ゴールドカードとは
ゴールドカードとは、その名の通り金色のクレジットカードです。一般的なクレジットカードは青色・緑色・銀色などカード会社によってさまざまな色をしていますが、ゴールドカードはこれらの一般カードのワンランク上に位置しています。
一昔前は、ゴールドカードといえば富裕層向けのカードで、審査も厳しい印象でした。しかし近年では、ゴールドカードの上位ランクとしてプラチナカードやブラックカードが登場したことで、ゴールドカードは年会費の面でも審査の面でも比較的入手しやすくなっています。
クレジットカードの種別による特徴
それでも世間では「8割の人が一般カードを使っている」との調査結果もあるくらいで、ゴールドカードを持っている人はまだまだ珍しい存在です。ゴールドカードは以前より格段に保有しやすくなっているにもかかわらず、世間一般では相変わらず「ゴールドカードを持っている人=ある程度、収入の多い人」というイメージが定着しているようです。
また、ゴールドカードはそのステータス性だけでなく、一般カードにはない特典が数多く付帯されているという点も見逃せません。付帯サービスの利用頻度やカードの年間利用額によっては、ゴールドカードを利用したほうが一般カードを使うよりお得になる場合もありますし、実際に一般カードよりお得だという理由でゴールドカードを利用している人も多くいます。
ゴールドカードのメリットとデメリット
ここで、一般カードとゴールドカードを比較してみましょう。参考として、プラチナカードの情報も載せています。
【カード別】比較表
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一般カード |
ゴールドカード |
プラチナカード |
年会費 |
- 〇
- 無料のものが多い
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- △
- 1万円台のものが多い
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- ×
- 数万円のものが多い
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有料でも多くは1,000円台 |
2,000円~3,000円のものや条件付き無料のものもある |
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海外旅行保険 |
- △
- 利用付帯が多い
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- 〇
- 自動付帯が多い
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- ◎
- 自動付帯が多い
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補償額は低い |
補償額が高い |
補償額が高い |
国内旅行保険 |
- △
- 付帯されていないものが多いが、利用付帯でついているものもある
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- 〇
- 年会費が1万円台のものは自動付帯や自動付帯+利用付帯が多い
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- ◎
- 自動付帯や自動付帯+利用付帯が多い
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年会費が2,000円~3,000円のものは利用付帯が多い |
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ショッピング
保険 |
- ×
- ほぼ付帯なし
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- 〇
- 付帯されているものが多い
|
- ◎
- 付帯されているものが多い
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空港ラウンジ |
- ×
- ほぼ付帯なし
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- 〇
- 国内・海外のどちらかは付帯
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- ◎
- 国内・海外のどちらかは付帯
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特典 |
- ×
- あまりない
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- 〇
- 多くの特典がある
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- ◎
- 多くの特典がある
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利用限度額 |
- ×
- 低い
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- 〇
- 一般カードより高めに設定されている
|
- ◎
