政府は9月9日の「物価・賃金・生活総合対策本部」で、物価高で生活が困窮している世帯への支援策として、1世帯当たり5万円の給付を決定しました。
財源は約9,000億円を見込んでおり、2022年度の予備費から調整すると発表しています。
給付金の対象となる「住民税非課税世帯」に該当する条件や、5万円の支給方法について解説します。
【1世帯5万円】住民税非課税世帯へ給付が決定!対象はどんな人?支給時期は?
給付金の支給対象となる世帯の条件は?
給付金の対象者である「住民税非課税世帯」とは、世帯に属する全員が非課税である世帯です。
- 生活保護を受けている
- 合計所得金額が45万円以下(給与収入のみで100万円以下)
合計所得が45万円を超えていても、扶養親族数によっては非課税になることがあります。
また、前年の合計所得が135万円以下(給与収入のみで204万3,999円、65歳以上は公的年金収入のみで245万円以下)であれば、以下の人も住民税は非課税となります。
- 障害者
- 未成年者
- ひとり親
- 寡婦(夫)
給付金の支払時期や支給される方法は?
9月9日の「物価・賃金・生活総合対策本部」で、岸田首相は年内に給付を進める方向にしていると表明しました。
1世帯当たり5万円の支給方法は「プッシュ型」による支給にする予定です。
プッシュ型とは、給付対象者からの申請が不要で、各自治体から直接支払う制度です。
具体的な支給時期は、各自治体で異なるので、ホームページ等で確認してください。
厚生労働省が調査した「令和3年国民生活基礎調査」で有効回答が得られた5,142万世帯のうち、住民税が課税されている世帯は3,924世帯でした。
有効回答数から住民税課税世帯数を差し引いた件数を非課税世帯数とすると、下表の通りになります。
総数 | 29歳以下 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70~79歳 | 80歳以上 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全世帯 | 5142 | 149 | 354 | 640 | 840 | 1063 | 1317 | 778 |
住民税課税世帯 | 3924 | 114 | 314 | 583 | 753 | 843 | 881 | 435 |
住民税非課税世帯 | 1218 | 35 | 40 | 57 | 87 | 220 | 436 | 343 |
全世帯に占める非課税世帯 | 23.7% | 23.5% | 11.3% | 8.9% | 10.4% | 20.7% | 33.1% | 44.1% |
出典:厚生労働省「令和3年国民生活基礎調査」より作成
住民税非課税世帯は、1218万人で、全世帯に対して23.7%でした。
年齢の内訳をみると、80歳以上の割合が44.1%と最も多く、次いで70代(33.1%)、29歳以下(23.5%)と続きました。
政府の「住民税非課税世帯」を対象とした支援策は、一部で70歳以上への優遇措置ではないかと反発を受けています。
物価高で生活が困窮している世帯は、非課税世帯に限りません。
今後、国民の生活が下支えされる支援策に期待したいです。
出典
- 読売新聞 住民税非課税世帯に5万円給付で調整…政府、物価高騰受け追加対策
- 朝日新聞 住民税非課税世帯に5万円給付へ 物価高対策、予備費の支出を想定
- 武蔵野市役所 税額よくある質問 住民税が非課税になるのはどんな人ですか
- 産経新聞 低所得世帯に5万円 物価対策会議で岸田首相が追加対策決定
- 首相官邸 物価・賃金・生活総合対策本部
- e-Stat 厚生労働省 令和3年国民生活基礎調査