離婚しても学資保険は解約しない方がいい?勝手に解約されるリスクもある

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

学資保険を契約している人の中には、「離婚したら学資保険の扱いはどうなるの?」「どういった話し合いをすればいいの?」という悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか? 離婚したあとも学資保険を継続する場合、契約者名義を変更する必要があります。

子どもがいる夫婦が離婚をした際、学資保険に加入していた場合は財産分与の対象になります。名義変更を怠ってしまうと、のちにトラブルになりかねません。

この記事では、離婚後の学資保険の扱いや、必要な手続きについて解説します。

この記事でわかること
  • 離婚した場合に学資保険はどうなるのか
  • 離婚した場合に学資保険を解約した方がいいのか
  • 離婚後も学資保険を継続する場合の注意点

離婚したときの学資保険の扱い

子どもを持つ夫婦が離婚したときに問題となることの1つが、離婚後の養育費についてです。子どもの養育費を夫婦でどのように負担するのか、揉めるケースがあります。

離婚する際は、それまで築いてきた夫婦の財産をどのように分配するのか、財産分与によって決めます。財産分与とは、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産をそれぞれの貢献度に応じて分けることです。

財産分与は、離婚によって収入が減る配偶者への生活費の補てんや、離婚の原因となった理由に対する慰謝料などの要素を加味して割合が決まります。

学資保険は財産分与の対象

学資保険は保険契約者が保険料を負担するので、一見、契約者の財産になると思われがちです。しかし、学資保険は財産分与の対象に含まれます。

学資保険の目的は、将来の子どもの教育資金を貯めるための保険です。保険料を捻出しているのは契約者ですが、保険料を捻出するにあたって配偶者の協力が少なからず必要になるため、夫婦の共有財産という扱いになります。よって、契約者名義に関わらず財産分与の対象です。

学資保険が財産分与の対象外になるケースとして、夫婦のいずれかの両親が孫のために学資保険を契約していることがあります。

学資保険は養育費に含まれない

学資保険は養育費に含まれません。学資保険を養育費に含めることで養育費用が減額されてしまう点に、正当な事由が認められないからです。

そのため、養育費とは別で学資保険の扱いをどうするか、取り決めをしておく必要があります。

離婚しても学資保険を継続せずに解約した方がいい?

離婚したら、学資保険を解約して解約返戻金を受け取り、財産分与の割合に応じて分けることもできます。

解約にはメリットもデメリットもあるので、それぞれ把握したうえで決めましょう。

離婚後に学資保険を解約するメリット

離婚後に学資保険を解約するメリットは、現金化されるので分けやすい点です。

また、離婚をすると新しい住まい探しや、それに伴う引越し費用、生活費等何かと現金が必要になります。解約返戻金を受け取れば、そういった費用を賄うことができるでしょう。

離婚後に学資保険を解約するデメリット

学資保険を解約するデメリットとしては、中途解約をしてしまうと、いままで支払った保険料よりも解約返戻金が少なくなる可能性があることです。また、解約したあとに再加入を希望しても、そのときの子どもの年齢や家計状況によっては加入できません。

学資保険を継続する場合は名義変更が必要

離婚後に学資保険を継続する場合、名義変更が必要なことがあります。名義変更の要否は、保険契約者と親権、保険金の受取人によって判断します。

保険契約者と親権および受取人が異なれば、名義変更が必要になります。一方で、保険契約者と親権および受取人が同じであれば、名義変更は不要です。

名義変更をしなかった場合のリスク

離婚後に名義変更の手続きをしなかった場合のリスクを紹介します。

学資保険を勝手に解約される

名義人は親権者の同意なしに学資保険を解約することができます。解約すると解約返戻金を受け取れます。そのため、満期前に解約して受け取った解約返戻金を持ち逃げされるリスクがあります。

正しく振り込まれない

満期のときに保険契約者と受取人が違う場合には、祝い金や満期金を親権者がもらえない可能性があります。

受け取る際に贈与税が発生する 

保険契約者と受取人が異なると、満期で受け取った金額を受取人に贈与したことになります。贈与税の基礎控除となる年間110万円を超えた部分に、贈与税が課税されます

保険料滞納や解約のコントロールができない

保険契約は、保険契約者の意思で解約や保険料の支払方法の変更などができます。

しかし親権者と契約者が異なると、保険契約者の意思で解約されてしまったり、保険料の支払方法を変更されて滞納してしまったりする可能性があります。

学資保険の名義を変更する手順

学資保険の名義変更をする際に必要な書類は、以下の通りです。

  • 保険証券
  • 新たに保険契約者になる人の身分証明書
  • 印鑑
  • 戸籍謄本
  • 保険契約者承継請求書
  • 新契約者の口座振替依頼書

学資保険の名義変更の手順は、以下の通りです。

  1. 保険会社に問い合わせて、名義変更に必要な書類を送付してもらう
  2. 保険契約者承継請求書や口座振替依頼書に記入する
  3. 手続きに必要な戸籍謄本を取り寄せる
  4. 書類の準備が整ったら保険会社に提出する

名義変更する場合は保険料を支払えるか確認

学資保険の名義変更をする際は、まずは保険料の支払いを継続できる見込みがあるか確認しましょう。保険料の支払いが終わる前に保険を解約すると、それまでに支払った保険料よりも解約返戻金が少なくなる恐れがあります。

保険料の支払いが難しい場合は、当初設定していた保険金の金額を引き下げることで、支払う保険料を安くできます。ただし、保険商品によっては最低保険金額があるため、保険金の減額ができない可能性もあります。

離婚による学資保険の取り決めを行うときの注意点

離婚による学資保険の扱いについ、取り決めておきましょう。そのうえで、決めたことを公正証書として形に残しておくことが重要です。口約束だと「いった」「いわない」の論争になりかねません。

公正証書を作成する

公正証書とは、「公証人」と呼ばれる、法務大臣に任命された公務員が作成する公文書をいいます。公正証書には執行力が伴うため、万が一取り決めたことが行われない場合には強制執行できます。

また、作った公正証書は公証役場にて原則20年間保管されるため、偽造される恐れもありません。学資保険を解約されて返戻金を持ち逃げされたり、約束した通りに養育費が支払われなかったりする事態を防ぐためにも、公正証書は有効な手段です。

学資保険の名義と親権者が同一であることを確認する

離婚後も学資保険に継続して加入する場合、必ず保険契約者と親権者が同一になっているか確認しましょう。

異なっていると、税金処理や契約内容の照会、内容変更を自分の意志で行えません。契約者が勝手に解約してしまい、解約返戻金を持ち逃げされてしまうこともあり得ます。

まとめ

子どものいる夫婦が離婚する際の、学資保険の扱いについて解説しました。学資保険は財産分与の対象で、養育費には含まれません。

離婚後も学資保険を継続する場合は、名義変更など必要な手続きを怠らないようにしましょう。手続きをしないことで、満期金を受け取れなくなるなどのリスクがあります。トラブルにならないように事前に話し合いをして、その結果を公正証書に残しておきましょう。学資保険の名義と親権者が同一になっているかも確認するようにしてください。

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