11月1日、小倉将信少子化相は、結婚新生活支援事業(結婚助成金)の条件を、世帯所得400万円未満から500万円未満に緩和する方向で調整していると発表しました。
結婚新生活支援事業は、少子化対策の一環として行われている事業です。
結婚に伴う経済的負担を軽減するため、新生活にかかる費用の一部を地方自治体が支援します。
新居の住宅費や、引越し費用として、新婚世帯が最大60万円の助成金を受け取ることができます。
この記事では、助成金を受け取るための諸条件や注意点について紹介します。
39歳以下の新婚世帯に「最大60万円」の結婚助成金。支給条件の緩和も検討が進む
20代の7割が金銭面に不安
出典:公益財団法人1more Baby応援団「20代の結婚に関する意識調査2022」(以下同)
公益財団法人1more Baby応援団は、既婚者1,238名、未婚者1,240名を対象に「20代の結婚に関する意識調査2022」を実施しました。
調査によると、「日本は結婚し難い社会だと思う」と回答した人が、37.5%と約4割にのぼりました。
(※グラフは「満たしていない」人の割合)
また、全体の71.7%が、結婚するうえで自身が考える金銭面の条件(貯金額、収入等)を満たしていないと回答しています。
金銭面での自己評価が低い20代にとって、助成金によって経済的不安を軽減することは、結婚を後押しする効果が期待できそうです。
結婚新生活支援事業とは?
具体的に結婚新生活支援事業の内容や、助成金を受けるための諸条件を見てみましょう。(2022年11月現在)
※コースは、自治体によって異なります。
厚生労働省の「2021年 国民生活基礎調査」によると、29歳以下の世帯所得の平均は433.1万円です。
世帯所得の条件が「400万円未満」から「500万円未満」に緩和されると、支援を受けられる新婚世帯が増加する見込みです。
助成金の用途は、新居の購入や家賃など、住まいに関することに限定されますが、新生活のスタートを助けてくれる制度といえるでしょう。
結婚助成金を実施しない地域も
婚新生活支援事業は、すべての自治体で実施されているわけではありません。また、年によって各自治体の実施状況が変わります。
そのため、助成金を申請するには、住んでいる自治体の実施状況を確認する必要があります。
例えば、令和4年度、東京都で実施している自治体は青梅市のみです。
大阪市や名古屋市も実施地域ではなく、居住者の多い地域に住む人にとっては、活用する機会がないのが現状です。
令和4年10月1日現在、結婚生活支援事業を実施しているのは、634市区町村です。
自治体のホームページ等で確認してみてください。
- 公益財団法人1more Baby応援団「20代の結婚に関する意識調査2022」