- ゴールドカードより高めに設定されている
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年会費が2,000円~3,000円のものは一般カードとさほど変わらない場合もある |
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ポイント還元率 |
- 〇
- ごく普通
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- 〇
- マイルが貯まるカードは自動で還元率が上がるものがある
|
- 〇
- マイルが貯まるカードは自動で還元率が上がるものがある
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自社サイト利用でポイントが大幅にアップするものがある |
自社サイト利用でポイントが大幅にアップするものがある |
審査難易度 |
- ◎
- 通りやすい
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- 〇
- 比較的通りやすい
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- ×
- 厳しい
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多くのカードは学生や主婦も作成可能 |
年会費が2,000円~3,000円のものは、一般カードと変わらないくらい作成しやすいものもある |
インビテーションが必要な招待制のカードも多い |
ゴールドカードのメリット
一通り各カードの特徴を見ていただいたところで、まずはゴールドカードの6つのメリットを紹介していきます。
■世間ではステータス性が高いと認識されている
ゴールドカードは年会費が格安なものも出てきているため、一概にステータス性が高いとは言えなくなってきています。しかし、世間一般では今でも「ゴールドカード=高収入、信頼できる」という認識が根強く残っています。
会社の人と一緒に食事に行ったときなどに、上司の支払い方法をチェックするという人は意外と多いもの。ゴールドカードで支払いをするだけで信頼を得られる面は少なからずあるので、場面に応じてどのカードを使うかというのは一応考えた方がよさそうです。
また、海外のホテルやレストランで支払いをする際にはゴールドカードを利用すると対応が目に見えてよくなることも多くあります。ゴールドカードを持っているということは、それ相応の安定した収入があるとみなされます。きっと相手も「この人は怪しい人ではない」と安心するのでしょうね。
■海外・国内旅行傷害保険やショッピング保険といった付帯保険が充実
ゴールドカードは一般カードに比べて、海外・国内旅行傷害保険やショッピング保険といった付帯保険が充実しています。ゴールドカードを選ぶ人の多くは、この付帯保険を重視しているという調査結果もあります。
一般カードの場合、海外旅行傷害保険は利用付帯で、公共交通機関やツアーの代金などをそのカードで支払った場合のみに保険が適用されます。補償金額も最高1,000万円程度と低めの設定です。また、多くの一般カードには国内旅行傷害保険やショッピング保険が付帯されていません。
一方、ゴールドカードの場合、海外旅行傷害保険は自動付帯であることが多く、カードを持って旅行に行くだけで保険が適用されます。一般カードと比べて、ゴールドカードの補償金額は最高3,000万円~5,000万円と高額になります。
また、多くのゴールドカードには国内旅行傷害保険やショッピング保険が付帯されています。国内旅行傷害保険は、年会費が1万円台のカードに自動付帯または自動付帯+利用付帯、年会費が2,000円~3,000円のカードには利用付帯が多いようです。
よく旅行に行く人、高額商品を買う機会が多い人は、ゴールドカードを持っていると大きな恩恵が受けられます。
■空港ラウンジが利用できる
ゴールドカードを持っていると、国内もしくは海外のどちらかの空港ラウンジが利用できます。空港ラウンジでは無料のドリンクサービスやWi-Fiが利用できたり、アルコール飲料やシャワーの有料提供があったりと、飛行機に乗るまでの空き時間をゆったり過ごせます。
飛行機の利用が多い人にはゴールドカードは重宝するでしょう。どこの空港ラウンジが利用できるかは各カードによるため、申込前に確認が必要です。
■専用カードデスクなど独自の特典が付帯されている
ゴールドカードの多くには、専用のカードデスクが用意されています。各種手続きの際に一般のカードデスクよりも電話がつながりやすいので、「各種手続きは電話で簡単に済ませたい」という人には便利です。
また、なかには旅行の手配やチケット予約、レストランの優待といったサービスが用意されているゴールドカードもあります。
■利用限度額が一般カードよりも高めに設定されている
ゴールドカードは一般カードよりも利用限度額が高めに設定されています。一説には、利用限度額の初期設定は一般カードで20万円~50万円、ゴールドカードで50万円~100万円などとも言われます。
ただし、年会費の安い格安ゴールドカードは利用限度額が一般カードと変わらないものも多いため、過度な期待は禁物です。また、利用限度額はその人の収入や雇用形態、借入・支払い状況などの信用情報にもよるので、最初の限度額が低かった場合は地道に利用実績を積むというのも大事になります。
