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公務員の月給やボーナスが3年連続増額へ。しかし、最低賃金に満たないケースもあり

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

2024年度の最低賃金の目安が、昨年比5%増の1,054円となります。

一方、地域によっては公務員の給与が最低賃金を下回るケースも見受けられます。

民間の賃上げを受けて、公務員はどの程度の賃上げを検討しているのでしょうか。

この記事では、人事院が調整している公務員の給与引き上げについて解説します。

公務員の給与改定勧告

人事院は、公務員の月給やボーナスを増額する方針で調整しています。

今回の増額で、公務員の給与やボーナスは3年連続で増加する見通しです。

増額の背景には、民間の賃上げが続いたことがあります。

物価高を背景に、民間企業では積極的な賃上げが実施されました。

公務員の給与は、民間給与の状況を踏まえながら人事院が勧告して決定します。

国家公務員と民間従業員の4月分の給与や、ボーナスの支給実績を調査したうえで、給与水準などを見直します。

2024年2~6月に実施された民間給与調査では、従業員50人以上の約1万1700事業所を対象に、給与やボーナスの水準が調査されました。

具体的な引き上げ幅は未定です。

公務員の最賃割れ

地域によっては公務員の月給が最低賃金を下回る、「最賃割れ」が起こっています。

公務員の最賃割れは、高卒一般職で生じています。

初任給を時給換算した場合、8都府県が地域の最低賃金を下回ることがわかりました。

公務員は最低賃金の制度を適用しませんが、人事院は最賃を下回らないように検討しています。

学歴別に見る国家公務員の初任給は、以下の通りです。

  • 総合職(院卒):22万4100円
  • 総合職(大卒):20万700円
  • 一般職(大卒):19万6200円
  • 一般職(高卒):16万6600円

給与やボーナスだけでなく、初任給の引き上げについても、引き続き検討が必要です。

給与水準の改定で公務員離れは解消されるか

近年、若年層が公務員を志望しない、または早期に離職する「公務員離れ」が問題となっています。

若年層の公務員離れが顕著となっている理由が、以下の3点です。

  • 給与水準が低い
  • 働きがいがない
  • 時間外労働が多い

給与水準だけでなく、公務員としての働き方についても見直す必要性が迫られています。

公務員の給与改定が、公務員離れの問題を解消する手立てとなるのか、引き続き注目が集まります。

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