地震大国である日本に住む以上、地震のリスクと無縁ではいられません。
気象庁は8月8日に南海トラフ地震臨時情報を発表しました。
これにより、地震保険の必要性について考えた人も多いでしょう。
地震保険は「いらない」といわれることもある保険ですが、なぜでしょうか。
この記事では、地震保険がいらないといわれる理由や、加入すべき人の特徴について解説します。
地震保険はいるorいらない?必要性を判断する3つのポイント
マネーFix 編集部
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地震保険がいらないといわれる理由
地震保険がいらないといわれる理由には、主に以下の3つが挙げられます。
- 補償に限界があるから
- 保険料が高いから
- 被害を受ける可能性が低いから
補償に限界があるから
地震保険に加入しても、被害額の全額が補償されるわけではありません。
地震保険の補償金額は、建物や家財にかけられている火災保険の30~50%までと決められているからです。
例えば、火災保険で建物の保険金額が3000万円の場合、地震保険はその50%である1500万円までしか補償できません。
つまり、地震で家が壊れても、地震保険だけで家を建て直すことは難しいのです。
また、地震による被害が発生した際は、損害の程度を全損から一部損まで4つのカテゴリに分けて保険金が支払われます。
全損の場合に支払われる保険金は契約金額の100%ですが、一部損と判定された場合に支払われる保険金は契約金額の5%です。
3000万円の建物の例で計算すると、以下の通りになります。
【設定できる保険金額】
- 火災保険の保険金額:3000万円
- 地震保険の保険金額:1500万円まで
【支払われる保険金額】
- 全損の場合:1500万円✕100%=1500万円
- 一部損の場合:1500万円✕5%=75万円
地震で被害を受けたにもかかわらず「一部損」と判定されると、3000万円の建物に対して、受け取れる保険金額は75万円となります。
こういった地震保険の補償内容が、地震保険がいらないといわれる理由の1つとなっています。
保険料が高いから
地震保険の保険料はほかの保険と比べて高額であることが多いため、地震保険を敬遠する理由の1つとなっています。
例えば、以下の条件の保険料は下記の通りです。
【条件】
- 建物の構造:木造
- 建物の所在地:東京都
- 火災保険の保険金額:建物5000万円、家財1000万円
- 割引:建築年割引10%
【地震保険料】
- 保険金額:建物1500万~2500万円、家財300万~500万円
- 年間保険料:建物5万5000~9万2500円、家財1万1100~1万8500円
(※一般社団法人日本損害保険協会「地震保険保険料シミュレーター」にて試算)
東京都で木造建物の地震保険を、建物2500万円・家財500万円で加入した場合、年間保険料は10万円を超えます。
さらに、地震保険の保険料は値上げ傾向にあります。
2017年1月以降、順次保険料が引き上げられ、今後も保険料が下がる可能性は低いでしょう。
このような状況から、地震保険の加入を見送る人が多いのです。
被害を受ける可能性が低いから
自宅が地震の被害を受ける可能性は低いと感じ、地震保険がいらないと考えている人もいます。
例えば、自分の住んでいる地域が大規模地震の想定地域外である場合、地震のリスクを低く見積もりがちです。
また、耐震性の高い建物に住んでいる場合も、地震による被害を受けにくいと考え、保険の必要性を感じにくくなります。
これらの要因から、地震保険に加入するメリットが少ないと判断する人もいます。
地震保険に入る判断基準
地震保険はどのような人が加入した方がよいのでしょうか。
地震保険への加入を検討すべき人の特徴を3つ挙げます。
- 住宅ローンを抱えている
- 地震リスクが高い
- 貯金が少ない
1つ目の特徴は、住宅ローンを抱えている人です。
もし地震で家が全壊しても、ローンの支払いは免除されません。
そのため、地震保険に加入すれば、保険金をローンの支払いに充てられ、二重ローンを避けることができます。
2つ目の特徴は、地震リスクが高い地域に住んでいる人です。
内閣府によると、今後30年以内に70%の高確率で南海トラフ地震と首都直下地震が発生すると予想されています。
これらの地域に住んでいる場合や、住んでいる建物が老朽化している場合も、地震保険への加入を検討した方がよいでしょう。
3つ目の特徴は、貯金が少ない人です。
地震保険に加入していない場合、地震で家が壊れたら、自己資金で生活を再建しなければいけません。
貯金が少ない人にとって、生活の再建に必要な金額を用意するのは容易ではないでしょう。
そのため、貯金が少ない間は、万が一に備えて地震保険に加入しておくのが賢明です。
判断に迷う場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談するのも1つの方法です。
家計の状況に応じて、的確なアドバイスをもらえるでしょう。
なお、FPに相談する場合は、マネーキャリアなど無料で相談が受けられるサービスがおすすめです。
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