ポイント還元率についての考え方ですが、例えばポイント1.0%還元のクレジットカードを月10万円使えば、1か月で1,000円分、1年で1万2,000円分のポイントが貯まります。普段の食費や光熱費、家賃などを現金払いからクレジットカード払いにするだけで、かなりのポイントを貯めることも可能です。
|
優待内容 |
レジャー関連 |
- テーマパーク・レジャー施設の入園料
- スパ・温泉の入場料
- 映画館の鑑賞料金
- カラオケルーム利用料金
- 舞台・イベントのチケット料金
- ホテル・旅行・ツアーの利用料金
- ゴルフ場プレー料金
|
生活関連 |
- 飲食店の飲食代金
- 美容院・ネイル・リラクゼーションサロンの施術料金
- レンタカー料金
- 引越料金
|
優待特典は、「クレジットカードを提示するだけで受けられる優待」と「クレジットカード支払いをして受けられる優待」があります。そのため、どのような優待特典があるのかを事前に把握しておくとよいでしょう。
また、クレジットカードを選ぶ際は、普段よく使うお店で優待があるかをチェックしておくとよりお得になります。ゴールドカードやプラチナカードなどの上位カードになると、空港ラウンジや専用デスクの無料での利用、レストラン・旅行サービスの割引など、さらに優待の幅が広がります。
傷害保険などが付帯されている
クレジットカードには保険がついているものがあります。主な保険は紛失盗難保険、海外旅行傷害保険、国内旅行傷害保険、ショッピング保険です。
クレジットカードに付帯する保険の一例
保険種別 |
補償内容 |
紛失盗難保険 |
クレジットカードの紛失・盗難時や不正利用に遭った際に、申告日から60日程度さかのぼって被害金額を補償 |
海外旅行傷害保険 |
海外旅行で使える保険。障害死亡・後遺障害、障害治療費用、疾病治療費用、携行品損害などを補償 |
国内旅行傷害保険 |
国内旅行で使える保険。障害死亡・後遺障害、入院日額、通院日額などを補償 |
ショッピング保険 |
クレジットカードで購入した商品が壊れたり、盗難に遭った際に補償 |
紛失盗難保険は、日本で発行されているほぼすべてのクレジットカードに付帯されていますが、そのほかの保険は、カードによって付帯されているもの、されていないものがあります。
そのため、カードの保険を有効活用したい人は複数枚のカードを保有して、海外旅行には海外旅行傷害保険付きのカード、高額な買い物にはショッピング保険付きのカードと使い分けるのもオススメです。
現金を多く持ち歩くリスクを減らせる
普段はそれほどではなくても、旅行中や高額な買い物の際はまとまった金額が必要になることもあると思います。必要以上の現金がお財布に入っていると「落としたらどうしよう」と不安になる人も多いのではないでしょうか。そういう際にクレジットカードがあると、現金を多く持ち歩くより安全性が高まります。
もし紛失・盗難に遭ったときはカード会社に連絡してカードを停止し、不正使用などの被害があった場合には保険が適用されます。現金の場合は落としたり盗難に遭ったりした際、全く補償が受けられないので、この差は大きいと言わざるを得ません。特に海外旅行では現金をたくさん持つのはリスクが高いので、クレジットカードを活用するのがオススメです。
分割払いを利用できる
クレジットカードは1回払いだけでなく、2回払い、3回払いなどの分割払いや、ボーナス1回払い、ボーナス2回払いといった支払い方法があります。収入や支出の状況に合わせて計画的に利用すると便利です。
ATM手数料や代引き手数料、銀行振込手数料などがかからない
現金払いのみを利用していると、急に現金が必要になったときにコンビニATMを利用するということもあるでしょう。このときかかるATM手数料は数百円程度ですが、積み重なると大きな金額になります。また、ネットショッピングを利用する際に、代引きや銀行振込で支払うと数百円の手数料がかかります。クレジットカードで支払えば、こうした諸々の手数料がかからないためお得になります。
もしもの時にキャッシングが使える
多くのクレジットカードでは、ショッピング枠のほかにキャッシング枠という利用限度額が設定されています。キャッシングとは、現金が必要な時に限度額の範囲内で現金を引き出せるというもの。急に現金が必要になったときに、手続き不要で手持ちのクレジットカードを利用して現金を引き出すことができます。
キャッシング利用分の支払い方法としては、多くのカードで1回払いとリボ払いから選べます。キャッシングをすると15~18%程度の利息がかるので、できるだけ1回払いで支払うようにすると利息を軽減できます。
クレジットヒストリーを積むことができる
「クレジットカードを使い、引き落とし日に支払う」という流れを繰り返していくと、クレジットヒストリーを積むことができます。
