8月15日は、公的年金の支給日でした。
年金受給者で一定の所得を下回る人には、公的年金に上乗せして「年金生活者支援給付金」が支払われます。
給付金の対象になると、いくら受け取れるのでしょうか。
この記事では、年金生活者支援給付金について解説します。
年金が少ない人は給付金がもらえる!年金生活者支援給付金の対象者と支給額は?
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
公的年金の平均額
公的年金の支給額は、毎年4月に改定されます。
2024年4月からの平均受給額は、以下の通りです。
出典:日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
厚生年金の受給額は、厚生年金に加入していた夫と専業主婦の妻2人分の合計額です。
夫の年金額は、16万2483円になります。
- 基礎年金:6万8000円
- 厚生年金:9万4483円
16万2483円の厚生年金を受け取るためには、現役時代に約43万9000円の年収が必要です。
年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金は、年金受給額が少ない人に対して、生活を支援する目的で支払われる給付金です。
年金生活者支援給付金は、次の要件を満たす人が対象となります。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入とその他の所得の合計額が87万8900円以下
要件を満たした人に、公的年金に上乗せして年金生活者支援給付金が支払われます。
支給額は以下の計算式に基づいて支給されます。
月額5,310円×保険料納付済期間÷480ヵ月
国民年金の納付期間が480ヵ月だった場合、年金生活者支援給付金は5,310円です。
- 月額5,310円×480ヵ月÷480ヵ月=5,310円
年金生活者支援給付金を受け取るには、年金生活者支援給付金所得状況届に氏名などを記入して、年金事務所へ提出する必要があります。
出典:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内」
申請後、公的年金と同じ受取口座に年金生活者支援給付金が支払われます。
支給要件を満たす場合は、2年目以降の手続きは不要です。
2024年に支給される新たな給付金
2024年6月21日、岸田首相は記者会見で新たな給付金の実施を表明しました。
新たな給付金は、低所得世帯や年金受給世帯を中心に支給される見通しです。
給付金の具体的な金額や支給時期は未定です。
新たに支給される給付金は、秋以降に内容や支給時期を決定します。
2024年秋に補正予算案が策定され、臨時国会を通して決定されると考えられます。
そのため、早くても支給は年末~来年になる見通しです。
新たな給付金については、まだ未確定なことが多いですが、今後の動向に注目が集まります。
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内」