教育ローン 奨学金
借りる人 保護者 学生本人
借り方 一括振り込み 毎月定額振り込み
申請のタイミング いつでも 原則として4~5月
借入できるタイミング いつでも 入学後
審査基準 年収 学力・年収
利息 借りた翌日から発生 在学中は発生しない
返済の開始 借りた翌月から 卒業後から
(※)「国の教育ローン」と「日本学生支援機構の貸与型奨学金」を比較

教育ローンの特徴

教育ローンとは、教育に関する費用を借入するための、目的別ローンの一種です。そのため、借入した費用は教育に関する費用にしか利用できません。ただし目的別ローンのため、利用目的が自由なフリーローンと比べると金利が低く設定されています。

教育ローンは大きく分けて、「国の教育ローン」と「民間の教育ローン」の2種類があります。

国の教育ローン 民間の教育ローン
運営元 日本政策金融公庫 銀行・信用金庫・消費者金融など
借入条件 世帯年収の上限あり 世帯年収の上限なし
金利 年利2.25% 年利1~5%程度
借入上限額 原則350万円 金融機関によって異なる

奨学金は学習する意欲と能力があるにもかかわらず、経済的な理由で進学を断念することがないように支援する制度です。そのため、所得制限が設けられているほか、進学する本人の成績も審査されます。

教育ローンは、金融機関の申し込み条件に該当し、審査に通れば利用できます。また、使い道が幅広く設定されているため、奨学金に比べると利用しやすいメリットがあります。

奨学金は卒業後から返済が始まるのに対し、教育ローンは原則として借入した翌月から返済が始まります。また、審査においては借入する人の返済能力をチェックするので、収入や信用情報によっては申し込めない、もしくは審査に通らない可能性があります。

国の教育ローン

国の教育ローンとは、日本政策金融公庫が行っている「教育一般貸付」のことで、民間の教育ローンと比べて低金利で借りられるメリットがあります。

ただし、申し込みにあたっては所得基準を満たさなければならず、所得が高いと利用できない可能性があります。

国の教育ローンは低所得世帯や一人親家庭に向けた金利優遇が設けられており、福祉的な要素が強い点が特徴です。借入上限額は1人あたり350万円と低いものの、要件を満たせば450万円まで拡大されます。

民間の教育ローン

国の教育ローンは固定金利ですが、民間の教育ローンは金融機関によって変動金利タイプや固定金利タイプが用意されています。また一般的に、国の教育ローンより金利が高いものの、借入できる金額が大きい点が民間の教育ローンの特徴です。

さらに、使用使途についても幅広く設定されており、入学金や学費のほか、自宅外通学の際の下宿費用や、学習塾代や習い事にかかる費用にも利用できます。

また、一括で借入する方法と、利用上限額が決まっており、その範囲内で必要な時に必要な金額を借入する方法があります。

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奨学金の特徴

奨学金とは、進学する意欲そして能力があるにもかかわらず、経済的な理由で進学の機会を断念することがないように、進学および在学中にかかる費用を給付もしくは貸与する制度です。

代表的なものに、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金がありますが、ほかにも自治体や大学独自の奨学金制度、財団が運営している奨学金もあります。

奨学金は教育ローンと異なり、学生本人が申し込んで借入する点が特徴です。そのため、学生本人が卒業後に利息とあわせて返済しなければなりません。

ただし、所得基準や学力基準を満たせば給付型の奨学金を受け取ることもでき、給付型であれば返済の必要はありません。また、貸与型の奨学金についても、返済の際に適用される利息は、教育ローンに比べて低く設定されています。

日本学生支援機構の奨学金

日本学生支援機構の奨学金には、返済義務のない給付型と返済義務のある貸与型があり、貸与型は無利息の第一種奨学金と有利息の第二種奨学金に分けられます。

給付型奨学金と貸与型奨学金は併用することもできます。第一種奨学金と第二種奨学金との併用も可能です。ただし、給付型奨学金と第一種奨学金の併用の場合は、第一種奨学金の貸与額が制限される点に注意が必要です。

奨学金の種類 給付型奨学金 第一種奨学金 第二種奨学金
返済義務 なし あり あり
利息 なし あり
借入限度額 月7万5800円 月6万4000円 月12万円

奨学金は一括で受け取るのではなく、入学後毎月指定された口座に振り込まれる仕組みです。奨学金によって受け取れる金額は、進学先が私立か国公立か、また自宅通学か自宅外通学かによって異なります。