クレジットヒストリーとは、いわゆる「信用」のようなもので、過去にクレジットカードやローンを利用した際に、支払いが遅滞なく行われたかどうかといった情報の履歴です。良好なクレジットヒストリーがあると住宅ローンなどの各種ローンを組む際に有利になります。スマホの割賦払いや通信販売の分割払いなどでもクレジットヒストリーを積むことはできますが、クレジットカード利用によるクレジットヒストリーは毎月積んでいけるので有利と言えます。
クレジットカードのデメリットは?-使う上で注意すること-
ここまでクレジットカードのメリットを確認してきましたが、もちろんデメリットもあります。クレジットカードのデメリットについては知らないと不安かもしれませんが、理解してしまえば回避できるものがほとんどです。さっそく確認していきましょう。
年会費がかかるカードがある
クレジットカードには年会費が有料のものと無料のものがあります。それぞれのメリットとデメリットを以下にまとめました。
年会費有料カードと無料カードのメリット・デメリット
|
メリット |
デメリット |
年会費が有料のカード |
- 優待や保険が充実
- ポイント還元率が優遇されていることがある
- ステータス性が高いことがある
|
|
年会費が無料のカード |
|
|
年会費有料のカードは保険が充実していたり、優待が充実していたり、ポイント還元率が優遇されていたり、ステータス性が高かったりといったメリットがあるものの、毎年年会費を支払うことになるため気軽に持つことはできません。
一方、年会費無料のカードは保有するのに一切お金がかからないので、気軽に持てるのがメリットです。ただし、保険や優待は充実していないことが多いので、目的別に「このカードはポイント還元率重視」「このカードは海外旅行傷害保険重視」など複数のカードを持っておくのもオススメです。
限度額の上限に達すると一時的にカードが使えなくなる
クレジットカードには利用限度額が設定されていて、上限に達すると一時的にカードが使えなくなります。指定の引き落とし日に利用額が引き落とされれば、またカードを使えるようになるのですが、気づかないうちに上限に達していてカードが使えなくなるといったことが起こるのはデメリットと言えるでしょう。
このデメリットを回避する方法は3つあります。
まず1つ目は、カード会社に連絡して指定の口座に入金するという方法です。カード会社で確認が取れ次第、カードが使えるようになります。
2つ目は限度額アップの申請をするというもの。「大きな買い物をする予定があり、一時的に限度額を上げたい」という場合は一時的な限度額アップを、「日ごろから限度額が足りない」という場合は通常の限度額アップを申請しましょう。ただし限度額アップの申請をすると、多くの場合、審査が行われます。日頃の利用状況が悪いとカードを解約されることもあり得るので注意が必要です。
3つ目は新たに別のカードを作り、複数枚のカードを使い分けるという方法です。「海外旅行の予定があるから限度額を上げたい」というケースでは、複数枚のカードを持っておけば限度額アップの申請をしなくても間に合うこともあります。
カードには有効期限がある
カードは一度発行されればずっと使えるというわけではなく、有効期限があります。基本的には引き落とし日に遅滞なく支払っていれば有効期限前に自動更新され、新しいカードが届きます。しかし、何らかの問題があった場合には、更新の審査に通らずカードを解約されることも。
カードの更新時の審査は普段のカード利用状況がものをいうので、日ごろから気を付けて利用しましょう。
紛失・盗難・スキミングなど、不正利用のリスクがある
クレジットカードを利用していると、紛失・盗難・スキミング(カードを偽造するために磁気データを読み取る犯罪)といった不正利用につながるリスクが出てきます。ただ、クレジットカードには紛失・盗難保険がついているものがほとんどなので、多くの場合、不正利用の際には、申請の手間はかかるものの補償を受けることができます。
ただし、暗証番号をほかの人にわかりやすいようなものに設定しているなど、利用者に落ち度があった場合には補償を受けられないこともあるので注意してください。
支払い方法によっては出費が多くなる
クレジットカードの支払い方法には1回払いのほか、2回払い、3回払い以上の分割払い、ボーナス1回払い、ボーナス2回払い、リボ払いといったものがあります。このうち1回払い、2回払い、ボーナス1回払いは手数料無料で利用できるクレジットカードがほとんどです。しかし、3回以上の分割払い、ボーナス2回払い、リボ払いは手数料がかかってきます。
リボ払いとは、月々の支払い額を5,000円や1万円など一定の金額に固定して返済していく支払い方式のことです。毎月、比較的少ない一定額を返済していくため、まとまったお金がなくても高額な買い物ができるメリットがあります。