■ポイント還元率が一般カードより高くなるものがある
一般的なゴールドカードでは、ポイント還元率は0.5%~1.0%に設定されており、一般カードと変わりません。しかし、ゴールドカードのなかには特殊な条件下でポイント還元率が大幅にアップするものがあります。
例えば楽天ゴールドカードは、楽天市場での買い物で5.0%以上と、かなりの高還元率になります。一般カードである楽天カードの場合、楽天市場では3.0%からの還元です。ゴールドカードは一般カードより還元率が2.0%高く設定されているということになります。楽天カードは年会費無料、楽天ゴールドカードは年会費2,200円なので、楽天市場の利用額が年間11万円超の人は、楽天ゴールドカードを選べば年会費の元が取れるうえ、さらにポイント面でお得になります。
また、JALカードやANAカードのようなマイルが貯まるカードも、ゴールドカードを利用したほうがお得になるケースがあります。JALカード、ANAカードとも、一般カードではマイル還元率は0.5%です。これに付加サービスをつけることでマイル還元率を1.0%にすることもできるのですが、この付加サービスは年会費が3,000円~6,000円ほどかかります。しかし、ゴールドカードを選べば付加サービスをつけなくても自動的にマイル還元率が1.0%になります。
ゴールドカードは一般カードよりも年会費がかかるものの、一般カードの種類によっては一般カード+付加サービスの年会費よりゴールドカードの年会費のほうがかえって安くなるケースもあります。さらに、ゴールドカードは独自の特典も豊富なため、飛行機の利用が多い人ははじめからゴールドカードを選ぶのもオススメです。一般カード+付加サービスで運用するのは、どちらかといえば飛行機をあまり利用しない陸マイラー向けと言えるでしょう。
ゴールドカードのデメリット
このようにメリットの多いゴールドカードですが、デメリットも存在します。こちらも簡単に確認していきましょう。
■一般カードより年会費が高い
ゴールドカードの年会費は一般カードよりも高めに設定されています。年会費無料のものが多い一般カードに比べて、ゴールドカードは年会費が1万円程度のものが主流です。
ただし、詳しくは選び方のところで述べますが、ゴールドカードも年会費2,000円~3,000円の格安ゴールドカードや、なかには年会費無料のゴールドカードもあります。
■一般カードより審査が通りにくい
ゴールドカードは一般カードより審査難易度が高く設定されています。しかし、おそらく皆さんが思うほど高くはありません。
現在では、年会費1万円程度のゴールドカードは年収300万円もあれば作れると言われています。さらには格安ゴールドカードであれば、年収100万円程度でも作成可能なものまであります。働いている人であれば、フリーターでも作成可能なゴールドカードが増えてきているので、「ゴールドカードが欲しいけれど、審査に自信がない」という人は格安ゴールドカードから挑戦してみるのもオススメです。
ゴールドカードの選び方のポイント
ゴールドカードはたくさんの種類があるので、どれを選んでいいのかわからないという人も多いかもしれません。そういう場合、まずは年会費や付帯保険、還元ポイント、特典などのうち、自分の重視する点を1、2個決めてから絞り込むといいでしょう。
ゴールドカードは年会費が1万円台のものが主流ですが、最近では年会費が2,000円~3,000円の格安ゴールドカードも増えてきています。楽天ゴールドカードのような格安ゴールドカードは、その分特典も限定されているので、特典重視の人には注意が必要ですが、その点を割り切れる人であれば逆にオススメでもあります。
そして、JCB GOLD EXTAGEや三井住友カードのプライムゴールドなど、20代限定の格安ゴールドカードというものも最近増えており、こちらは通常のゴールドカードとさほど変わらない特典がついているのに年会費が安いため、年齢の条件がクリアできる人にはまず候補に入れたいカードです。
さらには、年会費が無料のゴールドカードというものもあります。例えばイオンゴールドカードは、一定条件を満たしたイオンカードの利用者にインビテーションが届く招待制のゴールドカードですが、年会費が無料です。一説には年間100万円以上の利用でインビテーションが届くとも言われています。
また、エポスゴールドカードは通常年会費5,000円ですが、年間50万円以上の利用で翌年以降の年会費が永年無料になります。また、エポスカード利用者でインビテーションが届いた場合ははじめから年会費永年無料です。とりあえずゴールドカードを持ってみたいという人は、イオンゴールドカードやエポスゴールドカードから始めてみるのもオススメです。
こんな方にはゴールドカードがオススメ
ここまで、ゴールドカードのメリット・デメリットを見てきましたが、簡単にまとめると以下のいずれかに当てはまる人は、ゴールドカードにするとお得になるケースが多いでしょう。
- 海外・国内旅行に行く機会が多い人
- 高額商品を買う機会が多い人
- 一般カードの利用限度額では足りない人
- ステータス性の高いカードが欲しい人
- ポイントをたくさん貯めたい人
ゴールドカードは年会費が1万円程度のものが主流ですが、年会費2,000円~3,000円程度の格安ゴールドカード、さらには年会費無料のゴールドカードもあります。近年ではゴールドカードは比較的作成しやすいカードになってきているので、好みに合わせて気軽に申し込んでみてください。