大学の奨学金

大学によっては、独自に奨学金制度を設けているところもあります。金額や申し込み条件などは大学によって異なるので、自分が進学しようと思っている大学に奨学金の制度があるかどうかを確認しておきましょう。

また、大学によっては入学試験の成績優秀者に対し、入学金や在学中の授業料を免除する制度を設けているところもあります。入学時だけでなく、在学中も、条件を満たすことで給付や貸与を受けられるケースもあるので、条件を満たすなら申し込んでみることをおすすめします。

自治体の奨学金

自治体によっては、独自の奨学金制度を設けているところもあります。給付額は自治体によって異なり、1万円の自治体もあれば5万円程度の自治体もあります。また、進学先が私立か国公立か、学部はどこかによって給付金額が異なるケースもあります。

自治体の奨学金は、原則として所得基準や学力基準を満たさないと受けることができません。さらに、その自治体に住んでいることを条件としているところもあります。申し込み条件をしっかりと確認したうえで申し込むようにしましょう。

その他の奨学金

ほかにも、民間の支援団体や財団などが奨学金制度を設けています。

例えば、「キーエンス財団」では、低所得世帯に毎月10万円の給付を行っているほか、「G-7 奨学財団」では約120名程度の学生に対し、年間120万円を上限とした助成を行っています。新聞奨学生制度も有名です。

ただし、民間の支援団体や財団が行う奨学金は募集人数が少ないうえに、地域が限定されたり、学習に対する意欲を問うための面接があったりするなど、利用できる人が限られます。

民間の奨学金については、給付型奨学金一覧で紹介しています。

教育ローンと奨学金の使い分け方

ここでは、教育ローンと奨学金をどのように使い分ければよいのか説明します。

使い分けのポイントは、お金を受け取るタイミングです。教育ローンと奨学金はお金を受け取るタイミングが異なります。

  • 教育ローン:審査に通ったあとに受け取り
  • 奨学金:学校に入学してから受け取り

お金が必要になるタイミングはいつ?

お金が必要になるタイミングによって、教育ローンを利用するか奨学金を利用するかが異なります。

具体的には、入学前に必要な費用が不足しているなら教育ローンの利用がおすすめです。入学後に必要な費用が不足しているなら奨学金の利用を考えるようにしましょう。

入学前に必要な費用が不足している場合

奨学金を受け取れるのは入学してからです。そのため、入学までに支払う必要のある受験費用や入学金、前期の授業料などは、奨学金以外の手段で調達しなければなりません。貯蓄や学資保険などで賄えれば問題ないですが、不足する場合は教育ローンの利用も考えましょう。

教育ローンを検討するにあたっては、まずは国の教育ローンへ申し込めるかを確認してみましょう。申し込み条件を満たしているなら、国の教育ローンの方が金利は低くおすすめです。ただし、借入限度額上限が低めに設定されている点には注意してください。

入学後に必要な費用が不足している場合

後期の授業料や教材費用など、入学後に必要な費用が不足しているなら、奨学金と教育ローンのどちらも利用可能です。

奨学金は所得基準と学力基準を満たせば申し込め、返済不要の給付型や無利息の第一種奨学金を利用できれば、卒業後の返済負担も少なくなります。

奨学金だけでは不足する場合は、教育ローンとの併用も考慮しましょう。

誰が返済する?

奨学金と教育ローンのどちらを選ぶかは、誰が返済するかによっても異なります。

奨学金の場合

奨学金は、学生本人が借入し、卒業後に返済する仕組みです。学生本人に返済の負担をかけたくない場合は、教育ローンを選ぶことをおすすめします。

教育ローンの場合

教育ローンは、親が借入して、親が返済します。基本的に借入した翌月から返済が始まりますが、在学中は利息だけの返済でよいとする教育ローンもあります。

在学中は色々とお金がかかるため、利息だけの支払い期間が設けられていることはありがたいかもしれませんが、卒業後の返済額が一気に増える点には注意が必要です。

おすすめの使い分け方

教育ローンと奨学金それぞれに向いている人の特徴について紹介します。

教育ローンが向いている人

教育ローンが向いている人は、以下に当てはまる人です。

  • 親に返済能力がある人
  • まとまった費用が必要である人
  • 年収が高く奨学金が条件を満たさない人
  • 学費の高い学校・学科に進学する人
  • 幅広い用途で利用したい人

