学資保険の医療特約は、子どもを守るための保障を追加できるというメリットがあります。しかし、実は「学資保険の医療特約はいらない」と評されることも多いです。その理由は、以下の通りです。
- 自治体の医療費助成で十分なため
- 教育機関で共済制度に加入していることが多いため
- 子どもは入院率が低く入院日数が少ないため
- 学資保険の医療特約は医療保険としては不十分なため
- 学資保険の医療特約を付けると返戻率が下がるため
自治体の医療費助成で十分なため
近年、多くの自治体では子どものための医療費助成制度を用意しています。内容は地域によって異なりますが、例えば「18歳まで医療費無料」「1回あたり500円で受診できる」などです。
助成が手厚い自治体なら、ほとんど医療費がかからずに済むケースもあるでしょう。医療費が高額にならないため、わざわざ医療特約で備える必要はないと考える人が増えても不思議ではありません。
医療特約を検討するときは、まず自分の自治体に助成制度あるのか、どれくらい手厚いのかを確認してみるのがおすすめです。
教育機関で共済制度に加入していることが多いため
子どもは、登校中や部活動中などに怪我をすることもあります。そんなときのために、日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」があります。
災害共済給付制度は、学校(幼稚園等も含む)の管理下にある状況で子どもが負傷したり病気になったりした場合に、保護者が給付金を受け取れる制度です。学校側が保護者の同意を得て契約し、加入率は約95%に上ります。
例えば休憩時間に遊んでいて負傷した、給食で食中毒になった、体育の授業中に熱中症になったケースが対象で、医療費の4割が保障されます。障害状態になったときや死亡時の給付もあります。
この制度にすでに加入している人も多いため、医療特約を追加する必要はないという意見があります。
子どもは入院率が低く入院日数が少ないため
そもそも、子どもの入院率は低く、入院日数も少ないため、医療費がかかりにくい傾向があります。厚生労働省「患者調査の概況」によると、1~19歳の入院率は、全年代平均の10分の1程度です。
また、同調査では、入院する場合の日数は全年代の平均は32.3日でしたが、0~14歳は8.9日、15~34歳は12.2日となっています。
学資保険の医療特約は医療保険としては不十分なため
前述の通り、学資保険の医療特約は入院給付金と手術給付金の2つがメインです。それ以外の保障はない、もしくは少ないことが多いです。一般的な医療保険や共済と比較すると、手薄に感じるかもしれません。
子どもの医療費に対する備えを強固にしたいなら、学資保険の医療特約ではなく、別で医療保険などに加入した方がよいでしょう。
また、学資保険の医療特約は、「学資保険を解約して医療特約だけ残す」ことができません。何らかの事情で学資保険を解約することになった場合、医療に関する保障もなくなってしまう点に注意が必要です。
学資保険の医療特約をつけると返戻率が下がるため
学資保険を選ぶとき、返戻率に注目する人もいるでしょう。
学資保険に医療特約を付けると、返戻率が下がります。なぜなら、医療特約を付けた分、保険料がアップするからです。受け取れる金額が同じなら、支払った金額(保険料)が高いほど返戻率が低くなります。
返戻率を重視したい人にとっては、医療特約は不要と感じるかもしれません。