主な教育ローンの融資元は、以下の通りです。
- 日本政策金融公庫(国の教育ローン)
- ろうきんの教育ローン
- 銀行の教育ローン
- 信用金庫の教育ローン
- JAバンクの教育ローン
- ゆうちょ銀行の教育ローン
日本政策金融公庫(国の教育ローン)
国の教育ローンは、「日本政策金融公庫」が融資する教育ローンです。教育機会の平等を目的とし、教育に関わるお金を国が直接個人に融資する制度です。
中学卒業以上のさまざまな学校が対象となります。また、受験費用や学費、通学のための定期券など、幅広い用途に対応しています。
- 低所得家庭への優遇あり
- 返済期間は最長18年までと長く、無理のない返済が可能
- 世帯年収が多い場合には利用できないことがある
【融資条件】
教育一般貸付(国の教育ローン)の場合
申し込み条件 |
就学者の保護者・世帯年収(所得)が次の額以下 ・子ども1人:790万円(600万円) ・子ども2人:890万円(690万円) ・子ども3人:990万円(790万円) |
融資額 |
最大350万円まで (要件を満たせば最大450万円まで融資可) |
金利 |
固定金利年2.40% (要件を満たす人は2.00%) |
返済期間 |
最長18年 |
ろうきんの教育ローン
「労働金庫(ろうきん)」は、労働組合(労組)や生活協同組合(生協)などが会員となり出資する非営利組織です。
「団体会員の構成員」あるいは「生協会員の組合員および同一生計家族」が貸付の対象となります。居住地や勤め先の場所によって利用できる「ろうきん」が異なります。例えば関東圏に自宅・職場がある場合は、中央労働金庫を利用することが可能です。
貸付には以下の2タイプがあります。
- 証書貸付型:必要な教育資金を一括融資し、借入日の翌月より元利金を返済する
- カード型:在学期間中は限度額の範囲内で必要なお金を都度借入、その間の返済は利息のみ、在学期間終了後に元利金の返済を行う
借入金は、各教育施設への支払い、受験料や必要な物品の購入に充てることができます。
- 金融機関からの貸付の中では低金利
- 「証書貸付型」と「カード型」の2タイプがある
【融資条件】中央労働金庫の場合
申し込み条件 |
・就学者の保護者 ・ろうきんに出資する団体会員の構成員、もしくは自宅や勤務先がろうきんの事業エリアにある給与所得者 ・勤続年数1年以上 ・安定継続した年収150万円以上 |
融資額 |
2000万円以内 |
金利 |
・団体会員の構成員(固定金利):年0.9~2.9% ・団体会員の構成員(変動金利):年2.2% ・生協会員の構成員(固定金利):年1.1~3.1% ・生協会員の構成員(変動金利):年2.4% ・上記以外の一般勤労者(固定金利):年1.3~3.9% ・上記以外の一般勤労者(変動金利):- |
返済期間 |
15年以内 |
銀行の教育ローン
銀行の教育ローン審査では、安定・継続した年収の実績が求められます。金利はほかの金融機関の教育ローンより高い傾向があります。一方、教育ローンの審査を受ける銀行に口座を持ち、十分な取引実績があれば信用力があるとみなされ、借りやすくなるでしょう。
銀行によってさまざまなプランが用意されているので、時間をかけて比較検討することをおすすめします。
- 安定・継続した年収の実績が求められる
- 返済見込みが十分にあると判断されれば、ほかの教育ローンよりも借りやすくなる
【融資条件】
三菱UFJ銀行「ネットDE教育ローン」の場合
申し込み条件 |
・就学(予定)者の保護者または本人(社会人に限る) ・満18歳以上、完済時満70歳 ・前年度の年収200万円以上 (年金収入のみの場合は不可)・勤続年数1年以上 ・メールアドレスを保有している |
融資額 |
30万円以上500万円以内 |
金利 |
変動金利3.975% |
返済期間 |
6ヵ月以上10年以内 |
銀行の教育ローンを検討するときには、金利や借入可能額、返済方法など、さまざまなポイントを比較することが大切です。
あわせて読みたい
おすすめの教育ローン!借りるならどこがいい?金利や借入可能額を比較
信用金の教育ローン
信用金庫でも、教育ローンを提供しています。信用金庫は、地域に住む人に密着したサービスが特徴で、気軽に相談しやすいという点がメリットです。
居住地によって利用できる信用金庫が異なり、各信用金庫によって利用条件や提供しているサービスが異なります。中には、幼稚園から利用できる教育ローンを提供している信用金庫もあります。
- 各信用金庫によってサービスの幅が異なる
- 信用金庫によっては、幼稚園から利用できる教育ローンなどもある
【融資条件】東京信用金庫の場合
申し込み条件 |
・満20歳以上、完済時満70歳以下で安定継続した収入がある ・しんきん保証基金の保証を受けられる ・信金の営業地区に住まい、勤務先がある |
融資額 |
30万円以上1000万円以内 |
金利 |
固定金利 通常年2.98% (キャンペーンにより最大1.48%まで割引あり) |
返済期間 |
6ヵ月以上16年以内 |
JAバンクの教育ローン
JAグループの金融機関「JAバンク」でも、教育ローンを提供しています。JAバンクは、信用金庫と同様、地域に住む人に密着したサービスが特徴で、気軽に相談しやすい点がメリットです。
また、高校専門学校や大学などへ進学する前に必要な資金や、在学中の授業料や下宿代に必要な資金を借りることができます。
入学金などまとまった額の教育資金を一括融資する「一般型」と、限度額の範囲内で必要なお金を都度借入する「カード型」の、2タイプの貸付を行っています。
なお、融資可能額や金利、申し込み条件などは各JAバンクによって異なるので事前に確認しましょう。
- 各JAバンクによってサービスの幅が異なる
- 「一般型」と「カード型」の2タイプがある
申し込み条件 |
・20歳以上で完済時71才未満 ・前年税込年収200万円以上 ・勤続年数1年以上 ・国の教育ローンの対象校に準ずる |
融資額 |
10万円以上1000万円以内 |
金利 |
年率は店舗で相談 (例:年2.0~3.5%) |
返済期間 |
据置期間を含め最長15年以内 |
ゆうちょの教育ローン
ゆうちょ銀行は、2007年の郵政民営化関連法によって誕生した日本郵政グループの銀行です。2007年以前は旧郵便貯金事業が教育ローンを提供していましたが、民営化に伴い、新たな申し込みの受付を停止しました。
2008年以降、ゆうちょ銀行は住宅ローンなど個人向けのローン業務を開始していますが、2024年8月現在、教育ローンにあたる貸付サービスは行っていません。