奨学金は、基本的に教育に関する経済的な困窮を緩和するための制度です。そのため、審査においては所得基準を満たさなければなりません。年収が高い場合は基準に当てはまらず、奨学金を利用できないケースもあるでしょう。

また、教育ローンは奨学金よりも借入上限額が高めに設定されているほか、借入した資金使途も幅広く設定されています。そのため、高額な費用が必要な人や、入学金や授業料以外の費用にも使いたい人に向いています。

奨学金が向いている人

奨学金が向いている人の特徴として挙げられるのは、以下の点です。

  • 金利負担を軽減したい人
  • 親が返済できない人
  • 学業の成績が優秀な人
  • 収入が低く、民間の教育ローンの借入が難しい人

奨学金は所得基準を満たさなければ申し込めないため、低所得世帯や一人親世帯などが利用しやすい仕組みになっています。また、奨学金の返済は学生本人が卒業後に行う必要があります。

進学先別併用シミュレーション

教育ローンと奨学金の併用は可能です。ただし、併用すると借入額が大きくなる可能性があるため、返済負担が無理のないものかどうかしっかり確認するようにしましょう。

私立大学や国立大学の4年制、および2年制の短期大学に進学する際に、教育ローンと奨学金を併用した場合の返済計画について紹介します。

私立大学(文系・4年制)に進学する場合

文系の私立大学に入学し、卒業までにかかる費用の内訳と合計は、以下の通りです。

入学金:22万6000円

授業料:81万5000円×4年=326万円

施設設備費:14万8000円×4年=59万2000円

合計:407万8000円

奨学金が利用できるのであれば、準備するのは入学金と前期の授業料、施設設備費です。前期の授業料を年間の半額と想定すると、入学までに準備する必要がある金額は約80万円です。

仮に80万円を国の教育ローンで借入し、4年間で返済すると仮定した場合、毎月の返済額は1万7800円です。

もし、全額を民間の教育ローンを利用して賄おうとした場合、教材費も含めると約500万円が必要となり、年利1%、返済期間10年で借入した場合、毎月の返済額は4万3802円となります。

国立大学(4年制)に進学する場合

4年制の国立大学に進学する場合の、4年間に必要な費用は以下の通りです。

入学金:28万2000円

授業料:53万6000円×4年=214万4000円

合計:242万6000円

奨学金を使えるなら、必要な金額は入学金と年間授業料の半額の合計である55万円です。55万円を国の教育ローンを利用し、4年で返済する場合の毎月の返済額は1万2300円です。

仮に全額を民間の教育ローンで借入する場合、約250万円の借入が必要です。年利1%で、返済期間10年で計算すると、毎月の返済額は2万1901円になります。

短期大学(文系・2年制)に進学する場合

私立の短期大学に進学する場合、入学から卒業までに必要な金額は以下の通りです

入学金:23万8000円

授業料:72万3000円×2年=144万6000円

施設設備費:16万7000円×2年=33万4000円

合計:201万8000円

奨学金を使えるなら、入学金と年間の授業料の半分、施設設備費の約77万円を準備しなければなりません。これを国の教育ローンを利用して準備した場合、2年間で返済すると仮定すると毎月の返済額は3万4300円です。

進学にかかるお金は、国の教育ローンと日本学生支援機構の奨学金を重複して利用することもできます。

教育ローンを選ぶときのポイント

教育ローンを利用する際には、まとまった金額を借りるケースが多いため、できるだけ金利の低いローンを選ぶことが大切です。返済負担を軽減するために、返済期間が長く設定できる教育ローンを選ぶ方法もあります。

借入方法に一括型とカードローン型が選べる金融機関があるので、使い勝手のよい方を選択しましょう。

教育ローンを借りるなら、なるべく金利が低いローンを探して申し込むのがポイントです。この記事では、教育ローンの賢い借り方について詳しく解説しています。

まとめ

大学進学の際の教育資金の調達方法としては、奨学金もしくは教育ローンの利用が挙げられます。奨学金と教育ローンは重複して利用することができます。

奨学金は経済的な困窮を救済するためのもので、受給するためには所得基準や成績基準を満たす必要があります。また、奨学金は入学してからの受け取りになるため、入学までに必要な費用については別途準備しなければなりません。

教育ローンは、入学前に必要な費用にも使えます。国の教育ローンと民間の教育ローンがあるので、この記事で紹介したポイントを考慮しながら、どちらを選ぶか検討してみてください。

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