あらかじめ支払い回数を決めて、支払い回数に応じた金利手数料との合計額を毎月少しずつ返済していく分割払いとは違い、リボ払いでは返済総額(リボ残高)に応じた金利手数料が翌月の返済総額に上乗せされていきます(元利定額残高リボルビング方式)。毎月の支払い額が低めに設定されていることと、金利手数料が先送りされていくことで、分割払いに比べて支払い回数が多くなりがちです。支払い回数が増えると、それにともなって支払う金利手数料も大きくなっていきますので、この点には十分注意が必要です。
また、金利手数料が翌月に繰りこされずに、当月の定額分に上乗せして返済していく方式(元金定額リボルビング方式)もあります。月1万円のリボ支払いで10万円を返済する想定で、2つの方式を表にしてみました。金利手数料は、多くのカード会社が採用している15%で計算しています。
元利定額残高リボルビング方式による支払い例
(毎月の元金返済額と金利手数料の合計が定額)
返済回数 |
元金返済額 |
手数料 |
返済合計金額 |
リボ残高 |
1ヶ月目 |
8,750 |
1,250 |
10,000 |
91,250 |
2ヶ月目 |
8,860 |
1,140 |
10,000 |
82,390 |
3ヶ月目 |
8,971 |
1,029 |
10,000 |
73,419 |
4ヶ月目 |
9,083 |
917 |
10,000 |
64,336 |
5ヶ月目 |
9,196 |
804 |
10,000 |
55,140 |
6ヶ月目 |
9,311 |
689 |
10,000 |
45,829 |
7ヶ月目 |
9,428 |
572 |
10,000 |
36,401 |
8ヶ月目 |
9,545 |
455 |
10,000 |
26,856 |
9ヶ月目 |
9,665 |
335 |
10,000 |
17,191 |
10ヶ月目 |
9,786 |
214 |
10,000 |
7,405 |
11ヶ月目 |
7,405 |
92 |
7,497 |
- |
合計 |
100,000 |
7,497 |
107,497 |
|
元金定額リボルビング方式による支払い例
(毎月の元金定額返済額に金利手数料を上乗せ)
返済回数 |
元金返済額 |
手数料 |
返済合計金額 |
リボ残高 |
1ヶ月目 |
10,000 |
1,250 |
11,250 |
90,000 |
2ヶ月目 |
10,000 |
1,125 |
11,125 |
80,000 |
3ヶ月目 |
10,000 |
1,000 |
11,000 |
70,000 |
4ヶ月目 |
10,000 |
875 |
10,875 |
60,000 |
5ヶ月目 |
10,000 |
750 |
10,750 |
50,000 |
6ヶ月目 |
10,000 |
625 |
10,625 |
40,000 |
7ヶ月目 |
10,000 |
500 |
10,500 |
30,000 |
8ヶ月目 |
10,000 |
375 |
10,375 |
20,000 |
9ヶ月目 |
10,000 |
250 |
10,250 |
10,000 |
10ヶ月目 |
10,000 |
125 |
10,125 |
0 |
合計 |
100,000 |
6,875 |
106,875 |
|
カード会社各社はリボ払いに設定することを条件にしたキャンペーンを行うことがあるので、キャンペーンのときにはよく確認し、リボ払いの設定が条件であればキャンペーンに参加しないなり、キャンペーン後にリボ払いを解除するなりして自衛することが大切です。
また、まれにリボ払い専用カードという種類のクレジットカードがあります。こうしたカードは公式サイトの説明などで必ず「リボ払い専用カード」と記載がありますし、あまり目立たない存在なので勘違いして選ぶ可能性は低いのですが、念のため「リボ払い専用カードというものがある」ということは頭に入れておくといいでしょう。
支払いが後回しになってしまう
クレジットカード払いをすると、実際に引き落としをされるのは1~2ヶ月後になります。そのため、「クレジットカードは借金だから嫌だ」と思う人も一定数います。
また、慣れてしまえば問題はないのですが、「クレジットカードを利用すると家計簿の記入が面倒だ」という人もいます。家計簿の記入方法としては、「クレジットカードを使った日に使った分を記入、通帳の残高は実際の残高とクレジットカード引き落とし後の残高を記入しておく」「引き落としの日にまとめて記入する」などさまざまなやり方があるので、自分が把握しやすいように記入するといいでしょう。
まとめ
このように、クレジットカードにはメリットもあればデメリットもあります。デメリットについては理解していれば対処できるものが多いので、きちんと理解して自分に合ったクレジットカードを活用してみてください。
「クレジットカードを選ぶ際は、念のためリボ払い専用カードでないことを確認する」「クレジットカードのキャンペーンに応募する際は、リボ払いにチェックが入っていないか確認する」というのが大きな注意点です。クレジットカードを選ぶ際の参考にしてみてください。