2023年12月に施工された法律によって、空き家を放置すると固定資産税が6倍になる可能性があります。
新しい法律では、空き家の管理を怠ると、税金の軽減措置を受けることができなくなってしまいます。
使っていない家屋のために、固定資産税の負担が増えてしまうのは避けたいと考える人も多いでしょう。
この記事では、空き家に関する税金について解説します。
空き家の放置は大損!固定資産税が6倍になるのはいつから?
マネーFix 編集部
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空き家に関する税金
空き家を所有していている場合、「固定資産税」と「都市計画税」が課税されます。
固定資産税
土地や家屋などの固定資産を所有している場合に支払う税金
【納める額】
- 土地:課税標準額×税率1.4%
- 家屋:課税台帳に登録されている価格×1.4%
都市計画税
都市計画法の市街化区域内に土地や家屋などを所有している場合に支払う税金
【納める額】
- 土地:課税標準額×税率0.3%
- 家屋:課税台帳に登録されている価格×0.3%
居住が目的の住宅用地の場合、特例措置があり、固定資産税と都市計画税は減額されます。
(「価格」は「課税標準額×税率」で算出された金額)
出典:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」より作成
例えば、居住が目的の住宅用地で、課税標準額が1500万円の土地の場合、固定資産税は以下の通りです。
- 土地の面積が200平方メートル以内:1500万円×1.4%×6分の1=3万5000円
- 土地の面積が200平方メートル以上:1500万円×1.4%×3分の1=7万円
空き家の税金は2024年からどうなる?
これまで空き家を所有している場合は、「固定資産税等の住宅用地特例」を使うことで節税対策をすることができていました。
しかし、2023年12月に法改正がされたことによって、空き家の状態によっては「固定資産税等の住宅用地特例」を受けられなくなる可能性があります。
空き家を放置すると、倒壊や外壁が落下するなどリスクを伴います。
また、空き家があることでごみが溜まったり、治安が悪くなったりするなど周辺環境に悪影響を与えてしまいます。
こうした状況を防止するため、自治体から「特定空き家」または「管理不全空き家」に指定された空き家は、「固定資産税等の住宅用地特例」の対象外となります。
- 特定空き家:そのまま放置すると倒壊などの恐れがある空き家
- 管理不全空き家:窓や壁が破損しているなど管理が不完全な空き家
空き家のある市区町村から「特定空き家」や「管理不全空き家」としての指導を受け、それに従わずに勧告を受けると、「固定資産税等の住宅用地特例」が受けられなくなります。
先ほどの例で、「特定空き家」や「管理不全空き家」とみなされた場合の固定資産税は、以下の通りです。
1500万円×1.4%=21万円
小規模住宅用地で、特例措置が受けられなくなると、固定資産税は6倍になります。
空き家の固定資産税を6倍にしないためにできること
使わない空き家に、これまでの6倍の固定資産税を支払うのは避けたいと考える人は多いでしょう。
ここでは、「特定空き家」「管理不全空き家」に指定されないようにできる対策について解説します。
- 行政からの指導を活用する
- 売却する
- 駐車場やトランクルームとして活用する
行政からの指導を活用する
問題のある空き家と判断された家屋は、定期的に行政の担当者が家屋を外部から確認したうえで、所有者に状況改善への指導が入ります。
それらの指導に忠実に従い改善措置をすることで、特定空き家や管理不全空き家と指定されない可能性があります。
駐車場やトランクルームとして活用する
空き家を解体し更地にして、駐車場やトランクルームとして貸し出しをすることもおすすめです。
解体費用がかかる点や、駐車場やトランクルームにすることで固定資産税の軽減措置を受けることができない点はデメリットですが、上手くいけば収益を得られる可能性があるでしょう。
売却する
使っていない空き家は売却するのもおすすめです。
売却によって買い手に所有権が移れば、空き家の固定資産税を納める義務はありません。
また、空き家を売却することで、その他の税金や維持管理費などもかからなくなります。
使う予定のない空き家を放置することは、無駄な出費に繋がります。
空き家の売却を検討している人は、「ズバット不動産売却」などの一括査定サービスを活用して、自分の空き家の価格を知ることから始めてみてください。