2024年9月から、大阪市では0~2歳の第二子の保育料が無償化されます。
これまでの制度から、どのような内容に変わったのでしょうか。
この記事では、大阪市の保育料無償化について解説し、ほかの自治体の取り組みについても紹介します。
9月から大阪市で0~2歳の第二子の保育料が無償に。ほかの自治体は?
【記事執筆】FP川辺 拓也
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現行制度と大阪市の無償化案を比較
保育料の無償化について、現行制度と新たに発表された支援策を比べてみましょう。
現行制度
現行制度では、全国一律で、3~5歳の保育料(保育園・幼稚園・認定こども園など)は無償となっています。
0~2歳の子どもを保育園に通わせる場合、原則保育料がかかります。
ただし、通園する子どもの人数や所得によっては、0~2歳でも保育料が半額または無償となります。
- 住民税非課税世帯:第一子も無償
- 第三子以降:無償(所得制限なし)
- 第二子:保育料が半額(所得制限なし)
(※第一子が小学生になると、第二子が第一子としてカウントされる)
全0~2歳の保育無償化へ
大阪市では、2024年9月から、これまで半額だった第二子(0~2歳)の保育料が、無償化されます。
また、子どものカウント方法についても見直されます。
これまでは、年収360万円以上の世帯は、小学生以上の子どもはカウント対象外でした。
2024年9月以降は、小学生以上の子どももカウントされるようになります。
さらに、2026年からは第一子の保育料も無償化する見通しです。
この支援策が実現すると、2026年から子どもの人数や親の所得に関係なく、保育料が無償になります。
大阪市によると、保育料を完全無償化できるかどうか、以下の条件をもとに判断する予定です。
- 保育を必要とする人が入所できる環境の確保
- 在宅児等が必要なときに利用できるサービスの確保
- 財源の見通しが立つこと
ほかの自治体では?
大阪市のほかに、保育の無償化が実現している自治体はどこでしょうか。
完全無償化している自治体
すでに保育料を完全に無償化している自治体の例として、「備前市(岡山県)」「守口市(大阪府)」「高島市(滋賀県)」「にかほ市(秋田県)」「都城市(宮崎県)」などが挙げられます。
にかほ市では2022年10月から、都城市では2023年4月から、保育料が無償化されており、0~2歳の保育料を無償化している自治体は増加傾向にあります。
第二子の保育料が無償の自治体
一部の自治体では、第二子の保育料について無償化しています。
東京都
東京都では、2023年10月から0~2歳の第二子の保育料を無償化しています。
所得制限もありません。
兵庫県明石市
0~2歳の第二子の保育料を無償化した自治体として有名なのが、兵庫県明石市です。
2016年9月から、保育料を無償化しました。
2016年8月までは、無償化となる要件として第一子の年齢制限や所得要件を定めていましたが、2016年9月からは撤廃しています。
人口が5万人以上いる市では、全国で初の試みとなりました。
福岡県福岡市
福岡県福岡市では、2023年度から0~2歳の第二子の保育料が無償化となりました。
2022年度までは、住民税非課税世帯のみ無償化の対象でしたが、2023年度以降は所得制限を撤廃しています。
広島県福山市
広島県福山市は、大阪市と同じく2024年9月から第二子の保育料を撤廃する方針です。
大阪市と同じく、小学生以上の子どもについても第一子としてカウントします。
各治体では、子育て世帯の支援を拡充する方向でさまざまな施策をスタートさせています。
0~2歳児の保育の無償化が全国の自治体に波及するのか、注目が集まります。
なお、幼児教育・保育無償化については、こちらの記事も参考にしてください。