2024年10月1日から、郵便料金が30年ぶりに値上げされます。
利用者の減少や、物流コストの上昇による事業収支の赤字を補う目的で、郵便料金の大幅な値上げが実施されます。
この記事では、10月に実施される郵便料金の値上げについて解説します。
【10月から】郵便料金が30年ぶりの値上げ。50g以内の定型郵便は一律110円に
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
郵便料金が大幅値上げ
各種郵便物の料金について確認しましょう。
定形郵便物
現在の定形郵便物は、25グラム以内と50グラム以内で料金が異なります。
- 25グラム以内:84円
- 50グラム以内:94円
10月1日から、50グラム以内の料金を統合し一律110円となります。
25グラム以内の郵便物は、値上げによって、約1.3倍の金額になります。
郵便はがき
郵便はがきの料金は以下の通りです。
- 9月30日まで:1枚63円
- 10月1日以降:1枚85円
値上げによって、約1.3倍の金額になります。
古い郵便はがきは、新料金との差額分の郵便切手を貼付すれば、10月1日以降も継続して利用できます。
レターパック
レターパックには「レターパックプラス」と「レターパックライト」の2種類があります。
9月30日までの料金は、以下の通りです。
- レターパックライト:370円
- レターパックプラス:520円
10月1日からの料金は、以下のようになります。
- レターパックライト:430円
- レターパックプラス:600円
古いレターパックは、新料金との差額分の郵便切手を貼付すれば、10月1日以降も継続して利用できます。
定形外郵便物
定形外郵便物は、すべての重量で料金を引き上げます。
出典:日本郵便株式会社「2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります」をもとに作成(以下同)
規格外の定形外郵便物も値上げされます。
速達と書留
速達や書留の料金は、以下の通りです。
書留の料金は据え置きとなっています。
新たに販売される普通切手
10月1日からの料金値上げにともない、新たな普通切手やレターパックが販売される予定です。
新たに販売される普通切手は、以下の12種類となります。
- 16円普通切手
- 22円普通切手
- 26円普通切手
- 40円普通切手
- 85円普通切手
- 110円普通切手
- 180円普通切手
- 270円普通切手
- 300円普通切手
- 慶事用85円普通切手
- 慶事用110円普通切手
- 弔事用85円普通切手
それぞれのデザインは、以下の通りです。
出典:日本郵便株式会社「新料額の普通切手」
新料金の普通切手、郵便はがき、レターパックは2024年9月2日から販売されます。
10月1日から郵便料金が値上げされた場合、2025年度の収支は67億円の黒字となる見通しです。
しかし、2026年度から再び赤字に転じ、2028年度には赤字額が1232億円になる可能性が指摘されています。
そうなると、郵便料金のさらなる値上げが実施されるかもしれません。
総務省は、今後も最小限の上げ幅で料金を引き上げるよう検討しています。
- 日本郵便株式会社「2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります」
- 日本郵便株式会社「新料額の普通切手」