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誰も住まない実家は相続してはいけない?必要なのは相続税だけではない

執筆者:マネーFix 編集部

マネーFix 編集部

マネーFix 編集部は、FP有資格者や「ビジネス書」や「学習参考書」などさまざまなジャンルの編集経験者で構成されています。わかりやすく確かな情報を発信し「人生におけるお金の決断」の判断基準となる、信頼できるメディアを目指します。

実家が持ち家の場合、親が亡くなったあとの処分について悩んでいる人は多くいるでしょう。

親の実家に住む予定であれば問題はありませんが、実家とは別に自分の家を所有している場合や、親の実家が遠方で住む予定がない場合もあるでしょう。

この記事では、誰も住まない家を相続する際の対策について解説します。

誰も住んでいない実家を相続したらどうなる?

実家を誰も継がない場合でも、「なんとなく手放しづらい」「とりあえず相続して所有しておこう」と考える人もいるでしょう。

しかし、住まない実家を理由もなく相続するのはおすすめできません。

誰も住んでいない実家を相続することで起こるリスクは、以下の通りです。

  • 相続税がかかる
  • 維持費がかかる
  • 固定資産税がかかる

相続税がかかる

誰も住んでいない実家を相続した場合、「小規模宅地等の特例」が受けられず、相続税の負担が大きくなる可能性があります。

小規模宅地等の特例とは、亡くなった人が所有していた土地について相続税を最大80%減額できる制度です。

土地の評価額が減額されることで、課税対象となる財産額が減少するため、相続税の節税になります。

小規模宅地等の特例を受けるには、相続人が被相続人と同居していることが1つの条件です。(同居をしていなくても小規模宅地等の特例を受けられる例外もありますが、いくつかの要件に該当する必要があります。)

つまり、実家に住んでいない子どもが実家を相続した場合、土地の評価額が大きくなり、相続税負担が増える可能性が高まってしまいます。

固定資産税がかかる

誰も住んでいない実家でも、所有者は毎年固定資産税を支払う必要があります。

固定資産税とは、毎年1月1日時点で不動産を所有している人に課される税金のことです。

誰も住まない実家を管理できず、倒壊の恐れや悪臭、景観の悪化などの状態になっていると自治体から判断されると、「特定空き家」「管理不全空き家」に指定されてしまいます。

  • 特定空き家:放置されることによって倒壊の危険や景観を害すなど、近隣住民にとって迷惑になると行政に判断された空き家
  • 管理不全空き家:適切な管理が行われていないことにより、そのまま放置すると特定空き家に該当するおそれのある空き家

「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、通常の6倍の固定資産税が必要になります。

詳しくはこちらの記事「空き家の放置は危険!固定資産税が 6 倍になるのはいつから?」を参照してください。

維持費がかかる

誰も住んでいなくても、火災や災害等に備えて火災保険への加入は必須です。

所有している実家が火元になり、周辺住宅に被害を与えた場合は、損害賠償を負う可能性もあります。

また、「特定空き家」や「管理不全空き家」にならないよう、定期的な点検や掃除、修繕も必要になるでしょう。

さらに、実家が遠方の場合には、交通費や滞在費などの費用も必要になります。

誰も住まない実家はどうする?

誰も住まない実家がある場合の対策は、以下の通りです。

  • 相続放棄する
  • 相続してから売却する

相続放棄する

相続放棄をすれば、住む予定のない実家を相続する必要がなくなり、管理の必要もありません。

しかし、相続放棄は不動産も含めたすべての遺産を放棄することです。

遺産には、不動産だけでなく預貯金、株、借金などがあります。

借金がなく、預貯金や株などの資産が多い場合は、相続放棄することで資産を引き継ぐ権利がなくなる点に注意が必要です。

なお、相続放棄は原則的に相続開始から3ヵ月以内にする必要があります。

相続してから売却する

実家に資産価値がある場合は、相続してから売却することがおすすめです。

また、実家そのものに資産価値がなくても、親の資産が多い場合も一度相続する方がよいでしょう。

売却してしまえば、管理などの手間がなくなり、固定資産税や保険料などの費用も必要なくなります。

ただし、売却には不動産の知識が必要になります。

売却をする際は、不動産のプロに相談することがおすすめです。

家の価値を正しく把握するためには、できる限り多くの不動産会社で査定を出して比較することが必要です。

「ズバット不動産売却」などの一括査定サービスを活用して、家の価値を把握することから始めてみましょう。

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